えっ、これがこいのぼり!?
モダン端午の節句! こいのぼりの形だけを抽出して、素材の違いを主役にしたインスタレーション。 鱗や顔などのノイズをそぎ落とし、形だけを取り入れたことで、新しいこいのぼりが生まれました。 その分、展示方法や音楽、照明にこだわったから、リラックスできる大人の秘密基地になってます。 「こどもの日」じゃなくて「大人の日」だね! 〜目次〜 1. 展覧会の基本情報 2. 例えばこんな作品がありました ①室内で生き生きするこいのぼり ②人がダメな岩になってる ③1つ1つの布が違う ④オリジナルこいのぼり作り 3. 逆に惜しかったところ ①布見本が裏返る 4. まとめ 5. 関連情報展覧会の基本情報
展覧会名:こいのぼりなう! 場所:国立新美術館 最寄駅:乃木坂駅 会期:2018/4/11〜5/28 作品数:数えられるタイプじゃない 所要時間:30分 観覧料:無料 ロッカー:あり(要100円、返却式)例えばこんな作品がありました
①室内で生き生きするこいのぼり
こいのぼりって、外で風に吹かれるから泳いでるように見えるんですよね。 しかし、展示会場は国立新美術館という屋内。 「動き」を犠牲にして面白いことが起こるのか疑問だったのですが…。
疑ってすみませんでした!!! 写真だと分かりにくいんですけど、こいのぼりが一定の方向に流れるような展示なんです。 上から見るとこんな感じ。
ループ状に展示されてるんですね。 川を猛スピードで移動しているように見えるのです。 凄く迫力あるこいのぼりでした。 フランスの展示デザイナーのアドリアン・ガルデールとコラボしてるとのこと。 動いているように見えるのは、この人の工夫なんだろうなぁ。
これはパノラマ撮影なので、ループを解いたような写真になってます。 300体のこいのぼり…とのことですが、色がグラデーションになってることが分かります。 虹のように自然に移ろうグラデーションも、肝ですよね。 自然に目で追いかけられます。 音響もちゃんとあって、川の流れる音が良かったです。 こいのぼりの泳いでる感じが耳からも伝わってきました。 川の音聞いてるとリラックスしちゃうなぁ。 作品を囲う柵がないので、こいのぼりに接近できます。 目線の高さのこいのぼりに挟まれる明菜氏。 低いやつは顔か肩あたりなんですけど、高いやつは天井の近くにいるんですよね。 こいのぼりの群れに入って、一緒に流される感覚で楽しかったです。 国立新美術館って、こんなに高くて広い部屋があったんだねー。②人がダメな岩になってる
「人をダメにするソファ」ってあるじゃないですか。 あれと同じようなのが、展示会場になぜか沢山置いてあります。 これは明菜氏が座り、お尻の跡がついたやつ。 特にループの中は多かったです。 岩に徹する皆さん。 ライトなキャンプみたいになってます。 こういうのがあると、まあ、くつろいじゃうよねー。 だらだらと時間が過ぎていきます。 こいのぼりを見ても良いし、見なくても良いのです。 近くにいた人たちは、職場の上司の文句を言い合っていました。 潔いほど、こいのぼり無関係。 遠目から見ると、人が川底の岩に見えます。 人の時間を止めて、こいのぼりに時間を与える、というパラドックスです。 すっかり岩ですね、皆さん。③1つ1つの布が違う
デザインが違うだけかと思ってましたが、素材がそもそも全然違いました。 なんか、もあもあしてるやつもありますし。 カーペットみたいな生地のやつもあります。 スケスケのやつもありますね。 涼しげで今の季節に丁度良いです。 と、素材のパターンが豊富でした。 テキスタイルデザイナーの須藤玲子さんの展覧会なので、そこは手抜かり無いのです。 というか、むしろここが本領。 触りたくなっちゃうんですけど、そこは気をつけてくださいね。 触るのはダメです。 でも、会場の奥にはテキスタイルの見本があります。 こっちは触って大丈夫。 むしろウェルカムなやつです。 壮観。 気になる布を見つけたら、 ぺらっと捲ると解説が。 こういう解説の付け方、新しいよね。④オリジナルこいのぼり作り
子供向けの工作イメージの道具が用意されていて、厚紙でこいのぼりが作れるようになっていました。 完全に子供向けのクオリティが予想されるキットなんですけれども。 どうしてでしょう、金曜の夜は大人たちが真剣に取り組んでいました…。 かく言う弊職も、孤独ブロガーとしてこいのぼり作りに挑戦しました。 まず、台紙を貰います。 展示されているテキスタイルと同じ柄がプリントされた紙がたくさん入っています。 これを台紙に貼り付けていくんですね。 結構な枚数を使うので、直感で選んでいきます。 うーん…あっ、インスピレーションが降りてきました! ぺりぺり… ぺたぺた… あ、これこっちじゃなかった! 剥がせない…両面テープ、案外強力だなっ! 修正不能… 仕方ない、このまま… ぺたぺた… できた!! ちょっと角度つけて貼ってみました。 これだと鱗っぽくないので、角を折ってみます。 お、立体感が出て可愛くなりました! 少年少女の心を忘れた冷ややかな大人たちには「だから何?」と言われそうなクオリティですが、良いのです。 こいのぼりから得たインスピレーションをぶつけることができ、有意義な制作活動となりました。 ちょっと目が寂しいかなー。 ということで、帰宅してから目に色を塗ってみました。 虹彩を青にしたらフランス人形みたいに可愛くなるかな? という予想に反し、サイコパスなこいのぼりが完成しました。 こちらを10万円で先着1名様に販売したいと思います。逆に惜しかったところ
①布見本が裏返る
企画・運営サイドも誰も予想してなかったであろうことが起きていました。 先述のように布見本がダーっと並んでるのですが、何故か勝手に裏向きになってしまうのです。 空調の影響か、重力の影響か、よく分からないんですけどね…。 写真を撮ろうとすると布がひっくり返るので、なかなか大変でした。 勝手に裏返るので、見るだけでも1個1個ひっくり返さないといけなくなってしまいました。 ちょっと不便だったかなー。 この知見を今後の展覧会に活かして欲しいです。 現象の理由によっては工学系の論文にもできるかもしれません。まとめ
岩になるほどリラックス! これが無料なんて信じられないです。 いつまででもいられますね。 超リラックス。私は岩になりたい。 作品を見ても良いし、見ないで喋っても良い。 こいのぼり作りで遊んでも良いし、遊ばないで寝ても良い。 アートって、生活の一部なんだね! こいのぼりなう!、ぜひ行ってみてくださいね!関連情報
こいのぼりなう! 公式HP 国立新美術館ではビュールレ・コレクション展もやってます。 印象派の展示が多く、モネやゴッホの絵が良かったです。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想レポートです。 他の展覧会のはこちら。 今までに行った展覧会一覧 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 ツイッターでは更新情報や、展覧会情報をつぶやいています。 基本、リプは必ず返信してます! 明菜(アートの定理)をフォローする 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします!
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こいのぼりなう!〜大人を癒す川底の秘密基地の感想〜