ましもゆき 「耽溺」 主観レビュー。
忽然と姿を消し、後世に謎を残した19世紀の大富豪の邸宅… かと思ってしまいましたよ。ましもゆき《翳り》(2015年)美しくグロテスクなモノクロの線で空間を彩るのは、画家のましもゆきさん。 恐ろしく精密な曲線の技量も素晴らしいのですが、善とも悪とも決めがたいモチーフが素敵すぎませんか? 今回はサイズの大きい作品も小さい作品も展示されていて、それぞれ良さがありますねー。 細いペンで描かれた絵も美しいし、額縁を含めた全体的なコーディネートも素敵です。右:ましもゆき《彷香》(2018年)真ん中でもにょもにょする何かは、行き場のない負の感情のように見えました。 蛇がとぐろを巻いて周囲の様子を伺うように、欲望が心の中心で外に出る機会を待っているような。 ダメージ加工的なのもアンティーク感が増して良いです。 風雨にさらされたような縦線が、絵を自然に侵食しているの。ましもゆき《翳り》(部分)(2015年)個展のタイトルでもある「耽溺」とは、不健全な遊びに夢中になって溺れること…なんですよね。 展示されている絵のほとんどに人物は出てこないのに、なぜかファム・ファタールの気配を感じます。 甘い匂いを出していそうな絵なんだなぁ。ましもゆき《MISSING》(2017年)やはり女性ファンが多く、熱心な方は個展初日のオープン前からスタンバイし、早速1点ご購入されたのだとか。 ましもさんの絵は不思議な魅力があるし、確かに病みつきになりますね。 しかも、額が可愛いんだよなぁ。 写真立てみたいなのに入ってるんですよ。ましもゆき《彷香》(2018年)額部分のデコレーションがとても可愛い。 アンティークなフレームは、本当に19世紀のヨーロッパのものなんだって! 馴染みの額屋さんがいるとのことで、作品に合う額を仕入れているのだそう。 写真立ての形のやつもあって、つまり自立するんです。 ましもさんのツイッターには、作品が自立している写真が掲載されていました。可愛いー! 絵画より身近に感じられるし、アンティークな秘密コレクションって感じで良い。 こういう作品が似合う家に住みたいです。 夢のまた夢ですけど。 よく見るとガラス面が盛り上がっているなど、写真立てならではの面白さもあります。手のひらサイズの小さな作品たち、今回もご用意しております。
— ましもゆき (@mashimoyuki) November 10, 2018
こちら3点は初の試みとして1800年代後期のフランスアンティークフレームを使用しました。
凝った造りはもちろん、その時間の経過とともに刻まれた特別な風格が美しいです。
詳細⇨ https://t.co/kZtnLqJQ7g pic.twitter.com/Md16ijq5XD左:ましもゆき《花枕》(2018年)丸くて立体的な額も面白い。 お椀みたいで可愛くなる。 モノクロのペン画が多いましもさんですが、今回はピンクの絵も手がけています。 ヴィクトリア朝時代の壁紙っぽい模様の上にピンクのインクが垂れていて、さらに白いもにょもにょが浮かぶ… 何がどうとか具体的には表現できないけど、気持ちまでこんがらがるような網膜のエロス。ましもゆき《Fog》(2018年)作品や複製画などを5000円以上お買い上げの方は、活版印刷のポストカードが貰えるそうです。 こちらも明るいピンクで美しいです。 ご購入の方限定の秘密なので、ブログには載せないんですけれども。 花文字を描いていただけるイベントもあって、あと2回開催されるみたい! 12月15日、16日の14:00〜19:00です。 女性の読者さんは絶対ましもゆきさんの世界にハマると思います。 退廃的なロマンチック。 12月16日までと短めなので、逃さずに行って欲しい展示! Share!▶︎Tweet展覧会基本情報
展覧会名:ましもゆき 「耽溺」エロスとグロテスクが共存するモノクロームの美の世界 場所:六本木ヒルズA/Dギャラリー(最寄駅:六本木) 会期:2018年11月23日〜2018年12月16日 休館日:無し 所要時間:30分 観覧料:無料 公式HP:https://art-view.roppongihills.com/jp/shop/adgallery/mashimoyuki/index.html関連情報
ファム・ファタールと書きましたが、自分でその言葉を書いた瞬間、川島優さんの少女像を思い出しました。 モノクロという共通点かなぁ。 川島優さんの展示もとても良かったです。 12月1日まで! 会場の六本木ヒルズA/Dギャラリーは、可愛い展示が多くて大好きなんですよね。 前回のマムアンちゃんはちゃんと見る時間がなく、ブログに書けなかったのですが、 前々回の石塚隆則さん「飛天」はじっくり拝見しました。 真っ白なクマ?ネズミ?が可愛いし、ギャラリーの真っ白な空間とも合ってて良かったです。 ギャラリーは森美術館の出口の3階にあります。 森美術館も毎回凄い展示やるよなぁ。 今やってるのは「カタストロフと美術のちから」展です。 美術は震災をどう伝えるのか? 復興の力になれるのか? ガチ系な現代アートです。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 明菜(アートの定理)をフォローする インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします!
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