『マイセン動物園展』主観レビュー。

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《二匹のフレンチブルドッグ》エーリッヒ・オスカー・ヘーゼル(1924〜1934年頃)J's collection
可愛さと高級感を兼ね備えた陶器の犬。 この気品は…そうです、もちろんマイセンですよ。 不思議な気持ちになりますね。 愛くるしいマイセンの猫や犬がいると、どんな場所も癒しの空間に変わるのだと思います。
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パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
パナソニック汐留美術館で「マイセン動物園展」が始まりました。 見どころは…全部だねぇ。 マイセンらしい繊細な花や鳥のモチーフもあれば、動物をメインにした置物までさまざまです。 動物の種類もキリン、ゾウ、ホッキョクグマ、ペンギンと、本当に動物園に来たみたい。
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パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
動物が大好きな私は、西洋美術の転換点の一つを「動物園」と捉えています。 ヨーロッパにいないキリンやペンギンのような動物を動物園で一般人も見られるようになったのは、18世紀や19世紀のこと。 この頃から、動物を主役にした絵画や彫刻が作られるようになり、動物の芸術家を「アニマリエ」と呼ぶようになりました。
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パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
ドイツの名窯、マイセンの作家も動物園で知識を得ていたのではないかな。 19世紀頃からサバンナの動物を主役にした作品が沢山作られています。 ガゼルの躍動感、最高ですねー。 角が長いのはオスなので、オスどうしが闘っているように見えます。 下のガゼルの角が上のガゼルの胴に食い込んでいる描写が、最高にリアルだと思いました。
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《二匹の猫》オットー・ピルツ(1934〜1940年頃)個人蔵
つるんとした質感なのに、毛並みの柔らかな色のグラデーションが出ていますよね。 「イングレイズ」という技法で色着けされていて、絵具が陶器の表面と釉薬の間に定着するので、複雑な着色なのにツルツルした質感が実現されています。
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パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
ちょうど夏休みシーズンの開幕となったためか、ファミリー層を意識もしているようでした。 動物のマスクが展示されているスペースは、鳥の鳴き声など自然らしい音が流れています。 マスクの目が赤く光っていたり…なんかこう「アマゾンの秘境の民族」感が凄い! 「マイセン」って高級なイメージだし実際高級品なのですが、展示の見せ方次第で「アマゾンの秘境の民族」になるんですね。
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パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
さて、動物が主役の作品も良いけど、ある意味「マイセンらしい」繊細なロココ調の作品も最高です。 お花と小鳥がいーっぱいいる可愛らしい鏡で俺様を撮影してみました。
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パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景より、《花鳥飾プット像鏡》
良い写真だねぇ…二度とマイセンの鏡で自撮りすることは無いだろうし、家宝にしよう。 本展は撮影OKの作品もあるので、気に入った作品の撮影ができるかも。 もちろんマイセンの鏡で自撮りすることもできます。 この空間そのものがインスタ映え… #マイセン動物園 が盛り上がりそう。
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パナソニック汐留美術館『マイセン動物園展』展示風景
マイセンがこんなに沢山の動物モチーフの作品を作っていたとは、知らなかったですね。 百貨店で見かける食器のイメージが強いので、サバンナの動物までオブジェにしていたことに驚きました。 色の技術力についてはマイセンの食器を見て凄さを何となく分かっていましたが、動物の躍動感をそのまま陶器にできる「形の技術力」も見どころです。 彫刻作品として見ごたえのある動物園でした! Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加 ※取材許可を得て撮影しました。

展覧会基本情報

展覧会名:マイセン動物園展 場所:パナソニック汐留美術館(新橋) 会期:2019/7/6-9/23 休館日:水曜日、8月13日(火)〜15日(木) 開館時間:10:00~18:00まで(入館は17:30まで) ※8月2日(金)、9月6日(金)は夜間開館 20:00まで(入館は19:30まで) 所要時間:2時間 観覧料:一般は1000円(ホームページ割引引き換え券) 公式HP:https://panasonic.co.jp/ls/museum/

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