特別展「きもの KIMONO」主観レビュー。

東京国立博物館で特別展「きもの KIMONO」が始まりました! 鎌倉時代の着物から現代のデザイナーによる着物まで、約800年の歴史を紐解く大規模な展覧会です。
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展示風景
ところで、皆さんは普段はどんなお召し物でお過ごしですか? 普段は洋服で、機会があれば浴衣を着る、くらいの距離感の方が多いかと思います。 男性だと、寝巻に甚平を着ている人もいるかしら。
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展示風景
私も成人式で振袖を着たり、卒業式で袴を着たりしたのが最後です。 そんなわけで、正直に言えば和装は今や「すごく身近」とは言えないでしょう。
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展示風景
着物の知識がほとんど無く、しかも身近には感じられない… でも、そんな私でも本展はすごく面白かったです! 興味を惹かれた部分について、詳しくお伝えしていきますね。
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展示風景
まず、歴史上の人物が身につけたとされる着物が現存していることに驚きました! 本展では、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が着ていた着物を見ることができます。
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陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様 織田信長所用 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館
信長はアゲハ蝶を背負って堂々とした陣羽織、秀吉は何頭もの獅子がいる強そうな陣羽織。 家康のは雪輪と銀杏で、大人っぽい落ち着いた印象の着物ではないでしょうか。
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左:胴服 染分平絹地雪輪銀杏模様 徳川家康所用 安土桃山時代・16〜17世紀 東京国立博物館、右:陣羽織 淡茶地獅子模様唐織 豊臣秀吉所用 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館
流行の移り変わりも興味深いです。 江戸時代には入内した徳川秀忠の娘・和子のファッションが京都から広がったり、島原や吉原の遊女がモードの最先端にいたりと、ファッションアイコンもさまざまだったのだと伺えます。
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左:島原遊女図 祇園井特筆 江戸時代・文化12年(1815年)京都府(京都文化博物館管理)、右:遊女道中図 菊川英山櫃 江戸時代・19世紀 東京国立博物館
島原の太夫、松扇が持っていたとされる髪飾り一式がこちら。 こんな風になっているとは知りませんでした。
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髪飾具 島原松扇太夫所用 江戸時代・19世紀 京都国立博物館
また、菱川師宣の《見返り美人図》などの美人画も、当時のファッションに影響を与えたそうです。
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手前:見返り美人図 菱川師宣筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館
江戸時代の浮世絵を見ていると、人物より着物のデザインに力が入っているように感じることが多かったのですが…実際、呉服商のおすすめの着物をコマーシャルするための浮世絵もあったそうで、納得しました。
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小袖 白綾地秋草模様 尾形光琳筆 江戸時代・18世紀 東京国立博物館
絵師といえば、尾形光琳が模様を描いた『冬木小袖』も展示されています! 呉服商雁金屋に生まれた光琳が直接描いた作品のうち、完全な着物の形で残っているのは本作だけとのこと。 ちなみに『冬木小袖』は本展での展示を最後に、本格的な修理に入るそうです。 修理のため寄附を募っているので、みんなで支えられたら良いなと思います。
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複製きもの(会場外)
募金は平成館に入って右のロッカー前で、展覧会会場の外でできます。 インクジェットプリントで『冬木小袖』を複製した着物のところです!
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展示風景
展覧会に話を戻して、大正から昭和の着物も見ごたえたっぷりです。 一部はマネキンに着付けされた状態で見られるので、柄の出方や帯の結び方も楽しむことができます。
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展示風景
帯の結び方もさまざまなので、後ろ側からもご覧くださいね。
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展示風景
モダンデザインの着物は、逆に新しい感じがしました。 レトロな柄ですが、伝統ともまた違う和洋折衷な魅力があり、今なお新鮮な感じがします。
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TAROきもの 岡本太郎原案 昭和49年頃(1974年頃)東京・岡本太郎記念館
現代の作品も見逃せません。 岡本太郎さん原案の着物は、絵画と同じくエネルギーが爆発していました。
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連作 光響 久保田一竹作 昭和58年~平成元年(1983~89年)イギリス 国際ショディエフ財団
染織作家の久保田一竹さんのインスタレーションも見どころの一つです。 『光響』は15の着物が連続して1つの風景となり、四季を表現している作品。
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YOSHKIMONO 展示風景
X JapanのYOSHKIさんが手掛ける「YOSHIKOMONO」の展示もありました。 呉服屋の長男として生まれ育ったそうで、モードや着物との関わりもある方だったのですね。
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婦女遊楽図屛風(松浦屛風)江戸時代・17世紀 奈良・大和文華館
このように、本展では鎌倉時代から現代までのさまざまな着物が展示されています。 それぞれの着物は「職人が手作りした一点物」ということも、実は大きな驚きポイントではないかと思います。 当たり前のことではありますが、改めて思うと本展のスケールがさらに大きく感じられるのではないでしょうか。
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展示風景
作品の繊細な刺繍や染織を見ていると、この着物たちは一体何人の職人が命を削って作り、何人の晴れ舞台を彩ってきたのだろう、と感じました。 関わったすべての人々の命の輝きを、展示される着物が代表しているように感じるのです。
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展示風景
後世に残る文化を作った人々の息吹を感じ、私も襟を正す思いでした。 本展は着物文化に触れると同時に、壮大なロマンに魂が涙する展覧会です。 Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加 ※取材許可を得て撮影しました。

展覧会基本情報

展覧会名:特別展「きもの KIMONO」 会場:東京国立博物館 平成館(上野) 会期:2020年6月30日(火)~8月23日(日)  前期展示:6月30日(火)~7月26日(日)  後期展示:7月28日(火)~8月23日(日) 休館日:月曜日、8月11日(火) ※ただし8月10日(月・祝)は開館 開館時間:9:30~18:00 所要時間:2.5時間 観覧料:一般は1700円 ※オンラインでの日時指定券の予約が必要です。 公式HP:https://kimonoten2020.exhibit.jp/

関連情報

同じく上野にある国立西洋美術館では、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展が開催されています! 日本美術といえば山種美術館。 桜展の会期が変更され、夏の開催となりました。 ポーラ美術館ではモネとマティスに焦点を当てた展覧会が開催中です! YouTubeの動画づくりを頑張ってます!
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