『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』主観レビュー。

3月中旬に開催された『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』の報道向け内覧会に行って来ました!
IMG_1220
展示風景
当初は3月3日開幕の予定でしたが、新型コロナウイルスの感染予防のため、延期となっております。 今のところ開幕日は未定の状態なので、最新情報は展覧会公式ホームページでご確認ください。 というわけで、お先に雰囲気だけでもお伝えしていきたいと思います!
IMG_1315
パオロ・ウッチェロ《聖ゲオルギウスと竜》(1470年頃)
ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、1824年に設立された西洋絵画に特化したイギリスにある美術館です。 ヨーロッパの大きな美術館は王室のコレクションがベースになっていることが多いのですが、ロンドン・ナショナル・ギャラリーはちょっと違います。 設立当初から現在まで、多くの市民からの寄贈や遺贈、資金提供によって築かれてきました。
IMG_1272
ロンドン・ナショナル・ギャラリーを作った人々
コレクションは13世紀後半から20世紀初頭までの幅広い時代と地域の美術品と多岐にわたり、まさに西洋絵画史の教科書! 本展でも、イタリアのルネサンス絵画、フェルメールなど黄金時代のオランダ絵画、印象派を中心としたフランスの近代絵画など、さまざまな絵画を鑑賞することができました。
IMG_1261
フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》(1888年)
フランス近代絵画の中で一番の目玉は、ゴッホ《ひまわり》でしょうか。 ゴッホはひまわりをテーマにした作品を7枚描いており、うち1枚はロンドン・ナショナル・ギャラリーが収蔵しています。 国内だと、SOMPO美術館が1枚収蔵していますね。
IMG_1267
フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》(1888年)(部分)
本展で見られる《ひまわり》は全体的に黄色の面積が大きいのですが、筆致がさまざまで見ごたえのある作品です。 花、花瓶、壁とそれぞれ筆の運び方が違うんですよね。 壁の部分には縦と横に規則正しく筆を動かした跡があり、麦わら帽子のようにも見えました。
IMG_1222
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《34歳の自画像》(1640年)
オランダの黄金時代の絵画といえば、レンブラントやフェルメールですね。 レンブラントの自画像、フェルメールの室内画と、巨匠の「らしさ」が溢れる作品が来日しています。
IMG_1224
ヨハネス・フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》(1670-72年頃)
フェルメールの作品は世界に30点強しか無いのですが、そのうち1点を本展で鑑賞できます。 ちなみに、ロンドン・ナショナル・ギャラリーが収蔵するフェルメール作品は2点で、今回来日しているのは《ヴァージナルの前に座る若い女性》です。 もう1つの所蔵作品は《ヴァージナルの前に立つ女》で、同じような場面を描いた作品。 ロンドンでは並んで展示されているのを見たことがあるので、個人的には2枚で1セット、すなわちニコイチな印象が強いですね。
IMG_1243
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《窓枠に身を乗り出した農民の少年》(1675-80年頃)
さて、ロンドンには良い美術館が沢山あるのですが、イギリスが美術史の中心になったことがあるのか?と問われると微妙かな、と思います。 教科書にも載るような有名な芸術家や美術運動は、イタリア、オランダ、フランスが中心ですね。
IMG_1228
トマス・ゲインズバラ《シドンズ夫人》(1785年)
ではイギリスは遅れていたのかというと、それはまた違いまして。 大陸とは違ったセンスを持った芸術家がいて、例えばターナーです。
IMG_1248
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》(1829年)
ターナーの海や船をモチーフにした作品で印象的なのが、キャンバスの内側から発光しているように見えるところです。 この光の表現の凄さは図録や教科書でも伝わるほどなのですが、やはり実物を見ると驚きますね。
IMG_1258
クロード・モネ《睡蓮の池》(1899年)
自然な光や、霞がかったようにぼんやりとした風景画は、フランスの印象派にも影響を与えました。 印象主義の作品はそれまでのアカデミックな絵画の常識を打ち破る衝撃だったのですが、実はターナーという先駆けがいたんです。
IMG_1322
展示風景
このように、本展では時代や地域が多岐にわたるコレクションを鑑賞できます。 西洋美術史の中であまり取り上げられないイギリスにも、ターナーのような優れた芸術家がいたので、個人的には注目していただきたいな、と思います。
IMG_1318
展示風景
同館が館外で大規模なコレクション展を開催するのは初めてで、国内で61点の作品を見られるのは本当に貴重な機会です! Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

展覧会基本情報

展覧会名:ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 会場:国立西洋美術館(上野) 開幕後も混雑対策のためチケットの販売方法や展示室への入場方法が変更となる場合があります。最新情報を展覧会公式サイトで必ずご確認ください。 会期:2020年6月18日(木)~10月18日(日) ただし、6月18日(木)~6月21日(日)は、「前売券・招待券限定入場期間」 また、日時指定制が導入されます。 詳しくは公式で⇒ https://artexhibition.jp/topics/news/20200604-AEJ243245/ 所要時間:2時間 観覧料:一般は1700円 展覧会公式HP:https://artexhibition.jp/london2020/

関連情報

絵画を隅々まで鑑賞したい人におすすめなのが単眼鏡。 ゴッホ《ひまわり》など初来日の作品を、単眼鏡をつかって筆致まで鑑賞しましょう! 単眼鏡の使用感はこちらの記事で紹介しました。 渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムのホキ美術館展では、トップレベルの写実絵画を見ることができました。 山種美術館では、桜が描かれた日本画の展覧会が開催されました。 読者登録していただくと、LINEに「アートの定理」の更新情報が届きます! 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ツイッターでは、ブログに載せていない写真も掲載しています! インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ Instagram 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします! にほんブログ村 美術ブログ いろいろな美術・アートへ
にほんブログ村