博物館・美術館の地震対策について調査しました。
こうも自然災害が続くと、美術ファンは疑問に思うはず。 「美術館や博物館って、地震で展示品が倒れたりしないのかな?壊れない?」 って。東京国立博物館「アラビアの道」より調べたところ、展示ケースの土台には免震装置が隠されているんですって! (画像は展示ケースのイメージ。免震装置が確実に入っているかは分かりません) 今日は、美術館・博物館の地震対策を紹介します。 きっと安心できる内容なので、皆さんは館内で地震に遭遇したら、展示品より自分の命を優先してくださいね!美術品向け免震台のメーカー
装置を作っているのは、株式会社エーエスさん。 美術品向け免震台でトップシェアを誇ります。 エーエスさんの資料によると、東京国立博物館や国立西洋美術館、さらに海外の上海博物館まで、導入実績は多数。 国立西洋美術館のロダン彫刻にも免震装置があるそうです。 ケースだけでなく、色んな展示タイプに対応できるんですね。オーギュスト・ロダン《カレーの市民》国立西洋美術館素晴らしい効果も実証済み。 東日本大震災の震度5程度の揺れで、免震台に乗った作品は1つも転倒しなかったんですって! 縁の下の力持ちな会社ですね。 また、いつ起こるか分からない地震のために100台以上の免震台を導入していた岩手県立美術館も素晴らしいです。免震と耐震の違い。展示品に必要なのはどっち?
免震と耐震、とてもよく似た言葉です。 耐震の方が身近に聞くかもしれないですね。 この2つの意味と、なぜ展示品には耐震ではなく免震なのか、解説します。免震とは、揺れを軽減すること
免震とは、感じる揺れを減らすこと。 地面は震度7で揺れてるけど、建物内にいる人は震度4に感じるようなことです。 高層マンションなどの基礎に免震装置を入れ、建物全体の揺れを減らします。 ピンポイントで展示品を免震するのはレア対応… というか、一般家庭のニーズではないですね。耐震は揺れるけど持ちこたえること
一方、耐震は揺れに耐えるということ。 倒壊しにくい建物ですが、揺れは変わりません。 建物は無事でも、食器棚から食器がドサドサ落ちるなど物の被害はあり得ます。 美術館・博物館の場合、一番嫌なのは展示品が倒れること。 耐震だけでは展示品も一緒に揺れるので、倒れる危険は減らせません。 一方、免震なら揺れそのものが軽くなるので、展示品も揺れにくく、倒れにくくなります。 そのため、免震装置が必要なのです。注意!人間はそのままの震度を感じる
展示品の免震台は作品1つ1つに対する免震なので、床に立ってる人間は揺れから逃れられません。 建物に免震装置がついていれば、揺れが弱く感じられますが… そこまで対策しているところはほぼ無いです。 ざっと調べたところ、国立西洋美術館、九州国立博物館、三菱一号館美術館は免震とのこと。 西美は免震装置を見られるんだって! 今度行ってレポートします。青い日記帳のTakさんご提供の、西美の免震装置。 勝手ながらトリミングさせていただきました。やや話が脱線しましたが、作品は免震でも、あなたは免震されません。 強い揺れを感じたら、冷静に対処しましょう。 バッグで頭を守ったり、ガラスケースからできるだけ離れたり。 地震対策が万全だったとしても、想定を超える強さだったら何が起こるか分かりませんので… また、全国の美術館・博物館全てに免震装置がついているかは調べられていません。 地震対策はそれぞれの館の考え方次第なので、この記事の内容は一例と思ってください。まとめる。
北海道で最大震度7、その前には大阪で6弱の地震がありました。 こうも災害が続くと美術品が心配になるアートファンも多いはず。 調べてみたら、展示品1つ1つが免震されるという徹底ぶりでした! これで絶対安全!とは限りませんが、できることはやっている状態です。 ひとまず安心できましたね。 館内で地震に遭ったら、自分の身を守ることに専念しましょう。 美術品たちは、きっと免震台が守ってくれます! Share!▶︎Tweet関連情報
国立西洋美術館の公式ガイドブックには、コレクションだけでなく保存・修復など美術館のお仕事も載ってておすすめです。 安いのに美術館の全貌が分かる良書。 ブラジル国立博物館の火災に見るように、少しの管理不足が大事故を招くかもしれません。 自然災害が多発する日本にとって、ブラジルの事故は他人事ではないのです。 「見る専」の私に何ができるか考えてみました。 国立西洋美術館では「ミケランジェロと理想の身体」展が開催中です。 未完成の作品と破壊されてツギハギになったミケ作品の2つが来日するという、レクイエム感漂う展覧会でした。 9/24まで! その他、西美の展覧会の主観レビューはこちら。 展覧会の感想>国立西洋美術館 9月に始まる展覧会のまとめも貼っときます。 夏休み終了とともに終わる方が多いので…まだの人は駆け込んで! 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 明菜(アートの定理)をフォローする インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします!
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妙技すぎる免震装置の隠し方!博物館・美術館の地震対策に美術ファンも安心!