ロンドンの大英博物館「北斎展」に行ってきました。

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世界は江戸の画家をどう見るのか!?
弊職がギリギリ英国にいるというナイスなタイミングで開幕を迎えた北斎展。
結論、凄い絵はどこへ行っても凄い!
灯台下暗しな事実が分かった、郷愁の展覧会でした!


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 気になる混雑状況は?
3. 例えばこんな作品がありました
 ①教科書に必ず載ってるアノ富士山
 ②植物も動物も写実的で愛嬌もある!
 ③西洋文化に与えた衝撃
 ④チラシの仕掛けがオシャレすぎる
4. 逆に惜しかったところ
 ①葛飾応為をもっと詳しく紹介して欲しい
5. まとめ
6. 関連情報


展覧会の基本情報

展覧会名: Hokusai: beyond the Great Wave
場所:大英博物館(イギリス)
最寄駅:トッテナム コート ロード駅
作品数:北斎展は160点(常設は星の数ほど)
所要時間:北斎展だけなら1.5時間(常設展も見るなら3日)
観覧料:£12(常設展は無料、館内マップは£5の寄付)



気になる混雑状況は?

中々混んでいました。

金曜日の午前中に行きまして、日本の美術館と同様に1列になって前の人に続く形で作品を鑑賞しました。
海外の美術館に行列なんて無い!と言う方もたまにいらっしゃいますが、ケースバイケースなようです。

また、チケットが整理券を兼ねているので要注意です。
チケットに「何時以降なら入場できるか」という時刻がプリントされるのです。
この時刻については早いもの順なので、常設展を見てから企画展を見たい人でも、到着後は最初にカウンターで企画展チケットを買っておきましょう。



例えばこんな作品がありました

イギリスのギャラリーは写真OKエリアがとても多いです!
が、有料の企画展は写真NGです。
今回はほとんどパブリックドメインで取得した画像を掲載しています。
版画作品が多いので展示品とは微妙に異なるバージョンの画像になるかもしれませんが、違いはほぼ分からない程度かと思います。


①教科書に必ず載ってるアノ富士山

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葛飾北斎「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(1830-1833年頃)

歴史の教科書でもお馴染みの作品です!
「葛飾北斎」の「富嶽三十六景」…学生時代に暗記された方も多いのではないでしょうか?
弊職は最後まで「」の字が覚えられず、テストにはひらがなで書きました。
富がく三十六景。

構図もね、素晴らしいですよね。
荒々しい波が丸い額縁のように画面を切り取り、
水しぶきの先端がどこに向かっているのかなーと思ったら富士山なわけですよ!

色も青の種類が沢山あって綺麗。
「テストに出る」系の美術品には愛される理由がありますよね。


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葛飾北斎「富嶽三十六景 凱風快晴」(1830-1833年頃)

これも超有名ですね!
赤富士の名で親しまれています。

すそ広がりで堂々とした姿勢や、真っ赤に染まったイカツい山肌から、
良からぬことが起こる寸前のような雰囲気が伝わってきます。
噴火直前を思わせる緊張感が漂いますね。
色の数こそ少ないのに、状況を伝える描写力が凄い。


変わり種ではこんな作品もありました。

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葛飾北斎「富嶽三十六景 尾州不二見原」(1830-1833年頃)

丸の中に小さい富士山!
何だかよく分からない丸いやつをフレームにするとは!
絵の中にフレームを入れるなんて、マトリョーシカですな。



②植物も動物も写実的で愛嬌もある!

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葛飾北斎「朝顔に雨蛙」(1833-1834年)

朝顔の絵なのですが、カエルがどこかにいます。
さて、どこでしょうか?

私の隣で見ていた年配の女性2人組はvery difficultって言ってました。
弊職もかなり悩みました…
でもこれ、見つけられると物凄く嬉しいです。

カエルも朝顔も描き方はシンプルなのに特徴を捉えていて可愛らしいです。
こういうポストカード、売れそう。
(美術が好きたがらといって高尚な感想が言えるわけではない)


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葛飾北斎「芍薬とカナアリ」(1833年)

がキリッとしていてカッコいいですね。
真っ逆さまの体勢から、お花に止まろうと上体を起こす寸前のように見えます。
羽根のふわふわ感も出ていて、可愛らしさもあります。

お花も素敵ですよね。
花びらも葉っぱもシンプルながら本物らしさが伝わります。

植物と小さい動物の組み合わせって見ているだけで穏やかな気持ちになります。
こんなポストカードがあったら売れそう(2回目)。
実際、買いました。



③西洋文化に与えた衝撃

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フィンセント・ファン・ゴッホ「タンギー爺さんの肖像」(1887)
ロダン美術館
※この作品は本展では展示されておりません

展覧会の最後は、日本が鎖国解除した後、ジャポニズムは世界に広がったという解説で締めくくられます。
とりわけ浮世絵を愛した画家はゴッホだと、そう結んでいます。

そう、確かにゴッホは浮世絵を愛していました。
北斎の絵も非常に気に入っています。

その証拠に、ゴッホが描いた作品で浮世絵が登場するものをご紹介しましょう。
と思ったのですが、「タンギー爺さんの肖像」上部に見える富士山らしきものは、歌川広重の「富士三十六景」!
北斎の絵は1枚もありません!惜しい!

次回、大英博物館には是非とも歌川広重展をやって欲しいですね。


北斎が影響を与えたのは絵画界だけではありません。
なんとこの人も!

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ドビュッシー!

月の光亜麻色の髪の乙女で有名な音楽家です。
繊細で斬新なメロディを作る、見た目からは想像できない裏腹な男なのです。

彼の作曲した「海」という組曲の楽譜の表紙はなんとこの絵だったのです!

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(良い絵だから何度でも載せちゃう)

曲そのものが北斎の海にインスパイアされて生まれたという噂が嘘か本当かよく分かりませんが、
ドビュッシーが神奈川沖浪裏を自室に飾っていたのは事実のようです。
相当お気に召していたことが分かりますね。

芸術に対する目が肥えたゴッホもドビュッシーも虜にしてしまった北斎。
そして今も世界中で愛されていること。
単純に凄いです!



⑤チラシの仕掛けがオシャレすぎる

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こちらが展覧会のチラシです。
無料で貰えます。チケットを買わなくても貰えます。
A5サイズです。
※ミッフィーはついてきません

このチラシは四つ折りになっているので、開くと…

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A3のポスターになります!
A4が2枚分のサイズ!

こちらの作品名は「鷽に垂桜」です。
弊職が行った時はまだ展示されておらず、7/7〜8/13まで展示されるそうです。
斜めに走る枝の力強さと、逆さまの鳥の可愛らしさに惚れ、早速部屋の壁に直貼りしました。

こういった思い出になって保存しておけるチラシって素敵ですよね!



逆に惜しかったところ

①葛飾応為をもっと詳しく紹介して欲しい

弊職が好きな日本絵師の1人に、葛飾応為という女性がいます。
葛飾北斎の娘ですね。
彼女の作品も3点ほど展示されていました。

しかし、もっと力を入れて紹介して欲しかった…!
なんというか、北斎の助手です的な紹介に終わってしまっていました。

ちなみにこれが最高に好きです。
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葛飾応為「夜桜美人図」(19世紀中頃)
メナード美術館

こういった、を得意とする画家なんですね。
さながらラ・トゥールやレンブラントのような。
本展は闇を描いた作品が無かったので残念です。



まとめ

美の基準はだいたい万国共通!

日本にいると西洋絵画の展覧会ばかり行ってしまうという方、多いと思います。
弊職もそうなのですが、北斎展では世界と美意識を共有できた気がします。

でも日本人のお客さんが少なくて残念でした。
日本の絵が天下の大英博物館で展示されてるんですよ!?
これって凄く凄いこと!

北斎展、ロンドン在住の方はぜひ行ってみてくださいね!
会期中に行けない人は、あべのハルカス美術館にも巡回するので、10月は大阪へ行きましょう!



関連情報

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大英博物館には常設の日本展示室があります。
北斎の浮世絵ももちろんありますし、ハニワなど、日本の歴史的な面白い物を沢山見ることができます。
北斎展の会期中にロンドンに行けない方も、ロンドンへご旅行の際には日本展示室へ行ってみてくださいね。


大英博物館 公式HP


今回のイギリス紀行で巡った美術館の感想はこちら。
ナショナル・ギャラリー
テート・モダン
テート・ブリテン
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
シャーロック・ホームズ博物館

イギリスと日本の美術館の違いをまとめた記事はこちら。
旅行前に押さえておくと役に立つでしょう。
優れているのはイギリスと日本の美術館はどっち?実体験で検証しました!


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