鈴木康広 ファスナーの船 主観レビュー。
パーカーのファスナーを下ろすように、隅田川を一直線に開くファスナーが登場しました!鈴木康広《ファスナーの船》(以下同様)このアイディア、面白い! 確かに船が通った後にできる白い線は、開いたジッパーと形が似ています。 人間が操縦してるの?と思って見たけど、特に人は見えませんでした。 斜め前を走る小さな船から遠隔操作してる印象でした。ファスナーの船を作ったのは、アーティストとして世界で活躍する鈴木康広さん。 飛行機で上空から下を見たとき、船がファスナーに見えたことが構想の原点なんだとか。 「ちょっとした気づき」を忘れない人って凄いと思う。 心のフックが多い人は素敵です。 ファスナーを開く行為は、繋がりを断つイメージ。 なので何を伝えたいアートなのか、始めは分かりませんでした。 「断っちゃって良いの?」みたいな。 逆に、水だから「切っても切れない」と考えると腑に落ちるんです。 隅田川は昔、武蔵国と下総国という2つの国を隔てる国境だったらしい。 その川をファスナーで開こうとしても、開けない… 切っても切れない絆のメタファーに見えました。 船は浅草の吾妻橋と桜橋の間を往復しています。 私が見た日は、1回の往復に30分くらいでした。 天候や川の流れによって変わるかもしれないですね。 ファスナーの船を真上から見るなら、吾妻橋の上がおすすめ! 桜橋も良いのかな? 行ってないから分からないけれども。 さて、この日はスーパー快晴だったので写真撮影も捗ります。 東京スカイツリーがバッチリ見えました!ファスナーの船!
— 明菜(美術ブロガー・アートの定理) (@Akina_art) December 15, 2018
見てきたー!結構速かった!
走ったら私の方が遅かった!
鈴木康広さんの作品です。
飛行機の窓から見下ろした船をファスナーに見間違えたことがきっかけなんだって!
浅草の吾妻橋からよく見えました。
12月28日まで、時間は12:00~14:00です。 pic.twitter.com/jvTKFIAXoFここには《ファスナーの船》は映っていません。「スカイツリーとファスナーの船を1枚に収めたい!」 と意気込んで撮れたのが、こちら。 船とスカイツリーの大きさが違いすぎ、スカイツリーは根元しか映らなかった…。 ファスナーの船を横から見ると、こんな感じ。 横から見てもファスナーに見える! 「らしさ」という意味では真上から見たいけど、横から見てもちゃんとファスナー。 川辺ではカモメと思しき鳥たちも整列しています。 ファスナーの船が来るのを待ってます。 たぶん。これは作品ではなく、カモメたち。しかし「船がファスナーに見えた」という一瞬の気づきを発展させる感受性、羨ましいなぁ。 日常のちょっとした心の揺れを自覚できる人。 芸術分野はこういう人が多い気がする。 私には皆無な能力です。尊敬します。 鈴木康広さんは他にも身近なもののイメージを合わせて素敵な作品を作っています。 どれも楽しいアイディアで、《水の切り株》が特に好き。 「船とファスナーが似ていること」を始め、こういうアイディアは「子供のようなピュアな気づき」と形容されがちです。 でもそれは大人の甘えだと思う。 子供なら誰でも発想できるわけではないでしょ? 少なくとも私は気づけない鈍感な子供でした。凄い快晴。素敵なアイディアが生まれるのは、鈴木さんが子供の頃から今までずっと大切に感受性を育ててきたからでは? 私たちも「子どもの感性」に夢を見る前に、大人として感受性を磨こう。 日常の些細な心の揺れに気づいていこう。 歳を重ねるごとに感受性も育てようよ。 Share!▶︎Tweet展示基本情報
展示名:ふねと水辺のアートプロジェクト 第3弾「ファスナーの船」 場所:隅田川・吾妻橋~桜橋の川岸付近(吾妻橋は浅草駅から徒歩1分) 会期:2018年12月14日(金)~28日(金) 開館時間:12:00-14:00 ※時間は前後する可能性あり 所要時間:30分 観覧料:無料 公式HP: https://sumidagawa2018.com関連情報
鈴木康広さんの作品集には、ファスナーの船以外にも色々載ってます。 ファスナーを開いたら地球が剥けて…みたいに、身近なものからスケールがどんどん大きくなるの。 素敵な発想がたくさん詰まった作品集です。 現代作家の作品はどんどん面白いものが出てきてます。 パープルーム予備校生アランさんのボードゲーム「ゾンビマスター」もその1つ。 「どこがアートなの?」と聞かれやすい作品ですが、そもそもアートって何? ってとこから始めないといけないの。 《誕生》を描いた池田学さんは、どこで展示しても沢山人が入るし、ここまで行くのにどんなプロモーションをしたら良いんだ? と思うこともあります。 本人の技量も凄いけど、最初に池田さんに目をつけた人も凄い。 古きも新しきも、共通するのはその時代で愛されたものが残る、ということ。 現代アートは私たちが残す・残さないを決めることになってしまう。 というわけでもないけど、逆に歴史ある絵の展覧会ならロシア・ロマンティック展が最高でした! 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 明菜(アートの定理)をフォローする インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします!
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「ファスナーの船」が隅田川を開く!一番見やすい場所は吾妻橋だ!