絵画の見方に正解はない!
はい、これが弊職の主張です。自由に見れば良いんですよ、自由に。
「歴史や背景を踏まえて見た方が面白いよ!」派の方々と対立しているように見えるかもしれませんが、
対立はしていないと思うのです。
歴史背景派からは良く思われないかもしれませんけれどね。
例えば、「怖い絵」でお馴染みの中野京子さん。
中野さんは「ただ感じれば良い。歴史や背景は二の次」という価値観に違和感を覚え、
「怖い絵」シリーズなどの著書で作品が描かれた時代背景を解説してくれています。
そういう意味では、歴史背景派の代表格ですね。
もっとも、中野さんのような専門家に語られちゃうと、しがないブロガーの出る幕は無くなっちゃうのですが…
しかし、専門家の歴史・背景から考察する見方と、弊職の思う「自由な見方」は、必ずしも矛盾するわけではないと思っています。
つまり、知識が無くても自由に見れば良いんです!
ちょっくら説明していきますね。
あなたはどんな風にアートと向き合いますか?
美術好きは3種類に分かれると考えています。作品の見方はざっくり分けてこんな感じではないでしょうか。
①歴史的背景を踏まえ、更に自分なりの解釈をする
②知識が無いからその場の雰囲気で良さそうなものを感じる
③作品の背景で価値を判断し、感情的にならない
ちょっと極端な感じもしますが、だいたいこんな感じでしょう。
それでは、それぞれについて説明していきます。
①歴史的背景を踏まえ、更に自分なりの解釈をする
中野さんタイプですね。この見方ができるなら最高です。
専門家クラスになると深い知識も身につけつつ、独自の解釈もできるのです。
しかも、人に教えられる。
素晴らしいです。
願わくばそうなりたいものです。
②知識が無いからその場の雰囲気で良さそうなものを感じる
明菜タイプですね。アート好き・美術好きの多くはこのタイプだと思います。
美術史家のような専門家を目指さないなら、この領域にいるのが一番お気楽で楽しいです。
知識が無いから、好き・嫌いの印象で作品を評価します。
なので、「歴史的な正解」を知っている専門家からすると「にわかめ…」と思われなくもないですね。
ちなみに、現代アート好きはほとんどこのタイプです。
現代アートは「現代」のもので、歴史的背景=現代社会だからです。
わざわざ勉強する必要がほとんど無いことを、みんな直感的に分かってるんだと思います。
③作品の背景で価値を判断し、感情的にならない
これ、一番良くないでしょう。①の専門家の話を丸暗記しちゃうタイプの人。
少し話が逸れますが、この世界には2種類の人間がいます。
美術館で作品の横に付いている解説を読む人と、読まない人ですね。
急に話が大きくなりましたね。
弊職はどっちでも良いので、目が元気な時だけ読みます。
しかし、解説を読まないと作品の良さが分からない!
って思ってる人も一定数いると思うんですよね。
ちょっと勿体無い気がしてます。
そもそも、解説に書いてあるのは大抵「歴史的背景」です。
または「技法の高度さ」です。
「どんな味わいか?」というのは書いていないのです。
書いてあったとしても、それは赤の他人の考えなのです。
結局、何が言いたいのか?
①と②は、「正解」がなんであろうと「自分はこう感じる」という感情があるんです。③は「正解」に自分の気持ちを寄せてます。
(※ここでの「正解」とは「歴史的事実」のことを指します)
つまり、「ある作品」から「新しい何か」が生まれるとしたら、①か②のタイプなのです。
それは新しい解釈でも良いし、パロディやオマージュでも良いです。
新しいアイディア…美術と無関係な仕事のアイディアが浮かぶことだってあるでしょう。
とにかく、次の歴史を作る可能性があるのは、①と②なのです。
対して、③は歴史をなぞるので、新しい領域には行けないでしょう。
もし、あなたが①のタイプなら素晴らしいことです。
しかし、専門家でない美術ファンは②か③に落ち着くと思います。
どっちが良いかと言えば、②ですよね?
強引にまとめる
今日も美術・アートに力を貰って、良い1日にしていこうぜ!ってことを言いたかったんですね。
美術鑑賞なんて究極の娯楽ですから、人生を潤すものであるべきだと思うのです。
ワクワク楽しい気持ちにさせてくれたり。
ぎゅーっと悲しい気持ちにさせてくれたり。
それが鑑賞の醍醐味であることについては、歴史背景派も感覚直感派も同じ意見のはず。
だから、知識が無くたって良いじゃない!
もっと自分色で鑑賞していこう!!
関連情報
現代アートの良さを語った名作オピニオンもおすすめです。(脱線加減がお気に入り)
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怖い絵展も書く予定です。
最近人気なのはヨコハマトリエンナーレの記事。
他にも沢山書いてきたなぁ…。
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