石油だけじゃない。

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ツッコミ所も多い。
文化の違いが面白くて!
弊職がアラブ世界に馴染みないからなんですが、とにかく
「どうしてそうなった!?」
の連発。
作品を見る面白さと、ツッコミを入れる面白さがありました。


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 例えばこんな作品がありました
 ①愛すべき大雑把
 ②ぼせきイズム
 ③ラクダが可愛い
 ④アクセサリーが豪華
3. 逆に惜しかったところ
 ①順路が分かりにくい
4. まとめ
5. 関連情報


展覧会の基本情報

展覧会名: アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝
場所:東京国立博物館
最寄駅:上野駅
会期:2018/1/23〜2018/3/18
作品数:420点
所要時間:2時間00分
観覧料:一般は620円(仁和寺と御室派のみほとけ展のチケットで入れます)
ロッカー:あり(100円、使用後返金)



例えばこんな作品がありました

本展は写真撮影OKでしたので、会場で撮影した写真を掲載しております。

①愛すべき大雑把

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「人形石柱」(前3500〜前2500年頃、カルヤト・アルカァファ(ハーイル))
サウジアラビア国立博物館

弊職は、これを見るために本展に行ったと言っても過言ではありません。
一筆書きで書けそうなくらい単純な造形。
そのまま縮小してクッキーにしたら美味しそうですよね。
質感もクッキーっぽいだけど。

原始的」という言葉がぴったりですね。
表情が無く、何を考えているのか分からない人物像です。
でも悪い人には見えないし、良い人なんじゃないかなぁ。


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「人形石柱」(前3500〜前2500年頃、カルヤト・アルカァファ(ハーイル))
サウジアラビア国立博物館

こちらは、なんだか困ったような顔してますね。
眉と目が垂れ下がっています。
口もへの字です。

何かに似てると思ったら、弊ブログではお馴染みの偉大なる修復でした。

しかし軽く5000年の時を超えて、表情で当時の物と会話できるのは楽しいんだなぁ。

あと、よく見ると腕と手も彫られています。
腕細いなー。
ジャコメッティの彫刻を思い出しました。

横から見ると、こんな感じ。

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薄っ!!
薄っぺらいなー。
これどうやって立ってたの??

この薄さもジャコメッティの彫刻を彷彿とさせます。
そういえばジャコメッティはアフリカの原始的な人物像にインスピレーションを受けてたとか、そんな記憶があります。
アラビアはアフリカではないですが、原始的というキーワードは確かに繋がっています。

このように、違う時代・違う場所の作品が突然結びつくのがミュージアムなのです。
凄くないですか!?



②ぼせきイズム

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「アブドゥッラーの息子アッバースの墓碑」(9世紀、マッカ)
サウジアラビア国立博物館

おしゃれ!
おしゃれイズム!!
ぼせきイズム!!


そう、この石は墓石です。
骨の埋まっているところにドカッと置いておくやつです。
真ん中に書いてあるのが文字で、周りは全部飾りですね。
やたら飾りの面積が広く、文章量が少ないので内容は薄そうです。(失礼)

もちろん、文字も美しく装飾されています。
太さの緩急のつけ方に美意識が見られますなぁ。

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「ヌーフの息子ジャァファルの息子ムハンマドの息子アフマドの墓碑」(10世紀、マッカ)
ジェッダ博物館

これも縁取りの装飾が可愛いです。
スペードかな?キノコかな?
繰り返しできる単純なモチーフで飾ることで、メインは文字であることを強調しているようにも見えます。

にしても、タイトルが長すぎる。
・本人はアフマド
・ムハンマドの息子
・ジャァファルの孫
・ヌーフのひ孫
という情報が詰め込まれています。
明らかに情報過多です。

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「アルアシャジュ・アルイーディーの息子カーシムの息子ジャァファルの息子アブー・アッリダーの息子アリーの墓碑」(1085年、マッカ)
マッカ博物館

こんなのも。
なぜか岩の表面が湾曲していて、しかも曲面に合わせてなめらかに装飾が施されています。

凄くない!?
なんで平らにしなかったんだ…
それにしても、曲面に装飾しているのに違和感が全くないです。
本の表紙がよれた程度に見えます。

そしてこれも情報過多です。
1人の墓石に4人もの先祖の名前が刻まれています。

というか、そもそも墓石なんて国外に持ち出して良いのでしょうか?
どれも偉い人の墓石っぽくて…恐縮です!



③ラクダが可愛い

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左から「ヒトコブラクダ」(前3〜後3世紀頃、カルヤト・アルファーウ)
「ヒトコブラクダ」(前2〜後2世紀頃、カルヤト・アルファーウ)
「ヒトコブラクダ」(前2〜後2世紀頃、カルヤト・アルファーウ)
「ヒトコブラクダ」(前3〜後3世紀頃、カルヤト・アルファーウ)
キング・サウード大学博物館

弊職は動物が大好きなので、動物をかたどった作品は評価が甘々になります。
ラクダちゃん可愛い。

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左から「ヒトコブラクダ」(前2〜後2世紀頃、カルヤト・アルファーウ)
「ヒトコブラクダ」(前3〜後3世紀頃、カルヤト・アルファーウ)
キング・サウード大学博物館

どっちもヒトコブラクダ
奥のラクダは現代でも通用しそうなほどラクダの特徴を捉えた作品です。
手前のやつはちょっとヘンテコですが、独特の味があって放っておけません。
なぜか丁度いい点々があるので、オカリナに見えてしまうのは弊職だけではないはず。

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左から「ヒトコブラクダ」(前3〜後3世紀頃、カルヤト・アルファーウ)
「ヒトコブラクダ」(前2〜後2世紀頃、カルヤト・アルファーウ)
キング・サウード大学博物館

明らかにオーバーワークなラクダが1頭います!
壺を4つも背負っています!!
なんか可哀想!!

壺4つにラクダ4頭なんだから、1頭1個ずつ持ったら良いのにね。
あれかな、ジャンケンで負けたラクダが次のオアシスまで荷物を運ぶゲームでもしてるのかな?
小学校のときランドセルでやったアレね。



④アクセサリーが豪華

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「ネックレスまたはブレスレット」(前1000年〜前400年頃、タイマー)
「ブレスレット」(前1000年〜前400年頃、タイマー)
サウジアラビア国立博物館

アクセサリーも色んなやつがありました。
アラビア=石油王のイメージがあるので、豪華なやつを期待してしまいます。
これは紀元前1000〜紀元前400年のものですが、この頃から既に美意識高くないですか!?

ブレスレットというかバングルに見えますが、巻貝なんだって!
多分、巻貝を輪切りみたいにしたんだろうなぁ。
すごい発想。
よく変な方向に割れたりしないですね。


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「ネックレス」(2世紀頃、アイン・ジャーワーン)
「トルク」(2世紀頃、アイン・ジャーワーン)
サウジアラビア国立博物館

貝殻に加え、紫水晶真珠を使っています。
金の加工もできてたんですね。
2世紀のセンスとは思えないです。
素敵だなぁ。


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「ネックレス」「ペンダント」「アンクレット」「ベルト」(19世紀、リヤド)
サウジアラビア国立博物館

一気に時代が進んで、19世紀
すごいアラビアン!

弊職が気になったのはコレ。

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「クフル入れ」(19世紀、リヤド)
サウジアラビア国立博物館

解説によると、「クフル」とはアイライナーのことなんですって。
メイク道具でした!

よく見ると、入れ物の丸い部分と棒の部分が取れそうなんですよね。
丸い部分にアイライナーの粉だか液体だかを入れられるってことなんじゃないかな?
棒の部分が筆的に使えて、アイラインを引けるようになっているのだと思います。

こういうデザイン、ネックレスとアイライナー兼用みたいにしたら流行りそうな気がするなー。



逆に惜しかったところ

①順路が分かりにくい

1階の順路、分かりにくかったぁ…。
プロローグの部屋から直線で1個目の部屋に行き、そのまま直進したら、外に出そうになりましたよ。

1個目の部屋からもう一度プロローグの部屋に戻ると、2個目の部屋がありました。
なんでこんな導線になっちゃったんだろう?
他の企画展で表慶館に来た時は、迷子になった記憶ないんですけれども。



まとめ

ツッコミを入れるほど、親しくなれる。
「こんな変わった文化があるんだ!」と新しい発見の連続でした。
治安が良ければ行ってみたいけど、サウジアラビアってどうなんだろう?
ラクダ乗ってみたいです。
知らない国に興味を持てる、トーハクらしい普通に良い展覧会でした。

アラビアの道展、ぜひ行ってみてくださいね!



関連情報

アラビアの道展 公式HP

2018年2/1号のpenでは、本展の作品が詳しく解説されています。
美術品だけでなく、文化、建築、イスラム教についても学べるので、本展でアラブに興味を持ったら、ぜひ!
Pen(ペン) 2018年 2/1 号[アラブは、美しい。]
CCCメディアハウス

by ヨメレバ



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