琳派展@山種美術館
大抵の料理は、煮込むと美味しくなりますね。 カレーしかり、肉じゃがしかり。 具材に味が浸透するには時間がかかるんです。 山種美術館の琳派展も同じ。 まずね、田中一光さんの鹿から始まります。 ポスター画像の右上のJAPANってやつ。 大きい画像が無いのが残念ですけれども。 本物を見たら、絶対こう言います。 どんだけ〜!! (苦情は受け付けない) 本展は琳派の酒井抱一の没後190年、同じく琳派の鈴木其一の没後160年を記念した展覧会です。 田中一光さんの作品のあとは、この2人の作品が多め。酒井抱一「秋草鶉図」(19世紀) 山種美術館ラグビーボールの形に目が釘付けになる作品。 これ、月なんだって! まぼろし〜!! スッカスカの草の中で鶉がコロコロしてるのが可愛いですよね。 動物の中でも鳥はかなり好きなので、先人たちが美術の主題に花鳥風月を選んだことを本当に感謝しています。速水御舟「翠苔緑芝」(左隻)(1928年) 山種美術館うさぎと猫もかなり好きな動物なので、この屏風も無条件に好き。 何も無い空間の金の人工的な冷たさと、草部分の苔っぽいモコモコ感の対比も、可愛さを強調してますね。速水御舟「翠苔緑芝」(右隻)(1928年) 山種美術館上半分はほとんど何も無いのに、寂しくならないんだなぁ。 むしろ、下の方で展開される昼間の物語を、太陽がポカポカ見守ってるみたい。 動物縛りの展覧会ではないので、他にも良いのがありました。 本展で写真OKだった作品がこちら。伝 俵屋宗達「槙楓図」(17世紀) 山種美術館松のように尖った葉っぱがほとんどなんだけど、所々に赤い楓が入ってます。 枝や幹の曲がり方が面白いですね。 自然界でこんなに無駄に曲がることって無くない? 宗達は確実にデザインの都合で枝を曲げてます。立ち止まる図ここで立ち止まって振り返りましょう。 ・酒井抱一のラグビーボール形の月 ・速水御舟の上半分何も無い問題 ・俵屋宗達の枝と幹の曲げは都合説 この人たち…構図で遊んでるなっ! すっからけっち〜!! シンプルかつ自分に都合の良いように自然を解釈していた琳派の画家たち。 田中一光さんのポスターへの流れ、なんとなく分かりましたよ。 最近、「琳派のデザインが凄い」って注目されています。 確かにそうなんですけど、「琳派=デザイン」の方程式をインプットしてから見ちゃうと、自分で発見する楽しみが無くなっちゃうよね?伝 俵屋宗達「槙楓図」(17世紀) 山種美術館琳派の作品は、全然リアルじゃないんです。 じっくり見れば見るほど、あちこちに違和感を感じます。 自分が知ってる自然界と違うぞ…?って。 具材に味が浸透するまで時間がかかるのと同じように、目が作品に慣れるまでには時間がかかります。 じっくりコトコト見よう。 作品が煮崩れするまで見よう。 一晩寝かせる勢いで見ると、画家の筆が見えてきます。 どんだけ〜!!(台無し) Share!▶︎Tweet展覧会基本情報
展覧会名:琳派ー俵屋宗達から田中一光へー 場所:山種美術館 最寄駅:恵比寿駅 会期:2018/5/12〜7/8 所要時間:1時間 観覧料:一般は1200円 公式HP:http://www.yamatane-museum.jp関連情報
洗練された一言ならデザインだけど、私は自己都合で自然を歪めた絵だと思ってます。 デザインって言葉は意味が広すぎます。 恵比寿から近くの六本木では、ルーヴル美術館展が開催中です。 魂取られてそうな肖像画がたくさん来日してます。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 明菜(アートの定理)をフォローする インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします!
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琳派展〜不自然な自然は画家の遊び心だった感想〜