『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』 主観レビュー。
三菱一号館美術館『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』展示風景「マリアノ・フォルチュニなら前から知ってるよ！」 という人は、ファッションや芸術にかなり造詣が深いのだと思います。 ちなみに私は全然知りませんでした。 三菱一号館美術館で開催されている『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』に行ってきました。 知らない作家だし、どうかなーって思ってたんですけど、驚くほど幸せ空間だったので報告しますね！三菱一号館美術館『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』展示風景フォルチュニはデザイナーとしてだけでなく、画家や写真家、舞台芸術家としても活動していました。 そのため、ファッションだけでなく絵画や照明、写真もあり、飽きない展示だったんですよ。 空間全体が自然に調和していて、個人の邸宅のような心地よさもありました。 天井から吊り下がるランプのデザイン、エキゾチックな雰囲気もあって好きだなぁ。三菱一号館美術館『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』展示風景展示の中心となるのは絹のドレスやコートなどの服飾作品とテキスタイルです。 ヴェネチアを制作活動の拠点にしたマリアノ・フォルチュニの代表作は「デルフォス」というドレスです。 細かいプリーツ（ひだ）がびっしりの、すとんとしたドレス。 1枚の布に見えるほどシンプルなデザインです。 色はさまざまなバリエーションがあるし、丈や装飾のガラス玉にも若干の違いはあるのだけど、基本の形は変わらないですね。 会場では色んなデルフォスを見ることができますが、形はどれも似ています。三菱一号館美術館『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』展示風景マリアノ・フォルチュニが活躍したのは19世紀終わりから20世紀初頭のこと。 この頃、ファッション界では女性が身につける「コルセット」の悪影響が周知されるようになってきました。 レントゲンの発見により、コルセットが骨を変形させることなど、体への悪影響が科学的に分かってきたのですね。三菱一号館美術館『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』展示風景「コルセットを使わないファッション」が流行るようになる中、フォルチュニの「デルフォス」も生まれました。 プリーツなので伸縮性があって、体にぴたっとフィットするので、柔らかいシルエットが実現するドレスです。 1枚の布で真っ直ぐになるのでもなく、コルセットで強引に凹凸をつけるでもなく。 フォルチュニのデルフォスは、繊細なプリーツでしなやかな曲線を生み出しています。三菱一号館美術館『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』展示風景デルフォスを身につけたことは無いけれど、なんとなく着心地がイメージできますな。 多分、緩くフィットする感じ。 動いてもキツくなさそう。 マネキンが着ているとタイトに見えますけど、プリーツなので横にも結構広がるはずです。 プリーツってのは凄いんですよ。 人間の大腸もプリーツ状に畳まれた器官で、広げるとテニスコート反面分になりますからね。 プリーツがどれだけの布を蓄える効果があるかは、自然が証明してくれているわけです。三菱一号館美術館『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』展示風景より、右：マリアノ・フォルチュニ《自画像》(制作年不詳) フォルチュニ美術館フォルチュニは「デルフォス」によってファッション界で成功を収めますが、販促には力を入れなかったようなんですね。 ファッションショーを開くなどの派手なプロモーションには、手を出さなかったそうです。 そもそも芸術分野で最初に取り組んだのが絵画だったり、ワーグナーの舞台に魅せられて総合芸術を目指したり。 フォルチュニの人生は「ファッション一筋」ではなかったわけです。三菱一号館美術館『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』展示風景より、手前：《デルフォス（黒）》(1920年頃) 藤田真理子 蔵代表作「デルフォス」は1着だけで着ることもできるし、ベルトを巻いて雰囲気を変えたり、カスタマイズ性が高い作品。 1人で何役もこなすフォルチュニの面影が、ツーウェイな1着のドレスに重なりました。 Share!▶︎Tweet※取材許可を得て撮影しました。
展覧会基本情報
展覧会名：マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展 場所：三菱一号館美術館（東京） 会期：2019/7/6-10/6 休館日：月曜休館 （但し、祝日・振替休日の場合、9月30日とトークフリーデーの7月29日、8月26日は開館） 開館時間：10:00-18:00（祝日を除く金曜、第2水曜、8月12日～15日、会期最終週平日は21:00まで）※入館は閉館の30分前まで。 所要時間：2時間 観覧料：一般は1700円 公式HP：https://mimt.jp/fortuny/関連情報
ファッションの歴史も勉強してみたい。 色んな本が出てますよね。 この本、表紙が素敵。 徒歩で移動できる東京ステーションギャラリーでは、カッコいい版画の『メスキータ』展が開催されています。 夏休みの7・8月に開催されている展覧会をまとめました！ 本展が始まる前の休館中の期間、併設のカフェではアフタヌーンティーが楽しめました。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ツイッターでは、ブログに載せていない写真も掲載しています！ 明菜(アートの定理)をフォローする インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました！ 良かったら応援クリックお願いします！
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