聖ヤコブ教会 主観レビュー。

アントワープで活躍した画家ルーベンスのお墓は、もちろんアントワープにあります。 『聖ヤコブ教会』という教会に、ルーベンスのお墓と絵画があるんですね。
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意外と穴場スポットだと思うので、美術好きな人はぜひ。 ルーベンスの《キリスト昇架》《キリスト降架》がある聖母大聖堂に比べて、めちゃくちゃ空いてます。 快適に見られます。
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ルーベンスとその家族が眠るのは、主祭壇の後ろ側。 奥まったところにあります。 教会に慣れていない私にはどれがお墓なのかよく分からなかったのですが、こんな表示があったので大丈夫でした!
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なお4ヶ国語表記。 ベルギーではフランス語、オランダ語、ドイツ語、英語が併記されていることも珍しくありません。
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ここにはルーベンスの絵画もありまして、生前に自分の墓を作り上げていくような感覚だったのかな…(上の自画像はおそらくレプリカ) 他の教会や美術館で彼の絵を見るのとは違って感じられます。
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聖ヤコブ教会は15~17世紀に建てられたゴシック様式の教会で、内装のはがれた部分など古さもビシビシ伝わってきます。 同じくアントワープの聖パウルス教会の方は火災後に修復されて綺麗になった状態なので、そこでは味わえない古さがありますね。 17世紀にタイムスリップしたかのような気分になれます。
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全体的には綺麗だし、これが17世紀の建物だなんて信じられないけど、ややボロッとしているところに萌えませんか? 数百年にわたって、人々が祈りをささげてきたんですよ。 人間よりずっと長い寿命をもって、この教会は大勢の人が生まれて死んでいくのを見届けている。
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こうしてゴシック様式の教会を見ていると、パリのノートルダム大聖堂を思い出してしまったり思い出さなかったり。 2019年4月に火災に遭った大聖堂は、今はどんな状態なんだろうか。 そして、聖ヤコブ教会にある美術品も同じように不慮の事故に巻き込まれる可能性もあるわけです。 しかも「こんなのマンパワーでは運べないだろう…」と思しき大きな絵画の多いこと…。
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不幸な結末ばかりを妄想して現実に押し付けようとは思いませんけど、考えてしまうところがありませんか? 過去の傑作って増えないんですよ。 失われるリスクだけが存在しているの。
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教会ではないけど、日本の神社仏閣にも思いを馳せるなど。 日本の自然災害の多さや、海外で火災によって文化財が失われる事故の多さに鑑みると、「現状がずっと続く」と思うのは甘えですね。
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それは「今あるうちに見に行こう」でもあるし、「守るために何ができるか」でもあるんだなぁ。 というわけで、アントワープを訪れたら聖ヤコブ教会でルーベンス一家をお参りしてみてくださいませ。 Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

美術館基本情報

館名:聖ヤコブ教会(Sint-Jacobskerk) 行き方:アントワープ中央駅から徒歩20分程度 所要時間:1時間 観覧料:€3 公式HP:http://www.sintjacobantwerpen.be/

関連情報

「地球の歩き方」は美術情報が充実してました! オシャレなガイドブックより、美術好きさんにおすすめですね。 アントワープには野外彫刻美術館もあります。 美術館や教会とはまた違うアートスポット! 今回のオランダ・ベルギーで行きたいところリスト。 前回はシンガポールへアート旅に行きました。 読者登録していただくと、LINEに「アートの定理」の更新情報が届きます! 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ツイッターでは、ブログに載せていない写真も掲載しています! インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ Instagram 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
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