北斎とジャポニスム展に行ってきました。

image
国境を越えるボーダレス北斎!
海外でも北斎が人気なのは知っていましたが、ここまでとは!
そっくりな模写を見て胸が熱くなりました。
今の日本ももっと他国を愛せるし、もっとから他国から愛されたい!


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 例えばこんな作品がありました
 ①解説不要の分かりやすさ
 ②ハイレベル西洋絵画と北斎
 ③エミール・ガレのガラスと北斎
 ④クライマックスに富士
3. 逆に惜しかったところ
 ①混雑しすぎて大行列
4. まとめ
5. 関連情報


展覧会の基本情報

展覧会名:北斎とジャポニスム―HOKUSAIが西洋に与えた衝撃
場所:国立西洋美術館
最寄駅:JR上野駅
会期:2017/10/21〜2018/1/28
作品数:約300点
所要時間:2時間
観覧料:一般は1600円



例えばこんな作品がありました

イメージ画像と注記がある画像は、版画などで複数枚制作されており、展示品とは厳密には異なる作品です。


①解説不要の分かりやすさ

この展覧会は、作品の解説が少ないです。
その代わり、物凄く分かりやすい!
知識をすっ飛ばしても作品と深く触れ合える、画期的な展覧会なのです!

というのも、ただひたすらに西洋の作品と北斎の作品を比較しているから。
そっくりな作品を見比べて間違い探ししたり、微妙に似てない作品を寛容に受け入れたり、目で見たそのままを楽しめるのです。

特に、そっくりな模写作品が沢山展示されていて驚きました。
北斎漫画の模写が充実していましたね。
西洋の人も北斎のデザインを見ながら練習したんだってことが分かりました。

特に、絵は北斎の模写なのに文書が外国語なのがツボでした!
英語でもない文献(フランス語?)なので全く読めず、尚更理解できない文書なのに、絵は日本!
っていうギャップがあって面白かったです。



②ハイレベル西洋絵画と北斎

北斎と西洋の作品を比較する本展。
上で書いたように、そっくり模写したような作品もあれば、こんなのもあります。

image
エドガー・ドガ「踊り子たち、ピンクと緑」(1894年)
吉野石膏株式会社(山形美術館寄託)


image
葛飾北斎「北斎漫画」十一編(刊年不詳)
※イメージ画像


んー、右下のおじさんと似ているけれども…
全然違うような…


このように、偶然ポーズが一致しただけのように見える作品もあります。
しかも、可憐なバレリーナふんどしのおじさんを比較するというね。
筆舌に尽くしがたい違和感です。

あと、こんなのもありました。

image
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「ムーラン・ルージュ」(1891年)
※イメージ画像


image
葛飾北斎「北斎漫画」三編(1815年〜)
※イメージ画像


えー、、、どれかな?

確かに似たような躍動感は伝わってくるものの、ロートレックが北斎の影響を受けていると言い切るには弱い材料ですよね。

と、こんな感じでツッコミを入れながら見ていくのも楽しいです。
実際、「似てないわぁ〜」と言い合うマダムたちも楽しそうでした。

しかし、西洋絵画も北斎もハイレベルなものが展示されているのは確かです。
西洋絵画は特に印象派が多かったです。
両者が似ているかどうかは置いておくとして、モネゴッホの絵を見られて楽しかったです。
絵の具のこんもりした感じが良いですよね。

あと、この絵も気に入りました。

image
メアリー・カサット「青い肘掛け椅子に座る少女」(1878年)
ワシントン・ナショナル・ギャラリー


可愛い絵といったらカサットです!
この絵も少女と子犬がだらだらしているだけの可愛い絵です。最高ですね。
この少女と北斎の繋がりとは?
会場で探してみてくださいね。



③エミール・ガレのガラスと北斎

image
エミール・ガレの作品(本展の展示品ではありません)


弊職、ガレの作品が大好きなんですよね。
小さい瓶で良いから、家に飾るのが夢なのです。
お姫様の部屋にありそうなデザインが素敵です。

そんなガレの作品が、沢山展示されていました!
かなりビックリ!

確かに、北斎の浮世絵と似た所があるデザインです。

image
葛飾北斎「菊に虻」(1831-33年)
※イメージ画像


この絵はモネの絵と対比されていたものなのですが、拝借。
北斎の菊ガレの花、少し似てませんか?

展覧会ではもっと似たようなデザインの作品を比較しています。
ガレのガラスと北斎の版画の共通点は、すとんと納得できたんですよね。

共通点は何かと言うと、平面性
版画もガラスも、陰影を描かないので、デザインとして似通って感じるのだと思います。

それにしても、ガレのランプは綺麗。

image
エミール・ガレの作品(本展の展示品ではありません)


こうして見ると、枝や茎の走り方もロマンチックですよね。
葉っぱやお花がどーんと大きくて、枝や茎はリズミカルに良い雰囲気を作ってくれています。
北斎の版画もそう。
構図が良い」っていうのは、こういう作品のことを言うのでしょう。

平面で勝負する版画とガラス
陰影が無いからこそ、構図に対して妥協しなかったのですね。
ガレが北斎を真似したかどうかは、この際関係ありません。
二人のパッションは一致していたのです。



④クライマックスに富士

本展では膨大な数の作品が展示されています。
最後の方になるともうヘトヘト…で、絵を楽しむ余裕が無くなってくるのですが。

そんな時に、この作品が出てきます!

image
葛飾北斎「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(1830-33年)
※イメージ画像


一番有名な北斎の絵!
教科書で絶対に見たことあるやつ!!
僕の富士!!(松島聡)


この作品が世界に与えた衝撃はやっぱり大きかったのだと再確認できました。
その証拠に、ついに次の作品を生で見てしまいました!

image
ドビュッシー作曲の組曲「海」の楽譜です!
彼も北斎の大波が大のお気に入りだったそうです。
そんな話を初めて知ったのは、大英博物館で北斎展を見たときのことですね。



この時、どんな表紙なんだろう?って疑問に思ったものの、調べずにいた作品です。
なので、見た瞬間に、「アレじゃん!繋がった!」となるわけです。
こうやって昔の感情と突然繋がれる場所だから、美術館が好き。
この瞬間、突然に涙が流れるし、何なら周りの人がびっくりする勢いで泣けます。

富士山関連で、こんな角度の展示もありました。

image
ポール・セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」(1904-06年頃)
石橋財団ブリヂストン美術館


セザンヌは同じ山を何枚も書いているのですが、今まであんまりピンと来てなかったんですよね。
セザンヌだったらリンゴの方が好き。

でも、富士山と並べて展示されることで、ちょっと意味が分かった気がします。
シンボルなんでしょうね、きっと。

自分が生まれるずっと昔からあって、これからもずっと同じ所にある、動かない所とか。
自然は移ろいやすいけど、山はそこにいてくれますからね。
そういうものは、日本人だとやっぱり富士山
セザンヌにとってはサント=ヴィクトワール山

セザンヌの気持ちが分かった気がする展示でした。



逆に惜しかったところ

①混雑しすぎて大行列

西洋美術館にしてはかなり混んでる方だと思います。
チケットを買えれば、その後は並ばずに会場に入れるとは思いますけれども。

が、展示の前の行列が凄かった…。
展示の無いところまで並んでいますからね。
本展は小品が多かったので、しっかり見たい人は並ばないとダメなんでしょうか。

まあ、上野の森美術館の怖い絵展よりは空いてるんですけどね…。



まとめ

世界よ、アートの力でひとつになろう。

私たち日本人は西洋絵画が大好きだし、欧米の文化に憧れもありますよね。
一方、北斎も海外の文化に大きな影響を与えていたということを肌で感じることができました。
今だって北斎人気は健在で、大英博物館で北斎展が開かれたりしてるわけです。

で、もっと色んな国の文化を愛せる!と確信しました。
日本も、他の色んな国から愛されるポテンシャル、まだまだあるはずなんですよね。
アートの力で繋がれるグローバルな世界に夢を感じました。

北斎とジャポニスム展、ぜひ行ってみてくださいね!



関連情報

北斎とジャポニスム展 公式HP


最新の北斎本がこちら。
あの大波はもちろん、百物語というお化けが出てくるシリーズも掲載されています。
本展の「さらやしき」や「こはだ小平二」で百物語が気になった人も多いはず!

北斎への招待

朝日新聞出版 朝日新聞出版 2017-10-06
売り上げランキング : 2201
by ヨメレバ



ツイッターではブログ更新情報、国内外のアート情報、あと綺麗な写真をツイートしています。



今、一番人気の展覧会は怖い絵展。
上野の森美術館なので、北斎とジャポニスム展とのはしごができるかも。



他にも沢山書いてきたなぁ…。
今月の展覧会
今までに行った展覧会一覧


最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!
良かったら応援クリックお願いします!
にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
にほんブログ村