誰かを傷つけない芸術を。

界隈で話題になっているKaoRiさんのnoteを読みました。 苦しいね。苦しいです。 芸術って、簡潔に言えば他人がやらないことをやることだから。 それは人の気持ちを踏みにじる免罪符にはなりませんが、同様な事案は今後も出てくると確信しております。 彼女の傷を癒すのは身近な方々にお任せします。 何を言っても、ただの野次馬になっちゃうから。 今回はアイドルやモデルに興味がある少年少女と、おじさま・おばさまに向けてアラサーBBAもとい中間層のお姉様が与太話をしますよ。

1000%、無理やり撮った方が悪いよ。

その前提は絶対だけど、撮られてから訴えるのでは遅いのです。 賠償金を貰えたとしても、あなたの心身の傷が癒えるとは思えません。 傷つく前に逃げないと。 だから、少女時代・少年時代を謳歌する若い人たちが自衛できるように、ネットの片隅に書いておくね。 「若さ」とは、それだけで美しく、価値のあるものなのです。 若い皆さんにとっては「若い」なんて当たり前ですし、価値があると言われても分からないかもしれません。 今回のように芸術性が絡むとややこしくなるので、一般的な例を出します。 ことあるごとに5万円くれる援交のオヤジは、どんな見返りを求めてあなたに5万円くれるのですか? あなたに1回5万円の価値を見出しているということですよ。 5万円は気持ち悪い要求を飲む対価です。 一生の傷を背負うのに、十分な金額なんですか? あるいは、演劇で主役が欲しいなら、俺の言うことを聞け、とか。 部活で優遇してやるから脱げ、とか。 お金ではなくあなたの夢を人質に変える言葉ですよ。 今回のケースは、モデルと写真家の関係です。 いかにも秘密の関係がありそうですよね。 しかし、同じことは一般人にも起こり得ます。 1000%、加害者が悪いけど、被害者にならないよう警戒することは重要です。

1000%、無理やり撮った方が悪いよ。パート2

50代、60代、もっと年配の皆さんが若い頃は「男尊女卑」が常識だったと思います。 それで世の中が上手く回っていた時代があることも知っています。 今は、男女平等が常識。 LGBTのように最近認知され始めた属性もありますが、彼らも平等です。 このギャップについていけない人、多いと思うんです。 芸術家のような職業で世間と離れている人たちは特に。 知らない内に、今まで通用してきたことが通用しなくなって、何なら犯罪者扱いされる、みたいな。 セクハラ・パワハラ問題以外にも、そういうギャップってありますよね。 おじさま・おばさま方の腑に落ちない気持ちも分かるんです。 もっと単純に。 若い世代の声に耳を傾けてみましょう? 時代とともに常識は変わっていきます。 いつまでも自分が若かりし頃の常識が世の中の常識とは言えないのです。 かつ、同世代以外のことって全然分からんのです。 26歳の弊職ですら、10代の若者が考えていることは全然分からないです。 だから、彼らの声を聞いて学ぼう。 「わしらが若い頃は…」 「昔は問題なかった」 なんて言ったって仕方がないのです。 今は昔とは違うし、あなたはもう若くない。 これはアラサーの自分自身が40、50、60、、、と年齢を重ねた時の戒めでもあります。

補足:ヌード絵画撤去との関連性

今回の事案は全く別件と認識しています。 バルテュスやウォーターハウスの絵画は、もう画家が亡くなってるので。 テレーズの方は怪しいけど、ウォーターハウスの方はモデルも亡くなっています。 彼らの話を聞けない以上、観客が勝手に現代の感覚を当てはめて断罪するのは良くないと思います。 現代の価値観で見るのは良いけど、撤去はやりすぎ。 そもそも、作品の展示と現代の性犯罪に何の因果もありません。 対して今回の事案は、今起こっていることで、両者の生の意見を聞ける状態にあります。 また、似たような境遇の人たちを勇気づけることができます。 被害に遭う人を減らせるよう、警鐘を鳴らすこともできます。 そのような意味で、昔にできた絵画とは別の問題だと考えています。

まとめる。

すごく長くなっちゃったので、まとめますね。 ・1000%、やった方が悪い ・無自覚のうちに常識は感覚から離れていく ・若者は大人のおもちゃではない ・常識は若者の方に自然とチューニングされる ってとこかな。 裏を返せば、関係者全員が気持ちよくアートを完成させられる時代が到来しつつある、ということでもあります。 膿は今のうちに出し切りましょう。 #metoo運動は目的が個別に違うのに大きなムーブメントに発展したのが違和感だったんだけど、きっとそういうことだと思うんです。 次の時代の芸術は、みんなが完成を喜べるアートにしていきましょ。

関連情報

昔の絵画がわいせつだから撤去されかけた事件についての見解はこちら。 今回の話とは完全に別件です。