大阪府堺市のアルフォンス・ミュシャ館

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ジョブ(1896年)

国立新美術館で開催されたミュシャ展、みなさんも行きましたか?
 ミュシャ展の感想と楽しみ方

作品の横に作品名などが書かれたパネルがありますが、所蔵美術館が必ず書いてありますよね。
堺市」と書かれていることが多いことに気づいた方も多いのではないでしょうか?

実は、大阪府堺市には「堺 アルフォンス・ミュシャ館」というミュシャ専門の美術館があるのです!
所蔵作品はポスターなど約500点で、その内80点ほどが常設展にて展示されています。
(6月は休業中です。2017年7月1日からオープンします!やったー!)

しかし、なぜ堺市がミュシャの作品をこれほど多く持っているのでしょうか?
その謎を解く鍵は、1人の日本人にありました!


カメラのドイ創業者、土居君雄

2002年に倒産となってしまいましたが、カメラのドイという会社の創業者である土居君雄氏が、日本に初めてミュシャの作品を持ち込んだのです。

ミュシャの知名度が低い頃から個人的に作品を収集していたそうです。
買い付けや商談でヨーロッパに赴いては作品を持ち帰ったのですね。

ミュシャの息子であるジリ・ミュシャ(チェコ語の発音ではイジー・ムハ)とも仲良くなり、彼の仲介によってコレクションが充実していったそう。
こうして地道に集めていった約500点ものミュシャ作品はドイ・コレクションと呼ばれています。
(ドイ・コレクションには他にもBMWのコレクションが含まれます)


土居君雄氏の功績

現在、ミュシャの表記・呼び方は「ミュシャ」で統一されています。
しかし、昔はそうではなかったのです。
ミュシャ、ミューシャ、ムハ(チェコ語の発音)など、さまざまに呼ばれていました。

これをミュシャに統一したのが土居君雄氏なのです。

ミュシャの祖国チェコの発音ではムハなので、最近はムハと呼ぶことが増えてきましたが。
なんとなくミュシャの方がおしゃれなポスターのイメージに合いますよね。
ムハだったらここまでの人気は出なかったのではないかな…
ミュシャに統一してくれた土居氏に感謝ですね。

ちなみに日本に初めてミュシャを紹介した土居氏は、1989年にチェコ文化交流最高勲章を授与されます。


なぜ堺市なのか?

勲章を授与した翌年の1990年、土居氏は帰らぬ人となりました。
ドイ・コレクションは遺族に相続されますが、なかなか管理も大変だったのでしょう。

そこで、土居氏が新婚時代を過ごしていた大阪府堺市に寄贈されることとなったのです。
これが「堺 アルフォンス・ミュシャ館」の原点だったというわけです。

国立新美術館のミュシャ展では「堺市が持ってるんだー堺市凄いねー」という感想を抱きがちですが、
凄いのは土居一族でしたね!


まとめ

ミュシャの才能をいち早く見抜いた土居君雄氏のおかげで、国内でミュシャの作品の多くを見ることができるのです。
また、コレクションを堺市に寄贈したご遺族の判断にも感謝しなければ。
芸術は民衆のためのものである」とはミュシャの思想ですが、堺 アルフォンス・ミュシャ館は図らずもその意思を体現しているかのようです。

現在休業中ですが、7月の開館が待ち遠しいですね!


関連情報


堺 アルフォンス・ミュシャ館の公式HP

堺市が作ったミュシャの画集。
所蔵品+スラヴ叙事詩も載っていますし、コラムも充実しています。
なか見検索からサンプルが見られるので、画像をクリックしてぜひお試しくださいませ。



Kindleで読める画集もあります。
今すぐに読めるのでとてもオススメです。
弊職の感想はこちら。
ミュシャ画集のレビュー
ミュシャの躍動感のある絵を表紙に使う画集は珍しいですよね。



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