ゴッホ展に行ってきました。

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ブログを読んでいる暇があるなら美術館へ行こう!
ゴッホの絵はスマホやパソコンで見る画像では全く伝わらないと思いました。
本物の絵の具の盛り上がり方や、色彩のパズル的な当てはめ方は、生でなければ見えません。
ゴッホが世界中で愛されるのも納得です。


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 例えばこんな作品がありました
 ①モリモリムニュムニュ
 ②ゴッホフィルターを通した景色
 ③人物画に込めた情念
 ④夢は夢のままで
3. 逆に惜しかったところ
 ①美術館でのトラブルにはご注意を
4. まとめ
5. 関連情報


展覧会の基本情報

展覧会名:ゴッホ展 巡りゆく日本の夢
場所:東京都美術館
最寄駅:JR上野駅
会期:2017/10/24〜2018/1/8
作品数:約180点
所要時間:2時間
観覧料:一般は1600円



例えばこんな作品がありました

①モリモリムニュムニュ

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フィンセント・ファン・ゴッホ「サント=マリーの海」(1888年)
プーシキン美術館


ゴッホ作品は、最も写真で伝わりにくい絵画だと確信しました。
その理由は、モリモリムニュムニュの絵の具!
油絵の具をたっぷり塗りつけていて、そのまま固まっているので絵の具が立体になっているんです。

上の海の絵は特にそうです。
波の白い部分が全部立体になっています。
水の流れをキャンバスの上で再現するように、絵の具がびよーんねばねばーって伸びてるんですね。
筆の動く方向や速さがイメージできるくらい、ちゃんと跡が残っています。

だけど、写真では全然良さが伝わりませんね…。
筆遣いがリズミカル」という表現が的確なのですが、画像で見ても何のこっちゃ、って感じです。
実物は本当に凄いんです。

こちらは少し凹凸が分かりやすいかな?
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フィンセント・ファン・ゴッホ「水夫と恋人」(1888年)
個人蔵


とにかく絵の具が厚いです。
遠近感を隠すかのようですね。
人物よりも道の方が盛り上がって見えます。

あとは、お花もモリモリムニュムニュ
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フィンセント・ファン・ゴッホ「エソギク、サルビアを生けた花瓶」(1886年)
ファン・ゴッホ美術館


花びらが重なる部分が特に3Dなので、会場で確かめてみてくださいね!

モリモリムニュムニュで立体的なのは、やっぱりゴッホの特徴です。
なんでこんなに厚塗りしないといけなかったんだろう?
と思いますよね。
どうしてなのでしょうか?

弊職は、不安を隠すためじゃないかと思います。
夢中で筆を動かすことによって自然と厚塗りになって、しかもキャンバスも隠れていくという。



②ゴッホフィルターを通した景色

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フィンセント・ファン・ゴッホ「オリーヴを摘む人々」(1889年)
クレラー=ミュラー美術館


空が真っ黄色!!
って所がゴッホワールド全開です。

だけど、それ以上に注目したいのが木々のクネクネ感
オリーヴの木ってこんなにクネクネしてるの?

と疑問に思って画像を検索しましたが、まあまあ真っ直ぐでした。
つまり、クネクネにしたのはゴッホのアイディアということです。

オリーヴを摘んでいる人と木が手を取り合ってダンスしているみたい。
クネクネのおかげで妙にセクシーな想像をしてしまいます。

もう1枚紹介します。
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フィンセント・ファン・ゴッホ「草むらの中の幹」(1889年)クレラー=ミュラー美術館


うわー、画像だと素晴らしさが7割減だな…。
本物でしか魅力は伝わらないです。ゴッホ凄すぎ。

というのも、幹の色が凄いのです。
画像だと普通の木っぽい色ですが、本物は全然違います!
オレンジ色青色など、普通の人だったら絶対に木を塗るのに使わない色ばかり使われています。

しかもかなり鮮やかなオレンジや青。
自然にも存在しない色で、自然を描いているのです。

だから、間近で見るとビックリします。
色のピースを組み合わせたパズルみたいなのです。

でも、少し離れるとちゃんと幹なんですよね。
自然界にありそうな感じに調和しているんです。
一体どんな魔法なのでしょうか?

こんな風に、クネクネやカラフルなどゴッホマジックを堪能できたので最高に楽しかったです。
1枚1枚に違う魔法がかかっていますのでね、皆さんも魔法を探してみてください。

それにしても、クレラー=ミュラー美術館やファン・ゴッホ美術館からこんなに大量に作品を借りられるなんて凄いことですよ…。



③人物画に込めた情念

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フィンセント・ファン・ゴッホ「カフェ・ル・タンブランのアゴスティーナ・セガトーリ」(1887年)
ファン・ゴッホ美術館


右端にチラリと見えるのが着物姿の女性の絵なので、浮世絵を飾ってることが分かります。
でも、どうなんでしょうか、この絵。
あまり明るい絵には見えない…。
現実逃避している女性にしか見えないです。

ゴッホに関しては、風景画は好きですが、人物画は微妙なんですよね。
色合いが微妙…。


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フィンセント・ファン・ゴッホ「男の肖像」(1888年)
クレラー=ミュラー美術館


んー、これもどうなのかな。
上から目線のおじさんなんですが、全体的に黄色いですね。
線が直線的で固く強張った表情です。

怖い顔だなー…
こんな人が上司だったら嫌だわ…。

こちらはどうでしょう。

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フィンセント・ファン・ゴッホ「アルルの女(ジヌー夫人)」(1890年)
ローマ国立近代美術館


あら、こちらは柔らかい感じ
口角が上がっているのと、目の雰囲気が優しいです。
優しいおばあちゃんが心配の入り混じった表情でこちらを見つめてきます。

色んな肖像画がありましたが、どれも全然違う表情だし、そもそもタッチが全然違うことに気づきました。
線の種類を使い分けたり、色合いを使い分けたり。
描き方の引き出しが多いですよね。

でも、計算でやっているというよりは思いつきでやっているように見えます。
その時のゴッホ自身の気持ちが投影されているように感じます。
気持ちがストレートに絵の具に表れているのではないでしょうか。



④夢は夢のままで

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フィンセント・ファン・ゴッホ「花魁(溪斎英泉による)」(1887年)
ファン・ゴッホ美術館


展覧会のサブタイトルに「日本の夢」とあるのに、ジャポニスムについてここまで一切触れないで来るブログはここだけでしょう!
とにかく、ゴッホは日本の浮世絵が大好きだったというのが本展のメイントピックでもあります。
こんな風に着物姿の女性を模写してくれるなんて、なんだか嬉しいですよね。
ちなみに、顔の厚塗りっぷりも必見です。

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フィンセント・ファン・ゴッホ「寝室」(1888年)
ファン・ゴッホ美術館


この超有名なゴッホの寝室が日本に来るとは…。
でもこの部屋、よく見ると家具に影が無い不自然な絵であることが分かります。
陰影を描かず、平坦に」というのも浮世絵の影響なんだそうです。
ゴッホ、日本好きすぎ。

しかし、ゴッホ自身は日本に来たことが無いそうです。
輸出される浮世絵や、日本について書かれた本で日本に関する知識を吸収していた、ということなのです。

少し立ち止まってみましょう。
ゴッホが生きた頃は、日本では明治時代
歌川広重や葛飾北斎の浮世絵は、江戸時代のもの。

つまり、ゴッホには当時の日本のリアルではなく、時代遅れの文化が伝わっていた、ということなのです。
江戸に夢を見ていた、と。
(諸々悪い言い方ですみません)

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フィンセント・ファン・ゴッホ「種まく人」(1888年)
ファン・ゴッホ美術館


これなんかも、手前に太い木を持って来る辺り、歌川広重とかの影響っぽいです。

なんか寂しいですよね。
日本は明治時代に入って、欧米に追いつこうと背伸びしてた頃じゃないですか。
でも海外から見ればそんな日本よりもまったりした江戸文化の方が魅力的、というね。

まあ、でもゴッホにとってはそれで良かったのかもしれません。
江戸とゴッホのフュージョンが後世に残る作品を生んだのです。
夢を見るのは良いことですよ。



逆に惜しかったところ

①美術館でのトラブルにはご注意を

同じ鑑賞者として残念だったことがありまして…。

些細なことで学芸員や美術館スタッフを怒鳴りつける方がいらしたのが、ちょっと残念でした。
絵を見て心が浄化されたりしないんでしょうか。
まあ、されない人もいるってことですよね。

東京都美術館は毎回素晴らしい展覧会を企画運営しているし、大勢のお客さんが来ます。
美術館にいまいち慣れていない人も来やすい場所だと思います。
スタッフの皆さんが嫌な思いをするのはやるせないですが、弊職も今一度、人に迷惑をかけていないか言動を振り返ろうと思いました。



まとめ

ゴッホと日本が心を通わす、おとぎ話な展覧会!

この記事ではゴッホの絵ばかり紹介しましたが、本展は日本人のゴッホ研究についても紹介しているんです。
聖地巡礼的な足跡が分かって、それも面白かったです。

しかし日本人って意外と日本の文化に疎いところがあるじゃないですか、弊職もそうなんですけれども。
本展はゴッホの作品を中心に見られるので、ゴッホから入って日本画に興味を持つルートもありだなー、と思いました。

ゴッホ展、ぜひ行ってみてくださいね!



関連情報

ゴッホ展 公式HP


原田マハさんの最新刊。
本展のコンセプトに合わせて書いたの!?
ってくらい、ゴッホとゴッホの聖地巡礼する日本人を軸に書かれた小説です。
弊職もまだ読んでいる途中ですが、読み終わったらもう1回展覧会に行きたいです。

たゆたえども沈まず

原田 マハ
by ヨメレバ



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同じく上野の西洋美術館で開催中の北斎とジャポニスム展も似たようなコンセプト。
ゴッホの絵も1枚ありました。



他にも沢山書いてきたなぁ…。
今月の展覧会
今までに行った展覧会一覧


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