普通によろしい。

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別名:うはうは西洋絵画展。
個人がこんな素晴らしい絵を持ってるなんて、羨ましいたけです。
印象派を始め、ピカソやマティスまで、西洋の代表的な画家の作品を沢山見ることができました。
こんなに沢山持ってるんだったら1個くらい貰えないですかね。
貰えるんだったらシニャックを所望します。


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 例えばこんな作品がありました
 ①ミステリアス肖像画
 ②風も表現した風景画
 ③ゴッホの立体的な平坦
 ④怖っ!
3. 逆に惜しかったところ
 ①作品数が少ない
4. まとめ
5. 関連情報


展覧会の基本情報

展覧会名: 至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
場所:国立新美術館
最寄駅:乃木坂駅
会期:2018/2/14〜5/7
作品数:約60点
所要時間:1.5時間
観覧料:一般は1600円(あとろ割で100円引き)



例えばこんな作品がありました

以下ではパブリックドメインの画像を使用しています。

①ミステリアス肖像画

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ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル「イポリット=フランソワ・ドゥヴィレの肖像」(1811年)
ビュールレ・コレクション

これはヤバイ!
キャンバスから人がにゅっと出てきたかのような存在感です。
凄くない!?
にゅっと!
にゅっと出てます!


肌や髪、さらに影も自然だし写真より本物らしいのですが、
注目すべきは、服の装飾!
銀の刺繍がアクセサリーみたいに光ってるのです。
見る角度によって光り方が変わるし、本物を貼り付けてるみたいでした!

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ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル「アングル夫人の肖像」(1814年頃)
ビュールレ・コレクション

同じ画家の作品をもう1つ。
こちらもとってもリアル!

なんですけど、服をよく見てみると、大雑把な感じで終わってるんですよね。
ザザッと輪郭やシワを描いただけで、立体感が全くありません。
1つ前の絵のように刺繍の質感まで描ける人が、こんなに適当な仕事をするでしょうか?

というわけで、本作は途中で終わってしまった作品です。
なんで辞めちゃったんだろう?

ただ、アングルの技量が凄く素晴らしいのは分かっているので、こういう人の描きかけ作品は逆に貴重なのも事実です。
制作過程を知ることができますし。
あと、顔の立体感と体の平たい感じのギャップも面白いです。

弊職だったら途中で辞めちゃったものを見られるのは絶対嫌ですけどね…。



②風も表現した風景画

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エドゥアール・マネ「ベルヴュの庭の隅」(1880年)
ビュールレ・コレクション

マネは「印象派」というより「写実主義」で、「ピントが合った絵」が多いのです。
でも、本作は印象派ど真ん中な表現になっています。

絵になっちゃうとピンボケした感じに見えるんですけど、これは風が木やお花を揺らしてるんだなって思いました。
木が揺れると木漏れ日も動きますからね。
1枚の絵と言えど、瞬間を切り取ったのではなく、「人間が認識する一瞬」を切り取ったんだなぁ。

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クロード・モネ「ジヴェルニーのモネの庭」(1895年)
ビュールレ・コレクション

モネも良い感じのピンボケ具合でした!
同じ向きに点を打って行くので、色彩が流れていくように見えます。

道の位置や女性の位置といった構図的な得もあるとは思うんですけど、凄いよね。
影が一切無いのに、なんでこんなに引き締まった絵になるんだろう?



③ゴッホの立体的な平坦

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フィンセント・ファン・ゴッホ「花咲くマロニエの枝」(1890年)
ビュールレ・コレクション

平ら!
物凄く平らです。
ゴッホの絵はとても平ら。

この絵なんか、背景の線がお花や葉っぱを避けてますからね。
これが平坦さの秘密なのかもしれません。

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フィンセント・ファン・ゴッホ「日没を背に種まく人」(1888年)
ビュールレ・コレクション

これは結構有名な絵ですね!
ミレーの「種まく人」にインスピレーションされたとのことで、人物の体勢がクリソツです。

真ん中に木がどーんと立っている構図は広重の浮世絵にインスパイアされてるとかね。
ゴッホって、結構色んな人に影響されてるんですねー。
「良い!」って思った作品を取り入ることで、オリジナルになっていったのでしょう。

しかし本作も印影が無いのですが、近づいてよく見て欲しいです!
木の部分、木肌みたいに絵の具がモリモリしてるので!!

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フィンセント・ファン・ゴッホ「二人の農婦」(1890年)
ビュールレ・コレクション

これも中々のミレー感…。
だけど、空や地面の表現が独特です。
平面を面白くする模様みたいに見えるのですが、ゴッホ本人にはどんな意図があったのでしょうか。

本作も遠目から見ると平坦なんですけど、何と言っても絵の具が盛り上がってますからね!
近づくと遠近感が出てくる不思議。



④怖っ!

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ポール・セザンヌ「聖アントニウスの誘惑」(1870年頃)
ビュールレ・コレクション

怖っ!
セザンヌといったらリンゴなんですけど、こういう怖いやつもあるんだねー。

アントニウスは多分左端の人ですね。
灰色の布に包まってる感じの。
凄くストイックな修行を続けた人だったので、悪魔とか色んなやつが茶化しに…
というか、邪魔しに来たという伝説があります。
美女が誘惑するシーンは、美しいヌードを描く格好の題材になるものですが…

なんかこの絵、やっぱり怖くない!?

全体の黒い重々しい雰囲気もそうだけど、女性たちの目の影が怖いです。

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エドゥアール・マネ「燕」(1873年)
ビュールレ・コレクション

これも雰囲気怖くないですか?
タイトルはなんですけど、小さく2羽くらいしかいないという。
本作に燕と名付けたマネを問い詰めたいですね。

なんだろうな、左側の女性がどうしても喪服を着ているように見えてしまう…。
燕が低空飛行なのも気になるし、空が暗い感じなのも気になります。
嫌な雰囲気の絵ですけど、忘れられない絵ってこういうのなんですよね。

しかし本展は印象派を中心に前後の時代の絵画を見ることができて良かったです。
絶対、日本人に人気な感じの作品ばかりなんですけど、会場は割と空いていたので、それも不思議ですわ。



逆に惜しかったところ

①作品数が少ない

ビュールレ・コレクション全体で200点ほどで、そのうち60点ほど来日しているという状況です。
だいたい3分の1くらいです。
なので、割合的にはかなり沢山来日していることになります。

でも、最近の展覧会って100個近く見られるじゃないですか。
量と質が両方高い展覧会って珍しくないんですよね。
60点を、あの広い新美で展示しているわけです。
そう考えると、少し割高感がありました。

ただ、作品どうしの間隔が広く取られているので、混んでいても見やすいかと思います。



まとめ

でも、あと1万字書けるくらいネタがある。
そして、あえてイレーヌ嬢の絵を載せない弊ブログ…!
そういう美少女の絵の感想を読みたい人は別のブログやニュースサイトに行ってください。
そういえばセザンヌの少年も載せなかったね。

まあ、なんていうのかな。
ポスターに載っている絵以外にも見るべきものが多くて、レベル高かったですよ!

ビュールレコレクション展、ぜひ行ってみてくださいね!



関連情報

ビュールレ・コレクション展 公式HP

安定のもっと知りたいシリーズの表紙はイレーヌ嬢でした。
もっと知りたいルノワール―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
島田 紀夫

by ヨメレバ


森美術館のレアンドロ ・エルリッヒ 展とはしごするのもオススメ。


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