エッシャー美術館 主観レビュー。

私が初めて『エッシャー』を知ったのは、小学校低学年で「目の錯覚絵本」みたいなのを母親が図書館で借りてくれたのがきっかけです。 同じような出会い方をしている人は多いと思います。
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M.C. エッシャー《Drawing hands》(1948年)
でも、そのキャッチーさから一歩引いて見てみると、エッシャーの考え方や主張がキラリと見えてきます。 凄いな、この人。 めっちゃセンス良い。
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M.C. エッシャー《Sky and water II》(1938年)
というのも、鳥と魚が交差するこの絵のタイトルは『空と水』です。 「鳥と魚」ではないのです。
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M.C. エッシャー《Day and night》(1938年)
白と黒の鳥が交差する絵のタイトルは『昼と夜』なのです。 こちらも「白鳥と黒鳥」ではありません。 としたらば、エッシャーが描きたかったのは鳥や魚ではないんだな、と見ることができますよね。 鳥を空のシンボルに、魚を水のシンボルにして、地球の水循環を表現しているように見ることができるのではないでしょうか?
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M.C. エッシャー《Print gallery》(1956年)
エッシャーの作品は結果的に「人を驚かせるもの」になっていますが、それを狙って制作していたわけではないんじゃないか、と思いました。 彼自身の哲学や宗教観など、頭の中でぐるぐる考えていることの表現に見えるのです。
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展示風景
天使と悪魔が敷き詰められたこの作品は、特に「エッシャーの頭の中」を感じさせます。 天使は良いもの、悪魔は悪いものですが、2つのモチーフを敷き詰めることで、「どちらかが欠けることはできない表裏一体の状態」を表しているように見えるんですよね。
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展示風景
結果としてキャッチーな「表面上の面白さ」が際立ってしまっていますが、「深掘り」も面白い作家ですね。 横にとても長い「メタモルフォーゼ」シリーズは、モチーフの移り変わりが輪廻を表しているようです。
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M.C. エッシャー《》
さて、エッシャー美術館はハーグ市立美術館の別館としてオープンしたのだそうです。 オランダ王室が持っていた邸宅『ランヘ・フォールハウト宮殿』を美術館にした、とのこと。 さながらお姫さまになったかのような気分を味わえる建物でした。
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エッシャーといえば上っても上っても終わらない階段のような錯視アートですが、そのイメージとは全然違う内装の邸宅です。 しかもシャンデリアが可愛いの! 全部屋のシャンデリアの種類が異なり、同じものはありません。
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シャンデリアを手がけたのは、オランダのアーティスト、ハンス・ファン・ベンテムさん。 ざっとググったところ、ハーグの王立アカデミーを卒業し、ロッテルダムで活躍しているそうです。 「若手アーティスト」と紹介している日本語文もありますが、1965年生まれなので、ベテランか中堅な感じ。
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王室の邸宅、エッシャーの版画、現代アーティストのシャンデリアと、さまざまな時代・人のクリエーションが一堂に会しているエッシャー美術館。 でも全く喧嘩してないし、尊重し合っているような不思議な空間でした。
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正直、オランダで一番贅沢な体験ができたかも… ハーグといえばマウリッツハイス美術館ですが、エッシャー美術館も超おすすめ。 近いので1日で2館行けるし、ぜひ! Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

美術館基本情報

館名:エッシャー美術館(Escher in Hej Paleis) 行き方:15、16番トラムでKorte Voorthout下車 所要時間:2時間 観覧料:€9.5 公式HP:https://www.escherinhetpaleis.nl

関連情報

マウリッツハイス美術館のチケットを提示すると無料で見られるウィレム5世ギャラリーが想像以上に良かった。 今回のオランダ・ベルギーで行きたいところリスト。 前回はシンガポールへアート旅に行きました。 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ツイッターでは、ブログに載せていない写真も掲載しています! インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ Instagram 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
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