大エルミタージュ美術館展に行ってきました。

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西洋絵画のハイライト!
全てを手に入れたエカテリーナ女帝のスタメンコレクションが集結します!
これを見れば絵画の歴史が全て分かる、そんな展覧会でした。


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 気になる混雑状況は?
3. 例えばこんな作品がありました
 ①ミスコンin西洋絵画
 ②静かに物語る風景画
 ③技術力アピールの動物と静物
 ④廃墟マニア悶絶!
4. 逆に惜しかったところ
 ①ビッグネームが少ない
5. グッズ情報
6. まとめ
7. 割引情報
8. 関連情報


展覧会の基本情報

展覧会名:大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち
場所:森アーツセンターギャラリー
最寄駅:地下鉄日比谷線 六本木駅(1C出口)
会期:2017/3/18〜6/18
作品数:85点
所要時間:1時間
観覧料:一般は1600円
ロッカー:あり(100円、使用後返金)

展覧会に入場してすぐ、チェブラーシカのガイドがあるので貰っておきましょう。
大人にも役に立ちます。
善悪と知識の木の実とアッポーペンを重ねて考察していて中々ロックです。
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気になる混雑状況は?

空いてはいませんが、大変な混雑というほどでもないです。
エルミタージュと名前がついている割には空いている方だと思います。

とはいえ、狭くなっている箇所がいくつかあり、結構混んでいるように感じられる場合もあります。
できれば午前中など最も空いている時間帯を狙うのが良いでしょう。

同じビルで開催中のN・S・ハルシャ展はとても空いているので、良かったらそちらも見てみてくださいね!



例えばこんな作品がありました

①ミスコンin西洋絵画

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カルロ・ドルチ「聖チェチリア」(1640年代後半)

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フィリップ・メルシエ「盆を持つ少女」(1740年代末)

わーい美少女だー!
(美術が好きだからといって高尚な表現力があるわけではない)

300年、400年と時間が経っても美の感覚が変わらないということにも驚きなのですが、
ヨーロッパ各国の美女が一堂に会すというのがまた面白いです。
チェチリアさんはイタリア人画家、メイド風の少女はフランス人画家の作品です。

本展は西洋絵画を一望できる構成になっており、
イタリア、オランダ、フランドル、スペイン、フランス、ドイツ、イギリスとヨーロッパの芸術を網羅した展示となっています。

普通の展覧会だとイタリアのみ、フランスのみ、といった展示が多いので、本展は非常にお得なのです。
エルミタージュ美術館の良いとこ取りをしているわけですからね。

当然、各国の美女を描いた肖像画も多く展示されています。
イタリアは気高い雰囲気ですね。
フランスは清らかでウブな感じがします。

上品な美女ばかりですので、男性はもちろん、女性のみなさんも、
エルミタージュのセンターは誰が飾るべきか、考えながら見てみてくださいね!



②静かに物語る風景画

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トマス・ジョーンズ「嵐、ディドとアイネイアスの物語」(1769年)

風景画と言い切れるかどうか微妙なところですが、人物が小さく描かれているので、ほとんど風景画なわけですね。
ライトアップされた男女の逃避行をひっそりと描くため、人物が小さくなっているのです。

鬱蒼とした森、不穏な湿度をもたらす雲…風景のお陰で画面に緊迫が生まれています。
木々が強風になびいている描写からも、嵐の激しさが分かります。

なんとなく男女の未来に良くないことが起こりそうなのですが、それを風景に語らせているところが凄い!
とてもドラマチックな絵画になっています。



③技術力アピールの動物と静物

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フランス・スネイデルス「鳥のコンサート」(1630年代-1640年代)

けたたましいですね!
見ているだけなのにピーピーガーガー鳥の鳴き声が聞こえてきます。

なんというか魑魅魍魎といった雰囲気ですが、鳥たちが物凄くリアルなんですよね。
スネイデルスは鳥の羽根を描くのが非常に上手く、技術力のアピールとして図鑑のような絵画を作ったのです。

様々な種類の鳥が一箇所に集まるなんてインパクトが強すぎますよね。
それぞれに動きを感じられるので、図鑑の上を行っていると言っても過言ではありません。

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ヤン・ダーフィッツゾーン・デ・ヘーム「果物と花」(1655年)

こちらも非常にリアルな静物画です。
花は綺麗なだけでなく、萎れているのもありますし。
果物もみずみずしいものと、くたっと熟れすぎたものと描き分けられています。

暗示されているのは「ヴァニタス」と言って、すなわち「人生の虚しさ」を表した絵画とも見ることができます。
栄枯盛衰に似たような概念ですね。
動かない静物にメッセージを込めるというのも、なかなか乙なものですな。



④廃墟マニア悶絶!

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ユベール・ロベール「運河のある建築風景」(1783年)

昨今は廃墟の写真集が飛ぶように売れたりするそうですが、
古代ローマ建築の廃墟っぷりも退廃的で良くないですか?
建物の上に雑草が生い茂っている所からは歴史の重みも感じられます。

広々とした奥行きもバッチリ表現されていて、ローマ建築の壮大さを伺い知れます。
また逆光のカットが良いんですよね。
ますます「捨てられた都市」という感じがします。



逆に惜しかったところ

①ビッグネームが少ない

ティツィアーノやブリューゲルは有名ですが、本展のほとんどの画家はあまり知られていないのではないかと思います。
その意味で、ありがたみが分かりにくいんですよね。

もちろん全て名画ですし、見れば見るほど味が出るので、どの絵も巨匠のものだと分かります。
ただ、「エルミタージュってこんなマイナーな絵画ばっかり持ってるの?」となってしまいそうな…。



グッズ情報

展覧会のグッズはもちろんですが、ロシア土産マトリョーシカや、ロシアの人気キャラクターチェブラーシカのグッズもありました。
ロシアから直輸入したグッズが買えるなんて貴重な機会なのではないでしょうか?

ちなみに弊職は「聖チェチリア」「鳥のコンサート」のポストカードを購入でき、大満足です。

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ちょっとしたフォトスペースもあります。
何を写したら良いのか分かりませんが…



まとめ

西洋絵画の全てがここにある!

このブログでは展覧会の構成とは切り口を変え、ジャンルに分けてみました。
(展覧会は国ごと)

ここまで人物画、風景画、静物画に加え、動物や建物まで、様々なジャンルの絵画を紹介してきました。
これは西洋絵画の全ジャンルと言っても良いほどです。
(宗教画は詳しく載せませんでしたが、もちろん展示されています)

ですので、本展を鑑賞すれば西洋絵画を味わい尽くしたことになるのです!
しかも、エルミタージュ美術館の常設展の作品ですので、本当にエルミタージュ美術館に行ったことになる…!!

大エルミタージュ美術館展、ぜひ行ってみてくださいね!


割引情報

国立新美術館の「草間彌生 わが永遠の魂展」、または「ミュシャ スラヴ叙事詩展」の半券をお持ちの方
→半券提示で100円引きとなります。相互割引が使えます。


関連情報


大エルミタージュ美術館展 公式HP


同じビルで開催中の展覧会の感想はこちら
N・S・ハルシャ展


その他開催中の展覧会の感想はこちら
茶碗の中の宇宙展
これぞ暁斎!展
ミュシャ スラヴ叙事詩展
シャセリオー展
草間彌生 わが永遠の魂展
オルセーのナビ派展
ティツィアーノとヴェネチア派展


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