ロマネスク建築とゴシック建築は全然違う。

はい、今日は美術検定対策です。
実はね、ロマネスクゴシックの違いには詳しいんです、弊職。
教科書より分かりやすく説明できる自信あるもんね。

というのも、大学時代、建築学科の学生じゃないのに西洋建築史の講義に出ていたから。
その時の先生は、半年の授業なのにロマネスクとゴシックに2〜3コマ割くという大盤振る舞い。
相当、中世の建築が好きなんだろうなぁ。

ぶっちゃけ、美術検定1・2・3級公式テキストで理解するのは難しいところだと思います。
ちょっとしか書いてないので。
でも、この辺りの建築は本当に面白い!
それに、ヨーロッパに旅行して教会を見るのが楽しくなります。
というわけで、明菜氏が他学科から盗んだ知識を大公開!!


ロマネスクとゴシックを比較しよう

時代

ロマネスクはゴシックよりも古く、11世紀の建築様式です。
ゴシックは12世紀ですね。

なので、ロマネスクはゴシックよりも技術が未発達で原始的な感じがします。
逆に、ゴシックは洗練された感じがします。

深い考えもなく適当に書いていますが、この見た目の印象はとても大事ですよ!


壁の厚さ

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上:ノートルダム教会(フランス、ブルゴーニュ)(ロマネスク) CC BY-SA 3.0 by Jochen Jahnke
下:ノートルダム大聖堂(フランス、パリ)(ゴシック) CC0 by 139904

ロマネスクは壁が分厚く、ゴシックは薄いです。
窓の枠あたりを見ると、ロマネスクの壁の分厚さにビビると思います。

まず、大きな建物を作るには、全体を支える土台がしっかりしていないとダメですよね。
壁が薄いと、建物の体重を支えきれず、壁がボキッと折れてしまいます。

だから、ロマネスクは壁が厚いのです。
見るからに頑丈そうな石がぎゅうぎゅうに詰まっていて、壁の厚さが写真からも何となく伝わるのではないでしょうか。
原始的な感じ、するでしょ?

対するゴシックは、薄いんですねー。
これは、建物の重さを上手く分散する方法を発明したからなのです。
ロマネスク建築ほど、壁に重厚感が無いですよね。


窓のサイズ

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左:トリーア大聖堂(ドイツ)(ロマネスク) CC BA-SA 3.0 by Jérôme
右:シャルトル大聖堂(フランス)(ゴシック) CC BY 2.5 by Atlant

ロマネスクは窓が異常に小さいです。
こんなの、昼間でも暗そうです。

しかし、ゴシックは窓が縦に長く、とても大きいですよね。
ステンドグラスにもかなり気合が入っています。

ロマネスクの窓が小さいのは、建物の強度を高めるため。
これは壁が厚い理由と一緒です。

ゴシックは、壁の薄さのところで書いたように、建物の重さを上手く逃す構造で作られています。
だから、壁の強度にあまり頼らないでも建物が建っていられるんですねー。
そのため、窓の部分も大きくすることができました。

ロマネスクとゴシックの一番大きな違いは、壁の強度に頼るのか?頼らないのか?
どっちなんだいっ!
(なかやまきんに君)
ってことですね。

ちなみに、窓やドアの部分を開口部と言うことが多いです。
専門用語ですな。


建物の高さ

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上:聖ミカエル聖堂(ドイツ、ヒルデスハイム)(ロマネスク) CC BY-SA 3.0 de by Heinz-Josef Lücking
下:ケルン大聖堂(ドイツ)(ゴシック) CC0 by taxicologne

ロマネスクは低くて、ゴシックは高い。

ここまで読んだ方ならもう察しがついているかもしれません。
ロマネスクは壁が厚いということから分かるように、全体をどっしり強くすることで建物の強度を保っていました。
だから、壁も天井も重くて、あまり高くはできません。

対してゴシックは、重さを上手く逃すからどんどん高くできたのです。


ゴシック建築はどうやって強度の問題をクリアしたのか?

はい、ここがゴシック建築の花形です。
なぜゴシック建築は高さを追求できたのか?
革新的な建築技術が背景にあったのです。
実際に建物の表面から見える部分なので、旅行したら教会を見て確かめてみてくださいね!


○リブ・ヴォールト
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ソールズベリー大聖堂(イギリス)
CC BY-SA 2.0 by Jan van der Crabben

天井の立体的にクロスした模様がありますよね?
見た目にも美しいですが、ただの飾りではないのです。
れっきとした建築技法なんですね。

アーチをクロスさせることにより、体重を効率よく4方向に受け流しているのです。
だから、高い建物を建てることができたんだなぁ。

教会に入ったら、天井を眺めてみてくださいね。
静かに屋根の体重を受け止めるリブ・ヴォールトがいるはずです。


○フライング・バットレス
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ウルム大聖堂(ドイツ)
CC0 by stux

左から電柱のような細い柱が伸びて、窓と窓の間の壁に繋がっています。
もはや建物の外から支えてしまおうという発想です。
柱を外に作ったということですね。

高い位置にあるリブ・ヴォールトにかかった重さを、これまた高い位置でフライング・バットレスが受け止める構造です。
これによって、天井を高くすることができたのです。

フライング・バットレスは外からでないと見えません。
しかも、横から後ろの、正面以外の所にあります。
教会を見に行ったら、周りも一周してみてくださいね。


○尖塔アーチ
ロマネスクとゴシックは窓の形も違います。
ロマネスクはアーチが丸く半円形で、ゴシックは尖ったアーチです。

これにも、建築的な意味があるんですね。
ロマネスクのように丸いアーチだと、真ん中に重さがが集中するので、崩れてしまうことがあるんです。

対する尖塔アーチは、重さを左右に分散する役割を担います。
建物の強度に一役買っているのです。
ただデザイン的にカッコいいから尖っているわけではなかったようです。

言い換えれば、窓の形ひとつで建物の強度が変わるということです。
こういうことを知ると、建築士がいかに偉大な職業か分かります。


まとめる。

ロマネスクは、
・壁が厚い
・窓が小さい
・低い

ゴシックは
・壁が薄い
・窓が大きい
・高い

ゴシック建築の技術で代表的なのは
・リブ・ヴォールト
・フライング・バットレス
・尖塔アーチ

こういうのは、イメージで覚えるのが大事だと思います。
教科書には少しのスペースにしか説明がありませんが、こういうことを知っていると本当に旅行が楽しくなりますよ!
ロマネスク建築を増築して、一部がゴシックになっちゃっている建物を見つけると、妙な愛着が湧くものです。


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