フェルメールの贋作

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ヨハネス・フェルメール「青衣の女」(1663-1664)
アムステルダム国立美術館

みんな大好きフェルメールの作品です。
爽やかな青と窓から差し込む柔らかな光がとても綺麗ですね。

では、こちらの絵はどうでしょう?

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こちらもフェルメールの特徴である青と光が美しいです。
モデルの女性が同一人物のようです。

…。

はい!騙されましたね!!

下の着席している女性の絵は、フェルメールの真作ではありません。
贋作なのです。

20世紀にヨーロッパを騒がせた、悪名高き贋作師メーヘレンの作品です。


贋作とは?

悪意をもって他人の作品を複製し、本物と偽った作品です。
「悪意」というのはお金持ちを騙して偽物を高額で売りつけようとか、そういったことですね。
これは明らかな詐欺行為です。

メーヘレンのように「絵が上手い人」が本物っぽいものを描いた場合、相当に目が肥えていないと嘘を見破れません。
美術の商売は個人の目利きもそうですが、作る人・売る人の良心を前提に成り立つものなのです。

では、どうやって見抜くのでしょうか?
科学捜査に似た検証(絵の具の年代分析など)を行う場合もありますが、それで完璧に見抜けるわけではありません。
また、そもそも費用に見合ったフィルターなのかという問題もあります。
誤って真作を傷つけてしまうリスクもあり、悩ましいですね。


模写は?レプリカは?

それでは真似すること自体がいけないのか、というと、そうではないのが美術界の面白さでもあります。

絵の練習のために名画を真似することがありますね。
これを模写と言います。
まさか模写した作品を本物と偽って売ることはないと思いますので、模写は法律的に問題ありません。
(上手く描けたからって本物と偽って売るのは絶対ダメなんですけどね!贋作になってしまいます!)

ではレプリカはどうなのでしょうか?
これも本物と偽らなければOKです。

レプリカ=複製品ですが、一般的にそっくりそのままコピーすることは少ないです。
少しサイズが小さかったり、現代の新しい材料を使ったり。
「これは本物ではありませんよ」というサインをこっそり入れ込んでおくんですね。

ですので、きちんとした鑑定士であればレプリカを本物と見間違えることはありません。

よくよく考えてみると、美術館のお土産で買えるポストカードも広い意味ではレプリカですよね。
「レプリカ」として販売するので、売る人にも買う人にも違法性は無く、安心して購入できるのです。


まとめ

真似すること自体は美術界で認められていますが、「本物だよ!」と嘘をつくことがダメなんですね。
やっぱり人を騙しちゃいけないよ、と。
ですので、「悪いことのために複製したり真似したりして本物に見せかけた作品」が贋作にあたります。

一方、悪意の無い複製をレプリカと呼びます。
徳島の大塚国際美術館のように、世界的名画を原寸大で再現したレプリカを展示している、と言えば全く問題無いのです。
西洋の作品の場合、本物を見に行くことが物理的に難しい日本人にとっては、レプリカを楽しむというのもアリなのではないでしょうか?


関連情報

本記事で例示したメーヘレン氏について考察された本です。


ピカソの贋作で知られるギィ・リブ。
本人による自伝で、アート業界の闇を暴いてくれます。



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