齋木克裕個展@銀座レトロギャラリーMUSEE

インスタ映えするチャラい写真ならテクニック次第で誰でも撮れるんですけれども。 プロの芸術家は、撮った後の魅せ方が面白いんだよなぁ。 最近は写真を使った面白い作品を探しに、写真家さんの展覧会に行くことが増えてます。
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齋木克裕「Study for Metropolis #8」(2007年)
銀座レトロギャラリーMUSEEで、齋木克裕さんの個展を見てきました。 ここでも新しい写真表現を発見し、勢いで30年ローン組んで買っちゃうところだったよ!
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齋木克裕「Study for Metropolis #8」(2007年)
違う角度から。 カクカクした閉じられない立体に写真が貼り付けられるとは。 高層ビルとそれに映る青い空の写真ね。 形は紙飛行機を思わせるシュッとした感じ。 直方体じゃないところがビルっぽくなくて良いです。 晴れの日に自転車で下り坂を漕がずに降りて行くような爽やかさ。
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齋木克裕「Arrangements #26」(2004年)
とても長くて縦160cmなんですけど、これも爽やか。 と…なんだろう、白いすのこみたいなのが交互に印刷されています。 連続写真をあえて交互に並べた作品。 1つの視界に同時には入れない上と下が、作品の中で同居してるんだなぁ。
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齋木克裕「Reflection #3」(2004年)
額に入った普通っぽい写真もありました。 水面に家が反射してて綺麗です。 齋木さんはニューヨークでも活動してきたアーティストなので、被写体の家がアメリカっぽいのも納得いきますね。 土地が広そう。 …と思ったけど、これ反射じゃないよね!? 上下対称になってない! しかも、上半分と下半分の境目も曖昧。
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齋木克裕「Reflection #5」(2004年)
マグリットの絵のように、自然な不自然です。 俺すげぇアピールをしない作品。 しれっとねじ曲がってるの。 実際にはありえないし、肉眼では絶対に見られないものを写真で表現しているのです。 写真って見たものそのままを記録する先入観があるじゃない? ひっくり返されたよね。
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齋木克裕「Reflection #2」(2004年)
デジタルなら何回でも撮り直せるし、加工もいくらでもできる時代。 構図の指南書も多数出版されていて、カメラを趣味にする人はとても多いです。 そんな中、プロっぽいインスタグラマーとプロ芸術家の違いは写真の魅せ方なんですよ。 アマチュアはSNSに投稿するなど、既存の形に乗っけて発信します。 プロは、何に乗せるかからゼロベースで考え出してる。 と思う。 (明菜氏はプロ芸術家じゃないから分からない)
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齋木克裕「Reflection #3」(2004年)
齋木さんご本人は 「写真と抽象芸術という異なる形式をひとつに重ね合わせることによって、 遠くと近く、過去と現在、ここにはないものとここにあるものといった、 一見対立し、矛盾することがらを共存させうるような場所を、作品のなかに形づくろうとしました」 と仰っています。 うん。 どうかな、皆さん理解できる? 私はサッパリ分からんです。 これはギャラリートークに行った方が良いかもしれないですね。 6月9日(土)16:00-17:00、ギャラリートーク「非建築的な写真」が開催されるとのこと。 齋木さんと埼玉県立近代美術館 学芸主幹の梅津元さんが登場するそうです! Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

展覧会基本情報

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展覧会名:齋木 克裕 展  Non-Architectural Photographs 場所:銀座レトロギャラリーMUSEE 最寄駅:銀座一丁目駅 会期:2018/5/23〜6/19 所要時間:30分 観覧料:無料 公式HP:http://kawasaki-brand-design.com

関連情報

写真家の田原桂一さんの回顧展も面白かったです。 石に印刷しようなんて思わないし、相当難しいのに実現しちゃうのが凄い。 財布を忘れた日に無料のギャラリーを巡り、銀座レトロギャラリーMUSEEを知りました。 思ったよりずっと入りやすかった。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
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