マルセル・ブロイヤーの家具を見てきました。

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ドイツのおしゃれ家具が集合!
モダンインテリア好きにおすすめの展覧会です。


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 気になる混雑状況は?
3. 例えばこんな作品がありました
 ①パイプ椅子の発明者
 ②ドイツらしいシンプルな機能美
 ③ブロイヤーの椅子に座れる!
4. 逆に惜しかったところ
 ①展示の規模が小さすぎる
5. まとめ


展覧会の基本情報

展覧会名:マルセル・ブロイヤーの家具: Improvement for good
場所:東京国立近代美術館
最寄駅:竹橋駅(1b出口直結)
会期:2017/3/3〜5/7
作品数:約30点
所要時間:30分
観覧料:一般は430円(同時開催の「茶碗の中の宇宙」展のチケットで無料)
ロッカー:あり(100円、使用後返金)



気になる混雑状況は?

空いています。
好きなだけ家具を見ていられるので、インテリア好きには堪らないですね。
ただし、展示作品数が約30点と少ないので、この企画展のためだけに美術館に行くかと言われると微妙です。

同じチケットで入れる所蔵品コレクションでもピカソやセザンヌなどの素晴らしい作品が出ていますので、主目的はそちらになるかも。
また、同時開催中の企画展「茶碗の中の宇宙」展が非常に素晴らしかったので、家具展はそのついでになるかもしれません。

茶碗の中の宇宙展の感想はこちら



例えばこんな作品がありました

今回は著作権の関係上、写真を貼ることができません…。
ですので、感想に近いビジュアルのイメージ画像を活用し、周りから攻める形になっております。
ご了承くださいませ。

①パイプ椅子の発明者

学校の入学式や卒業式で誰もが使ったことのあるパイプ椅子
1本のパイプをえいや!っと曲げて作るアレです。
あのパイプ椅子を誰が発明したか、みなさんはご存知ですか?

なんと、その発明者がマルセル・ブロイヤーという人なんですね。

彼は世界で初めて椅子にパイプを使用したのです。

…と言われても凄さが分からないですよね。
4本の脚を取り付ける場合と、1本のパイプをうにゃうにゃ曲げる場合とでは、製作の効率が異なります。

4本の脚を取り付ける場合、脚を木から切り出さないといけないですよね。
さらにパーツ同士が離れないよう、釘を打って固定しなければなりません。
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※イメージ画像

一方、1本のパイプを使う場合、うにゃっ、うにゃっ、と曲げて布をパパッと巻けばおしまい!
…というのは誇張ですが、部品が極端に少ないのでカットにかかる手間が省けます。
パイプ同士はボルトで固定するので、素人でも組み立てられそうです。


もちろんパイプは1本ではなく複数本使用するのですが、4本必要だった脚をパイプ2本、あるいは1本で作れるなんて凄い発見だと思いませんか!?

彼のおかげでパイプ椅子をはじめとするパイプ家具が大量生産されるようになります。
ブロイヤーがいなかったらIKEAみたいに購入者が自力で家具を組み立てる前提の商売も生まれなかった可能性がありますね。

展覧会の入り口で貰えるミニガイドには、パイプ椅子を分解した図も載っています!
家具に付いてくる組み立て方の説明書みたいになっていて、益々IKEAっぽいです。

学校で使うパイプ椅子はアレですけど、ブロイヤーのパイプ椅子ならおしゃれだし素敵だなぁ…



②ドイツらしいシンプルな機能美

北欧ブームの次はドイツブームかなーなんて密かに思っているのですが、
デザイン業界ではメイド・イン・ドイツが大注目を浴びているそうではありませんか!
なんでも、そのシンプルで機能的なデザインは他の追随を許さないのだそうです。

ブロイヤーが通っていたバウハウスというドイツの造形学校では、機能性重視のデザインを教えていたとのこと。
徹底して無駄を排除し、実用性を突き詰めるデザインが良しとされているのです。

パイプ椅子もそうですが、ブロイヤーの家具も完全にこの思想に則っています。
新しい技術を取り入れ、用途の本質を突き詰め、より使いやすいものを作るのです。

そういえば、昨今はミニマルライフだったりノームコアだったり、飾りを排除したライフスタイルが流行していますよね。
ブロイヤーが考案してきたデザインとマッチする考え方です。

弊職は家具こそあまり持っていませんが、文房具はドイツ製が多いです。
(LAMYのボールペン最高だよね!)
本展覧会の余計なものを削ぎ落とす精神にも共感してしまいました!



③ブロイヤーの椅子に座れる!

展覧会の入り口にフォトスペースがあり、パイプ椅子に座って写真を取ることができます。
(ページ上部の写真)
というわけで、座ってみました。

うむ。

座る前はね、こういうのをイメージしてました。
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座りやすい!
安定感抜群!
さすが機能美を追求するドイツ製だなー!

ってね。

では、実際座ってみてどうだったのか!?

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脚が短すぎて椅子と同じ所に関節が来ない!
全然脚が地面につかない!
足の先っちょだけぷらぷら!

という残念な結果に。
椅子を買うときは必ず実店舗で座ってみてからにしましょうね!

しかも1人で行ったので写真を誰かに撮って貰うことができず、ただ椅子に座っているだけになってしまいました。
しばらく座り心地のみを確かめる感じになってしまったんですね。

すると、展覧会スタッフの女性の視線が…!
完全に怪しい人認定されてました。うむ。

あと怪しいお面の意味は分かりません。



逆に惜しかったところ

①展示の規模が小さすぎる

全部で30点ほどしかなく、展示スペースもかなり小さいです。
折角の企画展なのに、こんな規模で良いの…?
と思ってしまうほど小さいです。
所蔵品コレクションと一緒くたになっているのも若干残念です。

良くも悪くも値段相応でした。



まとめ

シンプル・イズ・ベストの原点!

インテリア好きに見て欲しい!
ドイツのストイックデザインの歴史がここにありました!

マルセル・ブロイヤーの家具展、ぜひ行ってみてくださいね!
茶碗の中の宇宙展と合わせて行きましょう!



マルセル・ブロイヤーの家具展 公式HP



その他開催中の展覧会の感想はこちら
N・S・ハルシャ展
大エルミタージュ美術館展
茶碗の中の宇宙展
ミュシャ スラヴ叙事詩展
これぞ暁斎!展
草間彌生 わが永遠の魂展
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オルセーのナビ派展
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