ギルマン・バラックス感想レビュー① 大畑伸太郎 Resonate。

ミヅマ・ギャラリーがシンガポールにあるとは思わなかったなぁ。 大畑伸太郎さんの個展、最高だったね。
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大畑伸太郎《In a corner of the world》(2016年)
まず「本物の人間がいる!」って空目しちゃった。 ゾッと全身が震えて、もつれるように足が止まったよ。 等身大の少女は、どうしても彫刻に見えない。
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大畑伸太郎《In a corner of the world》(2016年)
そうそう! 夜にスマホを触ると、青い光が下から顔を照らすんだよね。 緑がかった夜の色とスマホのブルーライトが少女を現実らしくしてる。
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大畑伸太郎《Deep breath》(2018年)
シンガポールの名所「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」の作品も。 これはシンガポールで取材して描いたのかな? S$8で上れる吊り橋は、まさにこんな感じ。
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参考画像:ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
絵の世界の光を浴びているので、彫刻単体では成立しないの。 絵を剥がして彫刻だけ見ても、面白さは9割減だと思う。 2次元と3次元の両方に脚をかけてる感じが最高なんだよなぁ。 少女は3次元にいるはずなのに、私たちと同じ場所ではなくて、2次元の絵画の中にいるんだね。
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大畑伸太郎《Flightless wings》(2017年)
こういうのもリアリズムだわ。 人や物を再現するリアルではなく、状況をまるごと作り出すリアリズム。 「わかる!夕方ってこうだよね!」と共感させる光と立体のあり方が良い。
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大畑伸太郎《In the sea》(2018年)
水の中に沈む少女は、どうしようもなく安らか。 飛び込んだ瞬間かな。 この後、もう少し沈んでから、両腕で水をかいて浮き上がるの。 顔を外に出して、思いっきりプハッて呼吸する。
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大畑伸太郎《In the sea》(2018年)
いわゆる青春の一コマなんだよ、全部。 ドラマや映画のあの一コマ。 私を含め、きっとほとんどの人が経験してこなかった理想ね。 だから、切なくなるのかも。 リアルへの共感と、理想化された少女の生き方への羨望。 いろんな感情がぐるぐるして、結果、胸キューン!って。
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大畑伸太郎《Flightless wings》(2017年)
平面だけの作品もあるよ。 アニメタッチかな?と思いきや、顔のパーツは大胆にシンプル化されてる。 目力の無さが逆に不安。
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大畑伸太郎《Blowin' in the wind》(2017年)
夕方と夜の、少女に不釣り合いな時間帯の色が本当に綺麗。 そのミスマッチが謎めいて感じられるし、作品の魅力でもあるよね。 夜になると現れる少女の幻覚、みたいな。
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大畑伸太郎《Sunset in a headwind》(2018年)
こういう作品は、日本からシンガポールに運んでるのかな? もしも私がここで作品を買ったら、一緒に帰国する形になるね。
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大畑伸太郎《A rainy day - 2》(2018年)
個展とは別に、日本人アーティストの既視感ある作品も。 山口晃さんは空港をモチーフにパラレルワールドを展開。
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左:山口晃《成田国際空港 南ウイング盛況の圖》(2018年) 右:山口晃《成田国際空港 飛行機百珍圖》
池田学さんも、いつもどおりのクオリティ。 細かすぎるテクの凄さは説明不要。
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池田学《存在》(2017年)
海外に行くと和食が恋しくなるってよく言うじゃない? 日本の現代アートが恋しくなったら、ミヅマへ。 ところで、シンガポールでミヅマに浸るには、ギルマン・バラックスに行かなきゃいけないの。 独特の雰囲気というか、壊れかけに見える小さい建物がボコボコある所。 点在する建物それぞれがギャラリーやカフェスペースになってる。
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日本だと信じられない景色。 むしろ、地方の芸術祭に近いまったりした雰囲気だよね。
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こういう環境で宝探しのように作品を見て歩くのも良いなぁ。 ミヅマだけでなく、シンガポールや海外のギャラリーも良いのがありました。 Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

展覧会基本情報

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展覧会名:‪OHATA Shintaro Resonate 場所:Mizuma Gallery (ギルマン・バラックス) 最寄駅:Labrador Park (CC27) 会期:2018/6/30〜8/12 所要時間:30分 観覧料:無料 公式HP:https://www.mizuma.sg/exhibitions/current/2018/06/30/resonate/

関連情報

大畑伸太郎さんの作品画像はこちらのHPにたくさん載ってます。 YUKARI ART シンガポールは美術館も現代アートが多いです。 現在進行形て経済発展著しいので、こういう国でアートも盛り上がるんだろうなぁ。 シンガポールで行きたいところリスト。 アート好きは共感してくれるプランのはず! 実は、1年弱前の2017年11月にもシンガポールへ。 このときは弾丸出張だったので、オーチャード通りのパブリックアートだけ見てきました。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
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