SOMPO美術館 開館記念展『珠玉のコレクション-いのちの輝き・つくる喜び』主観レビュー。
新たにオープンしたSOMPO美術館へ行ってきました! 1976年に開館した「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」は生まれ変わり、美術館専用の新しい建物で「SOMPO美術館」が2020年7月10日にオープンしました。 なだらかな曲線を描く建物のエントランスには、ゴッホ《ひまわり》の陶板複製画が。 伺った日は雨が降った後だったので、ひまわりも雨露に濡れていました。 新しい館内には、もちろん本物のゴッホの《ひまわり》が! ひまわりの連作のうち、アジアで見られるのはこの1点だけ。フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》(1888年)以前の展示より、少し近くで見られるように感じました。 花びらの凹凸がくっきりと浮かび上がって見えます。展示風景さて、SOMPO美術館は企画展が中心のイメージがあると思うのですが… 実は、東郷青児の作品を中心に約630点のコレクションを所有しています。グランマ・モーゼス作品 展示風景『SOMPO美術館 開館記念展 珠玉のコレクション-いのちの輝き・つくる喜び』では、70の展示作品を通し、同館のコレクションを鑑賞することができました。 《ひまわり》を始めとする印象派の名品、東郷青児の作品、「FACE」グランプリを受賞した現代作家の作品など、見どころがたっぷりです!ポール・セザンヌ《りんごとナプキン》(1879-80年)やはり注目度が高いのは、西洋画家の作品でしょうか。 セザンヌ 《りんごとナプキン》、ゴーギャン《アリスカンの並木路、アルル》も展示されています。 こちらも、以前の展示より距離が近く感じられました。ポール・ゴーギャン《アリスカンの並木路、アルル》(1888年)ルノワールの《浴女》は、修復を終えたばかりとのこと! 表面の黄ばんだ古いニスを取り除き、オリジナルに近づける修復を行ったそうです。 透き通るような肌や、背景の空の青さにうっとり。左:ピエール=オーギュスト・ルノワール《帽子の娘》(1910年)、右:ピエール=オーギュスト・ルノワール《浴女》(1892-93年頃)大正から昭和期に活躍した日本画家、山口華楊の《葉桜》も修復を経て公開されています。 虫害やシワなどが修復され、約10年ぶりの公開となったそうです。左:山口華楊《葉桜》(1921年)、右:山口華楊《幻化》(1979年)《幻化》も可愛らしい。 光に包まれてどことなく神秘性を帯びたきつねは、この世ならざる者が可愛く化けた姿のよう。東郷青児作品 展示風景それから、コレクションの核を成す東郷青児の作品にも注目です。 油彩は今までにも見る機会があったと思うのですが、保険の案内パンフレットなどの印刷物、エッチングや鉛筆の作品は初めて見ました!東郷青児デザインの安田火災の保険案内保険案内にこんな時代があったとは。 現在は広告ノウハウが溜まってきたのか、各社インパクトで競い合う側面があって、アートな表紙のパンフレットは出てこないだろうなぁ…と思います(元損保社員)。東郷青児によるデザインのカレンダー 展示風景カレンダーも凄く素敵。 この時代に生まれていたら、損害保険は安田火災一択でしたね。 カレンダーやパンフレット欲しさに加入しちゃう。東郷青児作品 展示風景東郷青児のエッチング、鉛筆、コンテの作品は、油彩とは違う愛嬌がありました。 どの作品も、油彩とはまた違う立体感や色彩の魅力を持っています。 鉛筆で描かれた《舞妓》は、日本の伝統と西洋の美意識が合わさったような、和洋折衷の不思議な魅力がありました。東郷青児作品 展示風景「FACE」グランプリの作家たちの作品も、今回見ることができます! FACEは年齢や所属を問わず真に力がある作品を公募するコンクール。 2012年度から毎年開催されてきたFACE展にて、入選作品が展示されてきました。FACE グランプリ受賞作品 展示風景今回は歴代のグランプリ作品を鑑賞することができます。 現代美術家として活躍されている方の作品もありますね。FACE グランプリ受賞作品 展示風景最後に、個人的には、SOMPO美術館の構想段階が分かる模型の展示がとても興味深かったです! 1/500の大きさの模型で、形や雰囲気を想像していったそうです。展示風景想像力を膨らませながら、他に無いインパクトの美術館を模索していった様子がうかがえるので、模型を見るのって好きなんですよね。 お菓子のパッケージのようにも見えてきて、可愛らしいです。 SOMPO美術館の外観は、東郷青児の作品をモチーフとした垂直面と曲面を組み合わせているそうです。 末広がりの本社ビルに調和する、柔らかな曲線を描いています。フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》(1888年)新しいSOMPO美術館で見る近現代の美術品。 コレクションの新たな表情を楽しめるのではないでしょうか? Share!▶︎Tweet ※取材許可を得て撮影しました。展覧会基本情報
展覧会名:SOMPO美術館 開館記念展 珠玉のコレクション-いのちの輝き・つくる喜び 会場:SOMPO美術館(新宿) 会期:2020年7月10日(金)〜9月4日(金) 休館日:月曜日 ※8月10日(月)は開館 開館時間:10:00 - 18:00(入館は閉館30分前まで) 所要時間:2時間 観覧料:一般は1000円 ※日時指定入場制 公式HP:https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2020/opening_exhibition1/関連情報
ゴッホの《ひまわり》は、単眼鏡で見ると別世界が見えます… ゴッホらしい凹凸の細部まで見るなら、単眼鏡をおすすめします。 アーティゾン美術館では、注目の現代アーティスト、鴻池朋子さんの展覧会が開催中です。 すみだ北斎美術館では、北斎や門人たちが描いた江戸の行事が分かる展覧会が開催中! 東京国立博物館では、きもの展が開催中です。 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が持っていたらしい着物もあるよ! YouTubeの動画づくりを頑張ってます! 読者登録していただくと、LINEに「アートの定理」の更新情報が届きます! 弊ブログのメインコンテンツは展覧会の感想です。 最新の展覧会情報はこちら。 今月の展覧会 今までに行った展覧会一覧 ツイッターでは、ブログに載せていない写真も掲載しています! 明菜(アートの定理)をフォローする インスタグラムも。 1人でアート大喜利やってます。 明菜氏のインスタ 最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました! 良かったら応援クリックお願いします!
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SOMPO美術館の開館記念展へ!ゴッホ《ひまわり》と東郷青児コレクション