ボストン美術館の至宝展、行きましたか?

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古代から現代まで、世界の美術をザッピング!
ここまで色んな作品を見られるとは思っていませんでした。
みんなが大好きな印象派もあれば、馴染みの薄い中国美術やエジプト美術まで。
ここまで多様な作品が一度に来日するなんて凄い!


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 例えばこんな作品がありました
 ①ゴッホとモネの比較ができる!
 ②古代エジプトの絵は横顔ばっかり
 ③なかなか見られない中国美術
 ④村上隆も!現代アートコレクション
3. 逆に惜しかったところ
 ①無いです
4. まとめ
5. 関連情報


展覧会の基本情報

展覧会名:ボストン美術館の至宝展 ― 東西の名品、珠玉のコレクション
場所:東京都美術館
最寄駅:上野駅
会期:2017/7/20〜10/9
作品数:約80点
所要時間:2時間
観覧料:1600円
ロッカー:あり(100円、使用後返金)



例えばこんな作品がありました

①ゴッホとモネの比較ができる!

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フィンセント・ファン・ゴッホ「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」(1888年)
ボストン美術館


本展のメインの一つ、ゴッホが描いた郵便のおじさんです。
奥様の肖像画も揃って来日しており、隣同士に展示されているのでほっこりします。

この絵、好きですか?
色をパズルの様に組み合わせて、人の顔やヒゲを描いています。
服や家具は輪郭をきっちり描き、ほとんど一色でベタ塗り
しかし右手が未完成な印象で面白いですね。

単眼鏡でじっくりと見てきたのですが、タッチの違いがとても面白いです。
離れて見るとちゃんとした顔なのに、単眼鏡を通して拡大して見ると、ベターっと塗っている箇所が多く、驚きました。
塗り方にもベターっなのか、ササーっなのか、色々ありました。

拡大して見るととても平面的なのですが…
離れて見ると凹凸のある人の顔に見えるから本当に不思議でした。


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クロード・モネ「アンティーブ、午後の効果」(1888年)
ボストン美術館


ゴッホだけでなく、みんなが大好きな印象派絵画が充実した展覧会です。
モネ4点も来てます。
その割には空いている展覧会でしたね。

モネは絵の具の表面がボコボコカサカサしていて、ゴッホよりも荒々しい印象。
大急ぎで絵を描いていたことがよく分かります。

空の黄色と水色の綺麗なグラデーションも、意外と荒いタッチなんですよね。
繊細な描き方でないとグラデーションにならないと思っていたのですけれども。
モネマジックですね。
印象派の絵画は魔法なんだ。


印象派といえば、弊職はシスレーも大好き。

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アルフレッド・シスレー「サン=マメスのラ・クロワ=ブランシュ」(1884年)
ボストン美術館


サン=マメスもクロワ=ブランシュもなんのことだか分かりませんね!
でも、静かで寒そうな絵です。
川の浅そうな感じが良いですね。
右の枯れ木の影が川の中に入っていくのが可愛らしいです。

この絵の表面もカサカサした感じ。
モネよりもはっきりした色を使っていますよね。
モネはぼんやり浮かび上がるような絵なのに対し、シスレーは絵らしい絵
(何を言っているのか自分でも分からなくなってきました)

とにかく!
印象派コレクションが充実していることで有名なボストン美術館から、色々な画家の絵が来日しています。
ルノワールミレーもあります。
この機会にそれぞれの画家を比較してみましょう。
描き方の違いに気づくとテンションが上がります。



②古代エジプトの絵は横顔ばっかり

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「高官マアケルウの偽扉」(エジプト、古王国時代)
ボストン美術館


まさかボストン美術館展で古代エジプトの美術が見られるとは…!
石を彫っているのですが、人間の髪の毛の彫り方などがとても細かいです。
日本だと縄文土器の時代ですから、なんというか、圧倒的に美意識が高いですよ、古代エジプト人
(縄文土器も大好きだけどね!)

弊職は、エジプトの壁画などに描かれる人物がすべて横向きなのが気になっていたので、この機会に調べてみました。
顔は横向き、上半身は前向き、下半身は横向き。
むしろ上半身だけなぜ正面なの?と言ったほうが正しいかもしれません。

答えはなんと、人間を立体的に描くにはそうするしかなかった、ということなんだそうです!
なるほどー!確かに!

顔は横向きの方が鼻の高さが分かります。
上半身は横にしてしまうと薄っぺらくなるから、前から描きたいですよね。
下半身は、脚が揃うよりも前後に出ていた方が人間っぽいから横向き。

写実性を重んじた西洋の美術に対し、パーツを分けて「そのものらしさ」を追求したエジプト美術
思想は似てるけど、全然違う方向に行ったのが面白いです。

そんなエジプト美術の真骨頂は彫刻だと思います。

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「メンカウラー王頭部」(前2490-前2472年)
ボストン美術館


彫刻、レベル高すぎ!!
5000年近くも前にこんなに写実的な彫刻が作れていた、ということに驚きです。

二次元の絵では工夫して人物の立体感を出していましたが、彫刻だったら三次元なので人間の顔そのままに作れば良いですもんね。
変なデフォルメはいらないのです。

彫刻でここまで人間そっくりに作れるのです。
絵で横向き・前向きが混ざっているのは、決して美術センスが無かったから、というわけではないと分かりますよね。



③なかなか見られない中国美術

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陳容「九龍図鑑」(1244年)
ボストン美術館


かっこいい龍ですね!
とても長い巻物になっており、右から左へ読み進めると龍がどんどん出てきます。

ところで、あなたは中国の芸術家を1人でも知っていますか?
弊職は魯山人!って思いましたが、よく考えたら日本人でした。
つまり、中国人アーティストを1人も知らないということですね。

日本の美術館だと西洋画か日本画の企画展が多いので、なかなか中国美術に関心が湧かないんですよね。
でもそれって勿体無いじゃん!と思いました。

本作にもあるように、龍を描いた大胆な作品はやっぱり中国が一番優れています
日本画はもうちょっとユルい感じなんですよね。
与謝蕪村なんてとても緩いですよ。

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与謝蕪村「柳堤渡水・丘辺行楽図屏風」(18世紀)
ボストン美術館


人物の顔が全体的にユルいです。
日本独特でこれはこれで良いです。

かっこよさ・大胆さなら中国美術が凄いです。
なんかこう、厳しい皇帝の下で発達してきた文化なんだろうなぁ…と思います。
ボストン美術館展で中国美術に夢中になってしまう人もいるのではないでしょうか?



④村上隆も!現代アートコレクション

著作権が有効な方々の作品なので、ここからは作品の画像を載せられません。
現代に近づくほど、面白い作品が増えるので楽しいセクションでした。

まずは我らが村上隆
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変なおじさんって感じの人ですが、アニメ的な絵で有名な人です。
六本木ヒルズのお花のキャラクターとかをデザインした方です。

本展では大型の作品が展示されています。
モチーフの繰り返しだったり、視覚を歪ませるようなトリッキーな模様だったり、
デザインの実験みたいな絵でした。
近くでよく見たのに、絵筆の跡が全く分からないんですよね。
なんでだろう、プリンターで印刷したみたいな、不思議な絵です。


続いては、ジョージア・オキーフ
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草間彌生が渡米するきっかけになった画家です。
この人の作品は本展では現代アートのセクションではないのですが、まあ、現代アートと言って差し支えないでしょう!

2点来日しており、どちらもとても印象的な作品です。
弊職はどちらかというと「赤い木、黄色い空」がより好きです。
赤い木が折り鶴に似ていて、黄色い画用紙の上を飛んでいるみたいに見えました。

彼女の作品は、構図色使いが素敵です。
描きたいものをドーンと大きく描くところ。
色はとにかく綺麗で鮮やかなところ。
素直な感じの作品なので、心が洗われます。



逆に惜しかったところ

①無いです

惜しかったところなんて無いですね。
展示内容にも満足だし、図録も1900円と安かったし。
解説パネルも全作品についてるんですよ!
ここまで一点の曇りのない展覧会も珍しいです。

強いていうなら、冷房が強いかな。
これは作品保護のためで仕方がないことです。
夏は薄着で美術館へ行きがちですが、長袖の羽織るものを持っていくなど、冷房対策をして行くと良いと思います!



まとめ

古代から現代まで!美術は世界の中心にあった!

ここまで幅広い内容の展覧会って他にありますか?
ボストン美術館のハイライト的な展示で、最初から最後まで楽しむことができました。
エジプト美術や中国美術など、こういった機会でなければ見ることのない作品まで見られて最高でした!

ボストン美術館の至宝展、ぜひ行ってみてくださいね!



関連情報

ボストン美術館の至宝展 公式HP

印象派の巨匠たちの絵画を楽しむためにも、単眼鏡を持って行った方が良いです。
結構持っている人も多くなってきましたよね。
弊職が使っていておすすめなのはこちらです。



上野だったら国立西洋美術館のアルチンボルド展がおすすめです。
奇抜な西洋絵画ですがよく見ると野菜や植物、動物すべて、ため息が出るほどリアルに描かれています。



最新の展覧会情報はこちら。
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