出張!パープルーム予備校体験会2019 レポート②。

パープルーム予備校体験会、後半はワークショップ! 5期生の吉田十七歳さんパート、1期生のあんどーさんパートの2部構成でした。 まずは吉田さんのターン。 吉田さんの制作は言葉のイメージを膨らませて抽象的な図形で表現していくスタイル。
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吉田十七歳さん。
みんなでやってみよう! ということで、いくつか挙げられたキーワードの中から好きなものを選んで、図形を描いていきます。 ①朝・昼・晩から1つ ②喜怒哀楽から1つ ③時間と空間から1つ それぞれ3〜5分程度で、一気に描いていきます。 時間制限があると、 「とりあえず何か描こう…線一本でもあった方が、真っ白よりマシだろう」 という気分になって、上手・下手は別としてサラサラ描けますね。 テーマが朝だとしても起床する人を描くのではなく、「朝」からイメージを膨らませて「図形」で表現するのが吉田さんのワークショップの面白さ。 というわけで、私が描いたのは、この3枚。
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私が描いたやつ。
①晩、②楽、③空間を選んで描きました。 ①→②→③と回を重ねることで、自由度が増していることが自分でも分かります! 特に、①から②への変化。 劇的に自由度が増し、自分でも「他の人が描いたんじゃなかろうか?」と思っております。 また、全ての線や面の裏付けに「言葉」があります。 吉田さんが説明していたように、言葉のイメージを膨らませて図形を描いているので、 「なぜ、ここにこの線なのか?」 と聞かれても全て説明できます。
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参加者の皆さんの作品も見る。
あと、描く順番って大事なんだなー。 思考がA→B→C→…と論理的に流れるので、そのまま描く順番に現れるんです。 絵を描き終えてしまったら、その順番は外見に分かるものではなく、描いた人にしか分からないんですよね。 絵自体のどうこうには影響を与えないかもしれないけど、描き手にとってのみ明確な理由があるのが面白い。 結局、描いた人にしか作品の全ては分からないのだから、鑑賞者「見すぎる」ところまで到達するのは不可能ですね。 これからの美術鑑賞は、自分が「よく見た」と思った以上に見て、それでも足りないことを自覚して見よう、と思いました。
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梅津さんが「いつもより良い!」と喜んでいた、わきもとさきさんの作品。
話が逸れましたが、吉田さんのキャラクターや梅津さんのフォローのお陰で、新鮮な体験ができました。 3〜5分なら日々の生活の中でも確保できる時間だし、自分を解放するワークとして日記的に取り組んでみようかな。
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あんどーさんのアニメ2つめ。
続いて、あんどーさんのワークショップ。 ハードモードと呼ばれるガチワークでした。 あんどーさんのアニメーションを見た後、ライブペインティングで実演してくださった!
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ライブペインティング中のあんどーさん。彼女の右側の景色を一瞬で覚えて、描いています。
描いているのは黒板なので、見ながら描くとも違うんですよね。 目から短期記憶に映し、そこから手や腕の筋肉へ伝えるので、ポイントが1個多いと思われます。 あんどーさんの特殊能力。 記憶にあるものなので、確かに存在するけど角度が違ったり、あっちとこっちにあるものの集合だったり。 写実とは違う表現になるので、みんなもやってみよう! とのこと。
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どんどん出来上がってきた。
いやいやいや。 特殊能力すぎて義務教育で美術を終えてしまった私には全く理解できません。 説明については梅津さんのフォローもあってか、周りの参加者さんもサラサラと普通に手を動かしていて… なんか凄いところに来ちゃったな。 急に自分が場違いな気がして不安になってきました。 そんなとき、目に入ったのが太田胃散の空き缶(何を入れる用途だったのか分からない)。 太田胃散といえば、ヴィジュアル系バンド・シドのギタリストShinjiさん(しんぢさん)ですよね。 「太田!」「胃酸!」「太田!」「胃酸!」とコールアンドレスポンスしながら、粉を観客に撒きまくるライブパフォーマンスを思い出しました。 太田胃散をブログに載せすぎて宣伝になってしまい、太田胃散から感謝状を贈られるほど、Shinjiさんと太田胃散は愛し合っているのです。 そんな太田胃散の空き缶が、私の目の前に。 「見たものを一度覚えて描く」とあんどーさんは説明していましたが、私には無理なので、まずは見ながら目の前の太田胃散を描こう。 ありがとう、太田胃散。 ありがとう、Shinjiさん。 いい薬です。 そんな気持ちで取り掛かりました。
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私が描いたやつ。
すると、周りに置いてあるボトルやパソコンも見えてくるように。 そのまま描いても面白くなさそうだから、置いてある順番を前後反対にしてみよう。 影ってどうやって描くんだっけ? 蛍光灯の位置はどこだ?…なるほど、光源が複数あるから影が薄くなってるのかー。 などなど、考えながら描く体験ができました。 「見て描く」なんて作家さんなら当たり前のことかもしれないですが、私なんて鉛筆を握ったの10年以上振りですからね。 極端に絵を描かない人間でも描くことが楽しいと思えて、新たな発見もありました。 良いワークショップだった!
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参加者の皆さんの作品も見る。
また、こういうワークショップをやるのは、参加者が楽しい!のも重要だけど、作り手にとっても重要なんだ、と再認識しました。 説明しているとき、あんどーさんも吉田さんも、思ったんじゃないですかね。 「なんで私の思うこと・言うことが伝わらないんだろう?」 「普通にやりますって言ったとき、『いやいや、普通って何?』って空気になっても困るんですけど…」 とか。
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わちゃわちゃしてて楽しそうに見えるけど、本人たちは仲良しだとは思っていないらしい。
それは単なる経験不足であって、場数を踏めば趣旨や思いは伝わりやすくなるでしょう。 でも、なんていうのかな、マニュアル化しないで欲しい。 くれぐれも原稿にはしないで欲しい。 「プレゼン 上手い やり方」とだけはググらないで欲しい。 というのも「なぜ伝わらないのか?」を翻訳すると、「自分と相手の価値観が違うから」なんですよね。 つまり個性。 個性が強いから伝わらないんです。 今回、伝わらないなーって思った分だけ、予備校生の皆さんは個性を持ってるってことだから。 何がどう伝わらなかったのか省みることが、皆さんの制作にプラスの影響になると良いな。
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左から、わきもとさきさん、梅津庸一さん、吉田十七歳さん、あんどーさん。
実際、手を動かして絵を描いたり、他の参加者の絵を見て回るのも楽しかったです! (全然レベル違ったし1人だけピヨピヨしてたけど、大丈夫だったぞ!) 私は作家じゃないし美術は義務教育で終わった人だけど、とても楽しかった! また参加したいです。 Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加 前半は講義!

イベント情報

イベント名:出張!パープルーム予備校体験会2019 場所:美学校 本校(神保町) 日時:2019/3/3 14:00-17:30 参加費:1000円 公式HP:https://bigakko.jp/event/2019/parplume

関連情報

相模原で行われた「パープルタウンでパープリスム」の記事はなんと6連続で書きました。 が、他の現代アートの記事同様、あまり読まれている様子も無く。 今回は後半の3つの記事を貼っておきます。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ Instagram 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
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