「無限の網」を読みました。

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良い意味で期待を裏切られました。
草間彌生のイメージが180度変わりましたもん。

タブーとされがちなダークサイドの創作が詳しく書かれています。
可愛らしい水玉模様からは想像できない問題児っぷりです。


基本情報と概要

題名:無限の網 草間彌生自伝
著者:草間彌生
出版社:作品社
発売日:2012/3/28


自分を飲み込むような幻覚、絵描きが嫌いな母親の教育、前衛に対する社会の圧力。
草間彌生の人生は闘いの連続でした。
彼女は芸術で世界に挑み、最後には必ず勝利してきました。

かぼちゃと水玉で有名な草間彌生の芸術は、可愛いだけではありません。
フリーセックスなんていう、現在でも不道徳と取れる考えを、平和の象徴としています。

草間彌生はどんな道を生きてきて、これから彼女の芸術はどんな方向へ行くのでしょうか。
芸術も愛も思想も、人生のすべてが凝縮された1冊です。


本との出会い

展覧会で作品のパワーに驚き、この人のことをもっと知りたい!と思ったことがきっかけです。
水玉の履歴書も面白かったのですが、無限の網の方が情報量が多そうなので、こちらも読んでみました。

結論、読んで良かった!
画家の思想も恋愛も、これほどまでにリアルに伝わってくる本だとは思いませんでした。


学んだこと: やるときはトコトンやる

何事も中途半端はダメですね。
草間彌生なんて凄いですよ。
良くも悪くも、振り切っています。

幻覚に対する恐怖を乗り越えるために、水玉をとにかく沢山描く。
セックスへの恐怖を乗り越えるために、男根のようなスカルプチュアをとにかく沢山作る。
男女問わず、公共の場でとにかく服を脱がしてみる。

やることが極端なんですね。
そうしないと思いを表現できないし、既存の価値観と闘えない。
草間彌生の芸術は、そういうことなんだと思います。

結構、生々しい描写が多いんですよ。
クサマ・ハプニングとして知られていますが、路上で男も女も服を脱ぎ、草間彌生が体に絵具で水玉をペイントしていく様子が特に。
官能的な生々しさもありますし、警察沙汰になったという熱狂的な生々しさもあります。
逮捕されて留置所に入ったこともあるとか。

そういうエピソードを、何でもないことのようにサラッと書くのだから恐ろしいです。
普通の人間じゃないですよ、この人。

世界的に有名な日本人アーティストといえば草間彌生しかいないのですが、
2017年現在で88歳です。
普通だったらとっくに落ち着いているはずのおばあちゃんなのですが、
この人、全然落ち着きません。

まだまだ良い芸術が創れるそうです。
今日より明日、明日より明後日の精神で、どんどん良くなれるのだそうです。

今後、草間彌生からどんな作品が放たれるのでしょうか。
純粋に楽しみであるのと同時に、自分も鑑賞者として成長しなければならないですね。


まとめ

草間彌生作品の見方が変わります。

命の限りを尽くし、芸術に打ち込んだ人の人生が1冊に凝縮されています。
これを読まずしてファンは名乗れません。

そして、過去だけでなく、未来へ向けて今の思いも綴っています。
これからどんな作品を世に送り出すのでしょうか。

この本から、草間彌生の魂の叫びを感じてみてください。


無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫)

草間 彌生 新潮社 2012-03-28
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