アムステルダム市立美術館 主観レビュー(コレクション編)。

レンブラント、フェルメールと17世紀バロック絵画が有名なアムステルダム国立美術館。 それに対し『アムステルダム市立美術館』は、近現代アートが超優秀でした! オランダの作家であるモンドリアンはもちろん。
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ピエト・モンドリアンの作品展示風景
コブラの作品は初めて見た! 第二次世界大戦後に起きた、ベネルクスを中心とした芸術運動です。 コペンハーゲン、ブリュッセル、アムステルダムの頭文字を取って『COBRA』ね。
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COBRAの作品展示風景
激しい筆致と子供っぽい画面構成。 無意識や夢にテーマを置きつつも、シュールレアリズムとは違って原始的な造形が特徴的です。 衝動をアツアツのまま表現している感じ。 写真だと伝わらないかもしれないんですけど、この作品はとても大きいです。 動物が手を挙げていて、なんだか可愛らしいよね。
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パブロ・ピカソ《Seated Woman with Fish-Hat》(1942年)
アムステルダム市立美術館で驚いたのは、『近現代美術』として教科書に載るような作家の作品が充実していること。 モンドリアンを始めとするデ・ステイルの作家以外はオランダとほとんど関係が無いと思うんですけれども。 なんでここにあるんだ?ってくらい。 ニューヨークのMOMAに行けば上位互換的な作品があるのかもしれないけど、行ったことが無いしそれはそれとして。 ジェフ・クーンズって、うさぎ以外の作品も作ってたんですね。
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ジェフ・クーンズ《Ushering in Banality》(1988年)
あとジョセフ・コスースが好きなんですが、初めて生で作品を見ることができました。 1965年の作品を2014年に復元したものだそう。 1〜25までの数を表す単語が、5個ずつ5行に渡って並べられています。
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ジョセフ・コスース《Five Fives (to Donald Judd)》(1965, remake 2014)
コスースは「コンセプトアート」のジャンルに入る作家で、タイトル、作品を構成する単語、作品の見た目の関係を少しずつズラし、 「君が見ているものは本当に見えているとおりかい?」 と問いかけてくるような作品が特徴です。 「見る人の頭の中で作品が完成する」感じが好きなんですよね。 突き詰めると文字で考えをやりとりする哲学になっちゃうので、「見る必要無くない?」ってなって批判を浴びるんですけれども…
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ダニエル・ビュレン《Kaleidoscope, a Work in Situ》(1983年)
館内には、ダニエル・ビュレンのちょっとしたペイントもありました。 アーチの上のところに、赤や青の縦線が入っているの分かります? ビュレンは銀座シックスの吹き抜け部分でもインスタレーションを展開していたことがあるので、ピンと来る人もいるかも。 建物に直接施すアートって日本だとあまり無いから、こういうの見ると自由だなって感じる。
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ピエト・モンドリアン《Windmill》(1917年頃)
アムステルダム市立美術館は近現代を中心にコレクションが充実しています。 オランダのガイドブックに大きく載るような歴史的な美術館とはまた違った魅力ですね。 現代アート好きに超おすすめ。
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アレクサンダー・カルダーの作品展示風景
一方で、近現代ならではの「どこが凄いのか分からない感」は否めない。 これらのアートを「感性でどうにか感じ取って」と言うのは無理がある。 アート好きにはおすすめだけど、一般的にイチオシできる美術館ではないなぁ…。 と心苦しくレビューを終えるのでありました。 Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

美術館基本情報

館名:アムステルダム市立美術館(Stedelijk Museum Amsterdam) 行き方:2、5、12番トラムでVan Baerlestr下車 所要時間:3時間 観覧料:€15 公式HP:https://www.stedelijk.nl

関連情報

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