北斎の橋 すみだの橋 主観レビュー。

狂気を感じるほどマニアックな展覧会を見つけたから、とりあえず写真見て!
FullSizeRender
展示風景
橋!
FullSizeRender
展示風景
橋!
FullSizeRender
葛飾北斎《『絵本隅田川 両岸一覧』中 両国納涼 一の橋弁天 無縁の日中》(年代不詳) すみだ北斎美術館
橋! 橋を特集した美術展が始まりました。 これは良い意味で狂ってます。 何が良いって、キラキラ系スイーツ女子に媚びないところですよ。 誰が見に来るんだろう? 橋マニアかな? でも、葛飾北斎の橋シリーズのクオリティはとても綺麗なので、実物を見たら絶対にビックリします。 青と緑が鮮やかで、浮世絵ってこんなに綺麗だったっけ? って感じ。
FullSizeRender
葛飾北斎《諸国名橋奇覧 すほうの国きんたいはし》(天保5年(1834年)頃) すみだ北斎美術館 ピーター・モースコレクション
明らかに人物が大きくて、少しよろめいたら橋から落ちてしまいそう。 心もとない橋ですよ…指先でちょっと押したら石の柱が崩れそうじゃないですか。 雨粒の軌跡から横殴りの風が吹いてることは分かりますし、もうね、ただただ、橋から落っこちないでね、と…。 漫画的なデフォルメの人物たちが愛らしいです。 あるいはジェットコースター。 こんな急勾配、普通の人には登れません。 サスケレベルですよ。 画面をデザインするかのようなデフォルメのおかげで、目が橋に惹きつけられるようになってます。
FullSizeRender
葛飾北斎《琉球八景 臨海湖声》(天保3年(1832年頃)) すみだ北斎美術館
自然の中に人工の橋があるの、不思議じゃないですか? 最近流行ってる山の中のアスレチックみたい。 森をスパーンと貫くように実用的な橋がかかってるの。 北斎といえば富士山を描いたシリーズ《富嶽三十六景》が一番有名ですよね。 だから、展覧会タイトルの「北斎の橋」がピンと来なかったんです。 橋の人ではなく、富士山の人だと思ってたので。 今回の展覧会で始めて、北斎の《諸国名橋奇覧》を知りました! 北斎は富士山の絵師でもあり、橋の絵師でもあるのでした。 北斎が橋に取り憑かれていた証拠がこちら。
FullSizeRender
葛飾北斎《『北斎漫画』四編》(文化13年(1816年)) すみだ北斎美術館 ピーター・モースコレクション
橋ばっかり描いてるね! 北斎漫画にもありとあらゆる橋を描いています。 色んな種類の橋を描いて、研究でもしていたのでしょうか。 橋って、よく見ると面白いんです。 前後・左右・上下の3つの方向に伸びる曲線ですからね。 つまり画面を分断する役割のモチーフなんですよ。
FullSizeRender
葛飾北斎《『北斎漫画』初編》(年代未詳) すみだ北斎美術館 ピーター・モースコレクション
どの角度で、どこに向かって、どうやって画面を切るか。 漫画のコマ割りにも似たデザインだなぁ。 どうやって画面を割れば絵が安定するのか考えて、その上で誇張した表現をやってるんですよね。 すみだ北斎美術館で橋に注目した展示をやってるなんて知らない人、かなり多いと思うんですよね。 知っているのは橋マニアくらいじゃない?
FullSizeRender
葛飾北斎《富嶽三十六景 江戸日本橋》(天保2年(1831年)) すみだ北斎美術館
今回の展示は橋のデザイン効果や北斎の橋好きを知れて楽しかった! ブロガー内覧会に遅れて参加したので、ゆっくり見られなかったのが残念。 また行こう。 で、北斎ゾーンが終わるとガチ橋の展示になります。
FullSizeRender
展示風景
橋!
FullSizeRender
展示風景
橋!
FullSizeRender
歌川重清《東京吾妻橋ヨリ 金龍山及ヒ向島眺望之図》(明治20年(1887年)) 紅林章央氏像
歴史博物館に来たみたい。 北斎が暮らした墨田の橋に関する展示です。 全体を見ると、やっぱり北斎が一番輝いてました。 さすがすみだ北斎美術館。
FullSizeRender
葛飾北斎《富嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見》(天保2年(1831年)) すみだ北斎美術館
浮世絵は何枚でも刷れるから、他の美術館でも同じ作品を見られるかもしれないけど… 今回の作品は、どれも発色・保存状態が突出して良い! 北斎の本物の色彩は、すみだ北斎美術館でしか見られないのです。 Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加 ※写真はブロガー内覧会で撮影

展覧会基本情報

FullSizeRender
展覧会名:北斎の橋 すみだの橋 場所:すみだ北斎美術館 最寄駅:両国 会期:2018/9/11〜11/24 (火水木は休廊) 営業時間:9:30〜17:30(入館は17:00まで) 所要時間:1時間30分 観覧料:一般は1200円 公式HP:http://hokusai-museum.jp

関連情報

葛飾北斎のドローイング集とも呼べる北斎漫画。 複製が色んなバージョンで出ています。 こういうものを所有できる喜び。 日本文化にハマりすぎ、「日本かぶれのナビ」とまで呼ばれたフランスの画家ピエール・ボナール。 ちょうどボナール展もやってますね。 浮世絵のようにフラットな絵が多かったです。 国立新美術館で12月17日まで! 日本人つながりで草間彌生さん。 彼女もフラットな絵を描くし、構図命なところがあります。 草間彌生美術館なら、展示替えの期間を除き、いつでも草間彌生作品が見られます! 和のセクシーと動物のキュートがギャップ萌えな現代作家さんも。 金田花季さんの個展は10月22日まで。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ Instagram 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
にほんブログ村