巨匠たちのクレパス画展 レポート

ゴッホのひまわりが見られる日本の美術館、といえば、損保ジャパン日本興亜美術館。 印象派好きな人たちが、いつか行こう、と思ってタイミングを逃し続けている…と思うのは気のせい?
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ゴッホ「ひまわり」のレプリカ 本物はダメだけど、レプリカとは一緒に写真が撮れます。
行ったことがない印象派ファン! 今がベストチャンスかも。 「ひまわり」は常設なので、企画展に行けば見られます。 企画展の「巨匠たちのクレパス画」展には、印象派好きさんのお眼鏡に叶う作品がたくさんありました。
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熊谷守一「裸婦」(制作年不明) サクラアートミュージアム
下書き風の簡単な感じの絵も良いんだけど、油絵のように見える作品があって、本当にクレパス?って。 「クレパス」というと、幼稚園の子供がお絵かきで使うクレヨンの改良版、としか思わないじゃないですか。 子供向けのお絵かき道具って思い込んでるんですよね。
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左:田伏勉「川辺」(2003年) 右:田伏勉「イギリスの庭園」(2003年) サクラアートミュージアム
右の絵の水面の表現力、凄くない? つややかで水分のある絵の具で描いたようにしか見えないけど、クレパスなんだって。 指で伸ばして描いているのでしょうか。 私の場合、クレパスを最後に使ったのは、幼稚園か小学校か…。 父の日に幼稚園で課される「おとうさんのにがおえ」とは比べ物にならない作品たちですよね。 その道を極めた人が使うと、こんなに輝くのかー。
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左:服部知佳「Light of Dawn」(2015年) 右:入江明日香「Premices Printaniers 春の兆し」(2015年) サクラアートミュージアム
写真やポスターのように鮮やかな作品も。 クレパスらしさが皆無…ここまで徹底して洗練した絵を描きたいなら、絵の具を使ったら… とは言えなかったです。 とはいえ、クレパスらしさを無くした作品だけが素晴らしいわけじゃない。 クレパスの素朴なザラつきが味になった作品も。
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岡本太郎「虫」(制作年不明) サクラアートミュージアム
岡本太郎の爆発は遠目からでもピンと来ます。 虫の体から命の炎が燃え盛っているように見える。 かっこいい。 ダチョウがこっち見てるやつも。 この人はダチョウばっかり描いているらしく、ダチョウの画集がミュージアムショップで販売されていました。
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福井江太郎「寧」(2014年) サクラアートミュージアム
クレパスって、色を混ぜられないんです。 だからなのか、製品の色の刻みが細かいですよね。 グラデーションで並べられると、ドレミファソラシドっていうか、ミュージックを感じる。(謎) 雨上がりの虹のようなグラデーションです。
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サクラクレパス創業90周年を記念して2012年に作られた700色クレパス
見てるうちに、旅行してる気分になってきました。 どこでもドアじゃなくて、どこでも窓。 絵の部分がどこでも窓になってて、向こうの景色に通じてるんだなーって思えるようになります。 ノーリスクな旅だよね。 外に出る必要もなくて、絵を通して色んな世界を見られるの。 安全地帯に足をつけたまま、お試しであちこち覗く感覚でした。
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左:山口薫「牛」(制作年不明) 右:伊藤継郎「作品」(制作年不明) サクラアートミュージアム
「印象派展」ではないけれど、印象派っぽい展示でした。 癒し系の綺麗な絵が集結する、正統派な展覧会。 清純派、の方が正しいかも。 最近、こういう清純派って少なくないですか? ドロっとした現代アートの展覧会が増えてる気がするけど、そういうの馴染まないなーって人におすすめ! Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

展覧会基本情報

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展覧会名:巨匠たちのクレパス展 場所:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 最寄駅:新宿 会期:2018/7/14〜9/9 所要時間:2時間 観覧料:1000円 公式HP:http://www.sjnk-museum.org

関連情報

太陽の塔の内部が公開されましたし、岡本太郎ブームが来るのでは? 岡本太郎は啓発系の本もたくさん出しています。 「孤独」でなければ大きなことは成し遂げられない…と、太郎自身に言い聞かせるような本。 青山の岡本太郎記念館では、常設で作品が見られます。 この記事のときの企画展は、太陽の塔の特集でした。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
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