写真は真実のヒントを写す!

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「謎解き」ができる展覧会でした。 写真に写ってる物や状況が謎すぎるので、ついつい想像が膨らんじゃうんですよね。 きっと、TOP(東京都写真美術館の略称)もその楽しさを伝えたかったのだと思います。 今日は名探偵アキナが名推理をお届けします! (迷ではなく名を使う自爆) 〜目次〜 1. 展覧会の基本情報 2. 例えばこんな作品がありました  ①見るほど謎が深まる迷宮  ②視線から読み解く物語  ③反射で二重になる世界  ④よく見ると普通じゃない風景 3. 逆に惜しかったところ  ①解釈の見当がつかない写真も 4. まとめ 5. 関連情報

展覧会の基本情報

展覧会名: TOPコレクション たのしむ、まなぶ イントゥ・ザ・ピクチャーズ 場所:東京都写真美術館 最寄駅:恵比寿駅 会期:2018/5/12〜8/5 作品数:142点 所要時間:1.5時間 観覧料:一般は500円

例えばこんな作品がありました

東京都写真美術館からオフィシャルにお借りした画像を載せています。 無断転載はされないよう、お願いします。

①見るほど謎が深まる迷宮

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ロベール・ドアノー「ピカソのパン」(1952年) ゼラチン・シルバー・プリント ©Atelier Robert Doisneau/Contact
ほっほぉ〜! かの有名な画家、ピカソの写真であります。 右側を見つめていて、ボーダーの服を来ていて… 目線を下げていくと…
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ロベール・ドアノー「ピカソのパン」(1952年)
ゼラチン・シルバー・プリント ©Atelier Robert Doisneau/Contact
あれっ? 手の大きさがおかしい! パンッパンに腫れてます! なるほど…この写真は、画家の命とも言える手を腫れさせ、仕事ができなくなったピカソです。 不機嫌な視線の先には、おそらく…そう、引き出し! 両手で引き出しの中をゴソゴソやっていたら、ポルターガイストが突然引き出しを閉め、怪我をしてしまったのです。 どうだ!名推理だろう! 答えは、、、 パンです! いきなりの不正解!
併設のパン屋さんでは、写真を再現したパンが販売されてます! 8/5までの期間限定ですって。 これは2個ずつ買いたくなっちゃうなぁ。

②視線から読み解く物語

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木村伊兵衛「大阪・中之島公園」(1955年) ゼラチン・シルバー・プリント
バレリーナの格好をした女性2人組の写真です。 が、後ろの子供の目線が、なんていうのかな、無邪気ですね! よく見ると、人混みの中にカメラを構えている人もいます。 それぞれ、疑いようもありません。 現行犯逮捕だ! 弊職はもうアラサーなので邪な見方しかできませんが、ピュアな人にはどう見えるんだろう。 本展は、こんな調子で「何かにおうぞ…」と思わせる写真が次々に出てくるんですね。 特に、人間が写ってる写真は読み解きがいがあって楽しかった! 「写真は事実を写す」と思っていましたが、全然違いました。 「事実のヒント」を写すんですよ。 そこから何を考えるかは、鑑賞者の自由なんです。 写真で謎解きできるなんて思ってなかったので、とても面白かったです。

③反射で二重になる世界

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ギャリー・ウィノグランド「テキサス州、サン・マーコス、 1964」(1964年) ゼラチン・シルバー・プリント
これまた不思議な写真ですねー。 窓の反射を活かしたため、実物と反射が混ざっています。 窓の向こうにあると思われるのは、男性と自動車です。 この人の自動車なのかな? でも、手で何か摘んでるような…そうか、今からコインでギギギーッとやって車を傷つけるところだな! 現行犯逮捕だ! でも車本体は薄汚れて見えるし、嫉妬されるほどでもないような。 というか、上に浮かんでる白いやつは何なんでしょうか? 3段のケーキと飲み物のようなシルエットです。 合成? こうして事件は迷宮入りに…。 想像力の限界を感じてしまいました。

④よく見ると普通じゃない風景

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マイナー・ホワイト「納屋2棟、ダンスヴィル、 ニューヨーク州」(1955年) ゼラチン・シルバー・プリント
さて、こいつはどう料理すれば良いんだ…? 展覧会のコンセプトがじっくり見て考えることなので、何か絞り出さなければなりません。 アンケートの「その他お気づきの点」のように「特になし」で済ますわけにはいかないのです。 白黒だし、タイトルが「納屋2棟」って、見て分かるわ!って思っちゃう。 でも、空模様はどちらかというと荒れてそう。 地面はどちらかというと不毛そう。 納屋はどちらかというと放置されてそう。 以上のことから、どちらかというと荒野の写真です! 名推理だなぁ。
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鈴木理策〈海と山のあいだ〉より(2005年) 発色現像方式印画
これはカラーで綺麗よね。 しかし、木のトンネルが写っているようにしか見えません。 何を表現するために撮られた写真なんだろう? よく見ると、自然の中にができています。 土がむき出しになって茶色い線が一本できてるんですよ。 ってことは、人通りがあるんだね。 どこかと、どこかを繋げてる道なんでしょう。 ここでタイトルを見てみると「海と山のあいだ」という。 うわ、この発想、凄いなー! 海や山はよく被写体になるけど、その間はあまり関心を持たれませんからね。 間にできた不自然な道は、ミーハーな写真家の通り道なのです! 真実はいつも1つ!

逆に惜しかったところ

①解釈の見当がつかない写真も

タイトルはヒントにならないこともあります。 「写真の人々は何をしているのでしょうか?」 の問いに対し、「写真を撮られているところ」としか答えようのないものも。 もちろん解説なしで考えさせる展示も楽しいし、いつも解説に頼りすぎているってこともよく分かりました。 でも、誘導的な質問があっても良かったかな、と思います。

まとめ

美術館で謎解きができる! クイズ番組って最近流行ってると思うんですけど、その中の「頭を使う問題」って感じ。 知識じゃなくて、写ってる情報をかき集めて、人と人、人と物の関係を推理するんです。 「写真は事実しか写さない」と思ってましたが、「ヒントを写す」んですね。 イントゥ・ザ・ピクチャーズ展、ぜひ行ってみてくださいね! Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

関連情報

イントゥ・ザ・ピクチャーズ展 公式HP 弊ブログでTOPさんの展覧会を掲載するのは初めてですが、広報誌のニァイズが面白いのは以前頭出ししたとおり。 カレー沢薫先生を広報に抜擢するほどクレイジーな美術館とは、いまだに思えないんですけれども。 「解釈が自由」ってのは、現代アート好きな人にバシッとハマる感覚ですよね。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想レポートです。 他の展覧会のはこちら。 今までに行った展覧会一覧 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 ツイッターでは更新情報や、展覧会情報をつぶやいています。 基本、リプは必ず返信してます! インスタグラム始めました! 2枚目でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
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