あなたの知らないアジア。

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東洋と西洋が出会うハワイ 。
日本の根付が大切そうに展示されていたり、
中国やインドの宗教的な歴史遺産があったり。
ハワイの美術館なんて小規模だろうと高を括っていたら、イメージが大転覆!
一度で世界史の全てを見られて、お腹いっぱいになりました!


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 例えばこんな作品がありました
 ①根付が有り難がられている!
 ②トーハクを凝縮した日本の展示
 ③ハワイの意味深な現代アート
 ④東洋の怪しい美術品たち
3. 逆に惜しかったところ
 ①月曜休館
4. まとめ
5. 関連情報


美術館の基本情報

場所:ホノルル美術館
行き方:2番バスまたは各社の観光バスで乗り換え無しで行けます。
所要時間:2時間30分
観覧料:$20(別館の料金を含む)



例えばこんな作品がありました

本美術館は写真撮影OKでしたので、館内で撮影した写真を掲載しています。

①根付が有り難がられている!

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signed Senpo 「Monkey Netsuke」(昭和あるいは平成、20世紀)
ホノルル美術館

これが、ジャパニーズ・ネツケ!!
何か企んでそうなお猿さんですね。
観光客のお弁当を狙っているのてしょうか?

根付って、初めて見たかもしれません。
着物の帯に引っ掛ける飾りなんですけど、今は使われてないですよね?
まさか初めてみる根付がハワイ とは、想像してなかったです!

海外では日本の根付芸術がかなり高く評価されているようですね。
確かに、このサルの根付は凄く細かいところまで彫られています。

そもそもサルが人間の親指くらいのサイズなのです。
なのに、毛並みの筋までちゃんと彫られているんですけど!
どんだけ目が良い職人さんなの!?

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根付の展示風景

こんな感じで、省スペースで大量に展示できるのも根付の魅力の一つ。(違う)
正直、見逃してしまいそうなほど小さいです。

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「Netsuke with Onna no Komachi and Fukusa depicted as Wolf and Skeleton」(江戸時代、1615-1868年)
ホノルル美術館

やたらリアルなガイコツと、漫画っぽい狼
これも親指くらいのサイズです。
ガイコツの肋骨が戦慄するほど均等で、人間が作ったとは思えないです…。
ガイコツの骨の滑らかさと、狼の毛のゴワゴワ感が対比されていて、計算高くもある作品です。

しかし、タイトルにある「女の小町とフクサ」って何のことなのでしょうか?
何か知っている方、情報提供をお願いします。

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「Netsuke with Rat in Basket」(明治時代、1868-1912年)
ホノルル美術館

これもズルいわー。
ねずみの毛並みだけでなく、カゴの網目までちゃんと再現されてるんですけど…?
下に敷いてある布の網目の方が粗いなんてこと、ある??

根付って、日本人特有の器用さとこだわりと美意識が詰まってます。
海外の人が食いつく理由、分かるなぁ。

浮世絵みたいに海外流出する前に、日本でかき集めて展覧会やりたい!!
1000個くらい集めないとギャラリーのスペースが埋まらないと思うけど!



②トーハクを凝縮した日本の展示

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「Haniwa of a Bearded Man」(古墳時代、5世紀後半〜6世紀前半)
ホノルル美術館

ヤバくないですか、これ。
ハニワです。ハニワっぽいハニワ
ハワイなのに謎のホーム感。
ハワイハニワゲシュタルト崩壊。

Bearded Manというのは、髭を生やした男性と言う意味。
あ、それ、髭だったのね。
顎が尖ってるのかと思ってた…。

ところで、ハニワを真面目に鑑賞したのは初めてかもしれないです。
ブログに書く以上、真面目に見ないといけません。

しかし、特に何も思いつきません。
唐突なハニワに思考が停止しました。

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渓斎英泉「木曾街道 沓掛ノ驛 平塚原雨中之景(木曽街道六十九次)」(江戸時代、1615-1868年)
ホノルル美術館

これは分かりやすい!
みんな大好き浮世絵です。
始め、北斎の東海道五十三次だと思ったのですが、全然違いました。

渓斎英の木曽街道六十九次でした。
これ、知ってる人いるのかな?
有名?

雨が吹き付けていますが、笠と上着が江戸時代丸出しで可愛いです。
馬も脚が短いですね。
昔の馬は時代劇に出てくるようなカッコいい馬ではなく、短足だったらしいですよ。

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渓斎英泉の浮世絵展示風景

こんな風にたくさん飾ってあります。
ハワイにまで浮世絵が行っているなんて思ってなかったなぁ。

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茶碗の展示風景

日本といえば、お茶の文化!
お茶碗の展示もありました。
真ん中の談の左側は魯山人です。
あれ、右側だったかな…?
(美術ブログとしてあるまじき知性の欠如)

ちなみに下段の左側は人間国宝の大和保男さんの作品です。
魯山人から現代まで、色々な時代の器を集めているんですね。

器のことは全然分からないなぁ。
容器が違うとお茶の味も変わるのでしょうか?



③ハワイの意味深な現代アート

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Theodore Wores「The Lei Maker」(1901年)
ホノルル美術館

意味深な表情…!
これはどう受け止めたら良いんでしょうねー。
あんまり楽しそうには見えないんだよなぁ。

なんていうか、観光客を楽しませるためのレイを作るために、少女が働かされているように見えます。

まぁ、解説パネルには「古き良きハワイ へのノスタルジー」的なことが書いてあるので、地元の人にはそう見えるのかもしれません。
弊職にはそう見えなかったということが、芸術の面白さでもあるのです。
たぶん。

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Madge Tennent「Untitled (Wonan with Gas Mask and Children in Bunny Hoods」(1942-1945年)
ホノルル美術館

これも色々とツッコミ所が多いよ…!
まず、女性が左手にガスマスクを持っています。
周りの子供達はなぜかうさぎの耳のフードを被っています。
スーパーのレジ袋を被っているのかと思いましたが、それは違うみたいです。

よくよく解説を読んでみると、うさ耳もガスマスクなんですって。
第二次世界大戦中、子供が喜んで付けるように、うさ耳デザインにしたんだそうです。

第二次世界大戦
日本もやらかしましたよね。ハワイの真珠湾攻撃とか。

真珠湾攻撃は1941年12月です。
この絵が描かれたのは、1942-1945年

あぁ、これは真珠湾への爆撃を見ている親子なんだ。
日本人である弊職が目の前の絵を理解した瞬間、ぶるっと体が震えました。

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Brett Graham「"snitch"」(2014年)
ホノルル美術館

ハワイといえば、リロ・アンド・スティッチの舞台でもありますね。
しかし、この作品は完全アウトです!(著作権的に)

黒の中の黒!
言い逃れの余地が無いほど、黒にまみれています。
カラスより黒い。

毛羽立っているように見えるのは、鳥の羽が大量にくっついているからです。
タール的なやつでベチャベチャですね。

人気キャラクターを堂々と汚すのはどんな気持ちなのでしょうか。



④東洋の怪しい美術品たち

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「Nandi's Head」(インド、18世紀後半)
ホノルル美術館

かっこいい!
ナンディというのは、ヒンドゥー教に出てくる牡牛です。

アクセサリーのような装飾も全て木を彫ってできているし、何気に超絶技巧では?
色も少し残ってますが、元々はかなりカラフルだったんだろうなぁ。

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左「Rabbit-shaped Water Dropper」(タイ、16世紀)
右「Rabbit-shaped Lime Pot」(カンボジア、11-12世紀)
ホノルル美術館

これ可愛くないですか!?
おちょぼ口!どうしてウサギがおちょぼ口なの!?

左手(手前)のやつは水を注ぐ道具みたいです。
うさぎの口からピューっと飲み物が出てくるのでしょう。
ヨーロッパもそうですけど、海外の人たちって口から水をが出るアート好きですよね。
それは吐瀉物…もといゲロだと思う人はいないのでしょうか?

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「Garuda」(ネパール、18-19世紀)
ホノルル美術館

インドの神鳥なんですって。
名をばガルーダ
そういえばガルーダ航空ってあるけど、この架空の生き物が由来なのでしょうね。

鳥というか、ほぼほぼ人間の像ですけどね。
半鳥半人間でもなく、ほぼ人間です。

でも、黄金だからかなぜかご利益がありそうな気がします。
逆に、呪う力も強そう。
呪われないように拝んでおきましょう。

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左「Funerary Pillar」(中国、1世紀)
右「Funerary Pillar」(中国、紀元前206-紀元後220年)
ホノルル美術館

1世紀!?紀元前!?
そんなに古いものがハワイまで運ばれて来ちゃうって、大丈夫なんでしょうか。
根拠は無いけど心配になってきました。

Funeraryはお葬式で、Pillarは柱だから、お葬式に使う何かのようです。
あんまり悲しそうではありませんが、良いのでしょうか?
むしろ、ちょっと笑っているように見えます。

中国がこんな可愛らしい像をお葬式で使っていたなんて、全然知らなかった。
お隣の国なのに知らないことがまだまだあるんだろうなぁ。


こんな風に、東洋といってもインド中国東南アジアと幅広い作品が展示されていました。
一気にマイナーな世界史を見ることができて楽しい!



逆に惜しかったところ

①月曜休館

西洋編の記事に書いたとおり、休館日が月曜日なのが不便ですね。
でもダメなところなんてほとんど無くて、スタッフさんもみんな親切だったし快適でした!



まとめ

無いものは無い!世界史が凝集した美術館!
根付や浮世絵など、日本人が気づいていない日本の芸術もあり。
アジア各国の歴史遺産もあり。
ハワイの現代アートもあり。

何でもあるから面白い!
知らなかったことも沢山ありました!

ホノルル美術館、旅行の際はぜひ行ってみてくださいね!



関連情報

ホノルル美術館 公式HP (英語)

ここでは東洋・ハワイ のアートを特集しました。
ホノルル美術館には西洋の美術もあるので、こちらの記事で書いています。


その他、ハワイのアート情報はこちら。
2018年ハワイアート紀行

国内で最新の展覧会情報はこちら。
今月の展覧会
今までに行った展覧会一覧


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