最上級のフルコース。

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プラドが本気出してきました。
プラド美術館をそのまま切り取って持ってきたんじゃないかと思いました。
1枚1枚に大きな物語が埋まっていて、迫力ある絵ばかり。
「絵画を見る楽しみ」が本当の意味で味わえる神展覧会でした!

ところで、ふるこーすを変換すると降るコースになる弊職のiPhoneはポンコツ。


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 例えばこんな作品がありました
 ①大きくて迫力満点
 ②芸術家が芸術家を描くメタ構造
 ③痛くて悶える絵
 ④目が合うベラスケスの肖像画
3. 逆に惜しかったところ
 ①ダメなところ無し
4. まとめ
5. 関連情報


展覧会の基本情報

展覧会名: プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光
場所:国立西洋美術館
最寄駅:上野駅
会期:2018/2/24〜5/27
作品数:約70点
所要時間:1.5時間
観覧料:一般は1600円
ロッカー:あり(要100円、返却式)



例えばこんな作品がありました

以下ではパブリックドメインの画像を使用しています。

①大きくて迫力満点

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ヤン・ブリューゲル (父)、ヘンドリク・ファン・パーレン、ヘラルト・セーヘルスら「視覚と嗅覚」(1620年頃)
プラド美術館

縦176cm×横264cmです。
同時期に東京都美術館で開催されているブリューゲル展も真っ青な、大迫力の作品が来日してしまいました。

お花の描き方がものすごくブリューゲルっぽいです。
是非、ブリューゲル展と合わせて行ってほしいですね。

この絵、とても大きいので、画像では細々して見えない部分もしっかりと見えます。
絵の中の絵の人々の表情もちゃんと分かるから、凄い。
それぞれの絵にも元ネタがあるのでしょうか?

しかし、本展は迫力のある大きい絵がたくさん来日しています!
大きい絵は、大きいというだけで得ですよね。
画家だって自分の2倍くらいのキャンバスに絵を描くので、相当消耗するでしょうし。
体力画力の両方が込められているように感じます。

もっと大きい絵も来てるのです。
ただ、大きさ合戦になっても仕方がないので、まずまず大きくて尚且つ凄いと思ったのをもう1枚。

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バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「小鳥のいる聖家族」(1650年頃)
プラド美術館

小鳥が握り潰されかけてる問題…!
鳥好きとしては看過できませんが、仕方がありません。
この子はイエス・キリストなのです。

でも、キリスト聖母マリア、その夫ヨセフという本物の神スリーを描いたにしては、平凡な雰囲気です。
普通に上手くいってる家族っぽいです。
そこが良いんだよなぁ。
キャンバスの向こうに何気ない日常がある感じ。

サイズは縦144cm×横188cmです。
もうちょっと大きいように感じましたね。



②芸術家が芸術家を描くメタ構造

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ディエゴ・ベラスケス「フアン・マルティネス・モンタニェースの肖像」(1635年頃)
プラド美術館

お爺さんがこちらを見つめています。
何してるところなのかなーって思って、手の先を見てみると、

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なんか凄く大雑把なやつがいる…!
ベラスケスの絵なんですけれども、こんな大雑把なこともあるんだねー。

と思ったのですが、これは彫刻を彫っている場面なんだそうです。
芸術家が芸術家を描くというメタ構造。
今で言うと、写真を撮っている人の写真を撮る的なことかな。
仕事着っぽい服だし、モデルになるからってキメキメじゃないところが良いです。

んー、でもやっぱり彫刻部分が大雑把だよねー。


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ホセ・ガルシア・イダルゴ「無原罪の聖母を描く父なる神」(1690年頃)
プラド美術館

こちらも絵を描いているところを絵にした作品です。
宗教的な主題で、先ほどのとは趣が違いますけれども。

これもかなり大きな作品で、画面のあちこちでストーリーが展開されている忙しい絵です。
弊職的には、右下で踏まれている人が気になります。
邪魔でもしようとして捕まったのでしょうか。

あと、ところどころ読める単語があるのが面白かったです。
アヴェ・マリアとか、アダムとか。
全体の意味は分かりませんでしたけれども。

しかし同じ流れで、絵を描く画家を描く画家とか。
絵を描く画家を描く画家を描く画家とか。
無限にメタ構造を作ることができますね!
やらないでほしいけど!



③痛くて悶える絵

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グレゴリオ・マルティネス「鎖につながれたティテュオス」(1590-1596年)
プラド美術館

どうしよう、この人イケメン!
「イケメンの今にも泣きそうな顔」フェチの弊職としては、もう堪らんです。

しかしアレです。
生きながら鳥に啄ばまれるという、フェチとか呑気なこと言っていられない猟奇的な場面でした。
痛い。弊職も右脇腹に鋭い痛みを感じます。

こういう絵って、痛みが伝染しませんか?
筋肉の盛り上がった部分にズブズブっと入っていく嘴。
暴れると深く食い込むから、抵抗もできない。
鳥はそれを分かっているのか、トドメを刺すことなくチビチビむしっていく。
痛すぎるでしょ。

こんなの可哀想だよ。
助けてあげたいです。
どうしたら良いんでしょうか?


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アロンソ・カーノ「天使に支えられる死せるキリスト」(1646-1652年)
プラド美術館

趣向は変わりますが、これもつらい絵です。
キリストの両手の甲から鮮血が…!
十字架で磔にされて殺されてから、時間が経っていないのでしょう。

血の気が引いて真っ白になったキリストの肌と、天使の肌の色の違い。
キリストの体の冷たさも伝わってきます。
天使の腕を疑似体験するように…弊職の腕にも冷たい感覚が伝染しました。

ただ、天使に愛されてるっぽいところが救いかな。
キューピッドではなく、エンジェルが出てくる絵って素敵です。



④目が合うベラスケスの肖像画

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ディエゴ・ベラスケス「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」(1635年頃)
プラド美術館

最近、肖像画が面白いです。
ミュージアム私小説肖像画と会話する創作を書いてるんですけど、なんか本当に話してる気分になるんですよね。
特に、カメラ目線の絵はよく話せます。
若干、自分の精神状態が不安です。

こんなちびっこが馬を乗りこなしているという状況。
それは、子役の小学生役者が完璧な食レポをキメる可愛さと違和感のミックスに似ています。

あえて膝をついてお仕えしたいです。
「余はイタリアのジェラートではなく、ガリガリ君が食べたいんじゃ!今すぐ持ってこい!」
とか言って欲しい。

この子を主役にしたドラマ作りたいなぁ。
子ども水戸黄門。
子ども大岡越前。
子ども坂本龍馬。
ダメだ、全部日本史。


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ディエゴ・ベラスケス「マルス」(1638年頃)
プラド美術館


マルスというのは、ローマ神話に出てくる戦いの神さまです。
神さまなのに、威厳の無いリラックスした姿です。
が、そこがいい!
分かってるなー、ベラスケス 。

このマルスさんとは何時間でも話していられそうです。
「今回の遠征ダルかったわー」
「負けるかと思って焦ったわ。軍神なのに負けたらさすがにヤバい」
みたいな会話かなー。

ただ1つだけ突っ込んで良い?
どうして服着てないのにヘルメットだけ被ってるの!?

ところで今気づいたんですけど、2枚ともベラスケスですね。
ベラスケスの絵はお喋りなんだね。
やっぱ分かってるなー、ベラスケス 。



逆に惜しかったところ

①ダメなところ無し

展覧会のレビューという記事を書く以上、良かったところだけでなく惜しかったところも挙げるようにしています。
ダメなところも見つけるくらい、ちゃんと向き合いたいからです。

でも、本展はほとんどアラが無い!
安定の西洋美術館!

美術館の暗さ、寒さなど、とても平均的な感じでした。
展示との距離も普通だったし。
作品数は70と少なめですが、大きい絵が多いので少なく感じないし。
むしろ、壁がびっちり埋まってて、ぶちたくさん展示されてる感じがします。

というわけで、かなりハイクオリティな展覧会でした!



まとめ

プラドの美男美女、来日。
ベラスケスやルーベンスなど、「この絵が来ちゃうの!?」と驚いた展覧会でした。
一部、赤絨毯の部屋があったり、壁が大きい絵画で埋まっていたり、宮廷を再現したかのような展示の仕方もありました。
もしかしたら、2018年で最高の展覧会になるのでは…?

プラド美術館展、ぜひ行ってみてくださいね!



関連情報

プラド美術館展 公式HP

ベラスケスとプラド美術館の名画
中央公論新社

by ヨメレバ


ブリューゲル 展とはしごしたい美術展でした。


本展の作品はほとんどがバロック派。
バロック派についてはこちら。


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