大地と仲良しの建築。

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太陽のような優しさを浴びました。 ゆるくて柔らかい建物を目標とする隈研吾氏。 我々が知っている建物って硬いので、これは全く非常識な発想です。 なのに、本展に行くと、硬い建物より柔らかい建物の方が良いなぁ。 って価値観になっちゃうのです。 イソップ童話「北風と太陽」に喩えるなら、硬い建物が北風、柔らかい建物が太陽。 そんな風に日常の見方が変わってしまう、不思議な展覧会でした! 〜目次〜 1. 展覧会の基本情報 2. 例えばこんな作品がありました  ①大きな作品にふんわり包まれる  ②匂いと手触り  ③素材を知り尽くしたアイディア  ④柔らかくて軽い、太陽の建物 3. 逆に惜しかったところ  ①香水の匂いが残念 4. まとめ 5. 関連情報

展覧会の基本情報

展覧会名:くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質 場所東京ステーションギャラリー 最寄駅:東京駅 会期:2018/3/3〜5/6 作品数:計算できません 所要時間:1.5時間 観覧料:一般は1100円 ロッカー:あり(無料)

例えばこんな作品がありました

会場内は撮影OKでしたので、以下では会場で撮影した写真を使っています。

①大きな作品にふんわり包まれる

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隈研吾「青海波」
これ、紙でできてます! 一枚の大きな紙に切り込みを入れることで、空気を含んだ壁みたいになるんですねー。 よく見ると紙を繋ぎ合わせた所があるので、正確には一枚ではありませんが…。 でも、原理的には一枚でいけますから。 何が凄いかって、こんなに大きいのに、畳んで小さくできること! こういう素材で家を作れたら、 「引っ越ししたいなー」 って思った時、家をパタパタ畳んで鞄に入れて電車で移動すれば良いのです。 これは夢があるねぇ。
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隈研吾「青海波」
寄るとこんな感じ。 網目ですね。 壁の影と紙が混ざり、複雑な模様を描き出しています。 この作品に包まれると、なんだか不思議な感覚になります。 網にかかった魚のような気分…っていうのかな? とにかく、無抵抗になります。 もぉずっとここに居よーっと。 って感じ。
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隈研吾「ナンチャンナンチャン」
大御所お笑いコンビみたいな作品名ですね。 竹が自重に耐えきれず、ふにゃふにゃしなって屋根っぽくなっています。 これも屋根部分の下に入ると不思議な感じがします。 竹の匂いもしますしね。 お寺を訪ねた時のように落ち着きますよ。
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隈研吾「ナンチャンナンチャン」
下からの照明で天井に竹の影ができています。 南国っぽいと思うのは弊職だけかな?

②匂いと手触り

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隈研吾「スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店」
建物の一部を切り取ってそのまま持ってきました!! って感じの展示物ですね。 模型だけでなく、大きい作品もあるのは見応えがあって嬉しいです。 凄く木の匂いがするよ…。 森の匂いっていうのかも。 癒されますよね。 特に鉄筋コンクリート住まいの弊職は、たくさん深呼吸をしてしまいました。
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隈研吾「スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店」
木の組み方の知育パズルっぽさね。 クセが凄い!
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隈研吾「Water Branch House」
これは本展で唯一の触ってOK作品です。 樹脂製で、他の作品よりは確かに壊れにくそうです。 これだけたくさんあると、氷のレンガみたいにも見えてくるから不思議です。 1つ1つがレゴブロックのような形なので、自分で好きなように組み方を変えられます。 展示は塀っぽく作ってありますね。 しかし、意外と思ったとおりに組み替えるのが難しい! ブロックの向きをどうすればキチッと嵌るのか、感覚が掴めなかったですねー。 慣れれば簡単なんでしょうけど、コツを掴むまでが大変な建材だなぁ。 パズル感覚なので楽しいんですけどね。

③素材を知り尽くしたアイディア

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隈研吾「木霊」
これはもう、完全に知育パズルです! と思ったら、ショップで同じパズルが売られてました。 危うく買いそうになりましたね。 この知育パズルを最小単位として、組み合わせていったのが後ろの丸い建物です。 隈研吾氏の特徴の1つに、最小単位を決めて建物を作るスタイルがあるなーと思いました。
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隈研吾「木霊」
実際の応用はこの写真のような感じ。 最小単位があるということは、作るときはレゴブロックを組み立てるように建てられるということです。 部屋数を増やしたり減らしたりするのも普通の建築物と違って簡単そうで良いですね。 アイディアの勝利です。
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隈研吾「木霊」
時々、模型の中に人型の何かがいます。 可愛い。
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隈研吾「中国芸術学院民芸博物館」
宙に浮いているように見えるのは瓦に穴を開け、ワイヤを通すという不思議なやり方です。
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隈研吾「中国芸術学院民芸博物館」
正直、これで強度が足りているのか分かりませんが…。 しかし、瓦のイメージが180度反転しましたよね。 例えば屋根の瓦って、隣同士がぎゅうぎゅうに詰まってガッチリ守りを固めてるじゃないですか。 でも、隈研吾氏の瓦は隣同士の間隔が広くて、ゆとりがあります。 それに、瓦が浮いて見えるのは、単純にとても綺麗です。 これもアイディアの勝利ですよね。

④柔らかくて軽い、太陽の建物

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隈研吾「浮庵」
隈研吾氏の理想は、柔らかい建物なんですよ。 本作は、それはもう本当に凄く柔らかいです! なんなら溶けてしまいそう。 ビニールのベールですからね。 よく見ると、上の球体みたいな部分が浮いているんです。 つまり、屋根が浮いている状態! 上から吊っているんじゃないんですよ!! 下の畳は浮かないんですけどね。 それにしてもこの素材の軽さ目立たなさ、とても良いです。 空気っぽくて癒されます。
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隈研吾「浮庵」
内側を見上げると、軽さがより伝わります。 自然に馴染む建物って、こういう柔軟な建材なんじゃないかな。 そんな気がしてきませんか?
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隈研吾「Tee Haus」
これなんかもう、ふにゃんふにゃんもにょんもにょんですよ。 伝わってますか? 素材が布なので、見るからに柔らかそうです。 テントの雰囲気にも似てるかも。 内側から漏れ出る光が暖かそうだし、入ってみたい…。 こんな風に、柔らかそうな建物をたくさん見ることができました。 風や天候と共存するには、硬い建物じゃなくて柔らかい建物の方が良いような気がしてきます。 むしろ、なんで普通の建物は硬いの?って気がしてくるから不思議。

逆に惜しかったところ

①香水の匂いが残念

これはお客さん側の問題なのですが、香水の匂いが会場に残るのがもったいなかったです。 本展は、木や竹といった素材の匂いがするのが特徴の1つなんです。 そんな中、香水の匂いが強い方がいると… また、その匂いが長く残っちゃうと… 素材の匂いが分からなくなっちゃうんですよね。 香水をつけている本人にとってもプラスではないので、美術館に行くときは香水少なめで良いんじゃないでしょうか。

まとめ

人と宇宙に従順な建物! 柔らかくて小さく畳めたり、パーツを組み替えてサイズを調節したり。 個人のライフスタイルに合っていて、しかも個人が操れる建築を目指しているのでしょう。 また、地球の物理法則と良い塩梅で折り合いをつけ、住まいという空間を作っています。 隈研吾氏の器用さがよく分かりました。 くまのもの展、ぜひ行ってみてくださいね! あともう1個良いかな? 「すみけんご」じゃなくて「くまけんご」だからね!

関連情報

くまのもの展 公式HP 隈研吾氏は本たくさん書いています。 ミュージアムショップで売っている中では、これが一番気になります。 読んでみよう。
負ける建築
隈 研吾

追記:読みました!感想はこちらです。 2017年に国立新美術館で開催された安藤忠雄展より見やすかった印象。 そんなに混んでなかったからかな? その時の感想レポートはこちら。
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