国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展 主観レビュー。

ZOZO前澤さんは、もしかしたら現代の松方幸次郎なのかもしれん。
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「松方コレクション展」展示風景
川崎造船所の初代社長、松方幸次郎が買い集めた美術品の展覧会が始まりました。 と言うと大げさなんですけど、松方は国立西洋美術館の核となるコレクションを築いた人。 モネやゴッホ、ルノワールなど印象派を中心に色々見られるのが『国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展』です。
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「松方コレクション展」展示風景、フィンセント・ファン・ゴッホ《アルルの寝室》(1889年)オルセー美術館、パリ
松方コレクションは国立西洋美術館の常設展でも見られますが、今回は海外に散逸した作品が来日するのだから一大事です。 例えば、ゴッホの《アルルの寝室》。 松方が購入してパリで保管していたのですが、第二次世界大戦後にフランス政府に押収され、返還されなかった絵画です。
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「松方コレクション展」展示風景、左:シャルル・エミール=オーギュスト・カロリュス=デュラン《母と子(フェドー夫人と子供たち)》(1897年)国立西洋美術館、東京
さらに、近年発見されたモネの作品も。 ルーブル美術館の保管庫でロール状で見つかった《睡蓮、柳の反映》は傷みが酷く、半分ほど失われてしまいました。 第二次世界大戦中、作品を疎開させていたのですが、そこでの保管状況が悪かったのではないか、と見られています。 残った部分は修復が完了し、今回の展覧会で見られます。
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「松方コレクション展」展示風景、クロード・モネ《睡蓮、柳の反映》(1916年)国立西洋美術館、東京(松方幸次郎氏御遺族より寄贈)
《睡蓮、柳の反映》の調査研究はこれからなのと、私の見た感じでは常設できる状態ではなさそう。 今回の展覧会を逃したら、次はいつ見られるか分からない作品なのでは?
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「松方コレクション展」展示風景
「国立西洋美術館 ロダン」と検索すると「本物」という失礼なサジェストワードが出てくるのですが、そうです、この美術館といえばロダンですよね。 前庭には《考える人》などが設置されています。
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「松方コレクション展」展示風景、オーギュスト・ロダン「《地獄の門》のマケット(第三構想)」(1881-82年頃)国立西洋美術館、東京
松方がロダン作品を多くコレクションできたのは、ロダン美術館の館長を務めたレオンス・ベネディットと良い関係を築けたからです。 大きな《地獄の門》が前庭に設置されているのは凄いことなのです。 展覧会会場ではマケット(構想段階の試作品のようなもの)が展示されており、これまたレア。
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「松方コレクション展」展示風景、左:アルノルト・ベックリン《眠れるニンフとふたりのファウヌス》(1884年)ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム、右:ポール・ゴーガン《籠の中の花》(1885年)個人蔵
個人的には、ベックリンの絵画を松方が購入していたことが驚きでした。 私が大好きな画家で、《死の島》の人です。 フランス絵画を中心に集めていた松方が、突然スイスの画家の絵を購入します? ベックリンは象徴主義の画家で、神話や聖書の題材に想像力を混ぜて描きました。 屋外にキャンバスを持ち出して風景を描いたモネなど印象派とは真逆なんです。 ギュスターヴ ・モローが象徴主義なので、こちらとの繋がりがあるのかも。 無いかもしれないけど。 妄想が広がります。
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「松方コレクション展」展示風景、上:ギュスターヴ ・モロー《牢獄のサロメ》(1873-1876年頃)国立西洋美術館、東京、下:ギュスターヴ ・モロー《ピエタ》(1876年頃)国立西洋美術館、東京
ところで、音声ガイドのどこかのトラックに、 「松方は日本の海軍からドイツのUボートの設計図入手を依頼され、美術品に紛れ込ませて密かに入手した可能性がある」 という内容があります。 海軍は川崎造船所の重要な顧客だったそうですからね。 現代でも美術品と一緒にやばいブツを密輸する手口はありますから、普通に納得してしまいました。 音声ガイドのトラック番号はあえて秘密にしておきますが、各トラックの冒頭だけを聞いてもUボートの話は分からないです。 あるトラックの結びにあるエピソードなので、気になる方はじっくり聴いてみて!
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「松方コレクション展」展示風景
「美術を志す日本の若い人のために、西洋美術をヨーロッパから日本へ持ち帰る」と言いつつ、松方には「海軍のスパイ疑惑」が浮上しました。 フランス絵画を中心に買い集めながらも、突然異なる方向に食指を伸ばしもしました。 松方幸次郎とは何者だったのか。 掴んでは指の間をすり抜けていくような男、好きです。 Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加 ※主催者の許可を得て撮影しました。

展覧会基本情報

展覧会名:国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展 場所:国立西洋美術館(上野) 会期:2019/6/11-9/23 休館日:毎週月曜日、および7月16日(火)は休館。 ※7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館。 開室時間:9:30-17:30 (金・土曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで 所要時間:2時間 観覧料:一般は1600円 公式HP:https://artexhibition.jp/matsukata2019/

関連情報

松方コレクション展も繰り返し行きたい展覧会。 予習・復習を繰り返しながら、理解を深めていきたい。 松方コレクションについての解説記事はこちら。 梅雨で雨が降っているときの、国立西洋美術館の前庭の彫刻が最高。 モネと睡蓮の話はいまトピにも寄稿しました。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ツイッターでは、ブログに載せていない写真も掲載しています! インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ Instagram 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
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