クリムトのモテ男伝説について。

月2本ほど『gooいまトピ』という巨大メディアにコラムを寄稿しています。 アート以外にも色んなジャンルのコラムニストを抱えている大手なので、その大きさはゴジラ級です。 5月の2本目はクリムトの描いた《エミーリエ・フレーゲの肖像》について。 彼らの恋愛と歴史の流れが複雑に絡み合って、あの名作が生まれたんだと思う…って話を書きました。 表示されてる画像がエミーリエではなく《接吻》なのも、コラムを読んでいただければきっと納得してもらえるかと。 あと、月2本のコラムが月末ギリギリに公開なのは責めないでください。 コラムでは「クリムトは女性にモテにモテまくった天才画家で常に女に囲まれていた」ことを前提に書いたのですが、ウィキペディアに載っているクリムトの写真を見た方々から、
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グスタフ・クリムトの写真
「クリムトがモテたって本当?スーパー疑わしいんですけど!」 的な声が寄せられています。 気持ちは分からんでもないよね、どちらかというと非モテっぽい写真なので…。
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★グスタフ・クリムト《愛》(『アレゴリー:新連作』のための原画 No.46)(1895年) ウィーン・ミュージアム
画家という職業ということもあって、クリムトの自宅にはモデルの女性が常に寝泊まりするような状況だったんですよね。 特定の1人でもなく、不特定多数、と言いますか。 結婚はしないまま一線を超えてしまうので、非嫡出子…つまり、結婚しないで産まれた子供も複数人いました。
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グスタフ・クリムト《希望Ⅰ》(1903年) カナダ国立美術館
「妊娠したからモデルはできない」というモデルの女性に対し、妊娠した姿を描かせて欲しいと言ってモデルを続けてもらうことも。 クリムトは女体に神秘を感じ取っていたのでは…とも思えるエピソードです。 それは《女の三世代》を見たとき、私が率直に感じたことでもあります。 赤ちゃん、若い女性、おばあさんの3人が描かれている絵です。 美女も老いて美しさを失い、本人がそれを恥じていることを疑問に思うような…完全に私の主観ですが、クリムトの女体への好奇心が描かれていると感じました。
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☆グスタフ・クリムト《女の三世代》(1905年) ローマ国立近代美術館
ところでクリムトは「自分のことには興味がない。女性にしか興味がない」的な…石田純一さんが言いそうな名言を残しています。 これを文字通り素直に受け取ってしまうと「クリムトの女好きヤバイ!」となりそうですが、文脈は「自画像を描きたくない理由」なことに注意が必要です。 自分を描くよりも、女性の絵を描く方が好きだ、的な解釈に留めるのが良いかと思います。 まあ、複数の女性との間に子供を授かっておいて、「女好き」のレッテルを逃れられるとは思いませんけど…
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アルマ・マーラー(旧姓 シンドラー)
そんな男なので、35歳頃に17歳のアルマ・シンドラーという女性に恋をするものの、彼女の両親から猛反対を食らってお付き合いできなかったエピソードも。 アルマはアルマでモテ女だったので凄いエピソードがたくさんあるんですけど、彼女は作曲家のマーラーと結婚しています。 クリムトがアルマに夢中になってお尻を追っかけている様子も、きっとエミーリエは見てたんですよ。 「アイツまたやってんなー」って、きっとね、思ってたんです。
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クリムトとエミーリエ
だから、「クリムトが56歳で亡くなる前に『エミーリエを呼んでくれ』と言いました」 というエピソードを知って、エミーリエはどんな気持ちだったんだろう? と考えちゃうんですよねー。 嬉しさもあり、「お前のママじゃないんだよ」的な思いもあったんじゃないかなって。
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★グスタフ・クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》(1902年) ウィーン・ミュージアム ※『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への旅』展にて撮影
というわけで、いまトピに書いたクリムトとエミーリエの話も読んでね! 女性ファッションとも絡めた上で簡潔にまとめた力作です。 できれば「このコラム興味深い!」みたいな感じでURLつけてSNSでシェアしていただけると… いまトピは好きに書かせてくださるありがたいメディアなんです。 良い記事を書いていまトピの信用を上げると共に、アートの定理の読者さんにも喜んで貰える記事を書いていきたいなーと思っています。 Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

関連情報

作品画像のキャプションに☆がついている作品は、「クリムト展」で見ることができます! クリムト展は東京都美術館で2019年7月10日まで! 作品画像のキャプションに★がついている作品は、「ウィーン・モダン展」で見ることができます! ウィーン・モダン展は国立新美術館で2019年7月10日まで! クリムト関連の展覧会が都内で複数開催されているということで、各出版社からクリムト本が出ています。 7冊を比べてみたので、予習・復習に読みたい本を選んでくださいね! 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ただいま、ツイッターの情報発信を強化中。 ブログ更新情報はもちろん、最新のアートニュースもお届けします。 インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ Instagram 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
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