グルーニング美術館 主観レビュー。
グルーニング美術館ベルギーの世界遺産ブルージュの街並みについては、昨日のブログで既に紹介しました。 もう1つ外せないところがあり、それが『グルーニング美術館』です! ブルージュにゆかりのある画家の作品が集まっており、古典から近代まで良作を一望できる良い美術館。 とても良いのです。ヤン・ファン・エイク《ファン・デル・パーレの聖母子》(1436年)絶対に見逃せないのが、ヤン・ファン・エイク《ファン・デル・パーレの聖母子》ですね! 主にブルージュで活躍した画家で、油絵具を発明した人と伝えられています。ヤン・ファン・エイク《ファン・デル・パーレの聖母子》(部分)(1436年)鮮やかな色彩が目を引きますが、布や壁のしつこいまでの細かい描写もえげつない。 8Kテレビと錯覚するレベルの描き込みです。 この細部まで徹底的に描写するファン・エイクのスタイルは後の画家たちに踏襲されていきます。 メムリンクもそうですね。ハンス・メムリンク《モレール三連祭壇画》(1484年)メムリンクは別記事で『メムリンク美術館』について書いたときに紹介しました。 ブルージュを代表する画家で、この人も細かい描き込みがすごい。 特にモノを描くのが上手く、ふっくらして見えるところが好きです。ヒエロニムス・ボスと工房《最後の審判》(1510年頃)面白いのは何と言ってもヒエロニムス・ボスですかね。 ボスらしい鮮やかなピンクが逆に薄気味悪く、この世の終わりのような混沌を煽っています。ヒエロニムス・ボスと工房《最後の審判》(部分)(1510年頃)細部の不気味さもやっぱり面白い。 奇抜なSF映画に親しんだ私たちにとってボスの描く生き物は『キモかわいい』に近いのですが、ボスと同時代の人はどう受け取ったのでしょうか?ヒエロニムス・ボスと工房《最後の審判》(部分)(1510年頃)そもそも、ボスの発想力に感嘆しますよね。 存在しないものを生き生きと描くのは、とても難しいことです。 モデルがいないんだもん。ピエール・アレシンスキー《The three Days》(1959年)ピエール・アレシンスキーの作品もありました。 存命の方で主にブリュッセルで活躍している画家です。 『COBRA』というコペンハーゲン・ブリュッセル・アムステルダムの頭文字を取ったグループで活動していました。 日本でも2016年に渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでアレシンスキー展が開催されたので、知っている人もいるかもしれないですね。ポール・デルヴォー《Serenity》(1970年)フランスのパリを中心とした印象主義の絵画以降、絵画は「見えるままを描くこと」と異なる表現や精神を模索していきます。 抽象画もそうだし、シュールレアリスムもそうです。 他にもたくさんの考え方が同時多発して、私にとって19世紀末以降の美術は『混沌』です。ルネ・マグリット《The Assault》(1932年)とはいえ美術の中心はフランスやニューヨークで、この辺の系譜はまだギリギリ追いついていける。 でも、ベルギーの美術はほとんど知らない状態。 好きな画家が集中してはいるのですが、周辺の状況が分からない、というか。ジョルジュ・ヴァントンゲルロー《Function and Variant》(1939年)だからこそ、コンパクトにベルギーの美術がまとまっているグルーニング美術館は見やすかったし勉強になりました。 デルヴォーやマグリットのようにピンポイントで好きな画家がいるので、ベルギーの世紀末美術は知れば知るほど好きになりそうな気がする。ヤン・ファン・エイク《マルガレーテ・ファン・エイクの肖像》(1439年)ベルギー王立美術館のハイライト版のような感じで見ることができました。 ブルージュに行ったら、グルーニング美術館もおすすめ! Share!▶︎Tweet美術館基本情報
館名:グルーニング美術館(Groeningemuseum) 行き方:ブルージュ駅から徒歩20分くらい 所要時間:2時間 観覧料:€8 公式HP:Groeningemuseum関連情報
世界遺産に登録されている中世のブルージュの街並みも必見。 普通に観光におすすめの街です。 今回のオランダ・ベルギーで行きたいところリスト。 前回はシンガポールへアート旅に行きました。 読者登録していただくと、LINEに「アートの定理」の更新情報が届きます! 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ツイッターでは、ブログに載せていない写真も掲載しています! 明菜(アートの定理)をフォローする インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします!
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