『百花繚乱 ―華麗なる花の世界―』主観レビュー。

問題です。 花は花でも、枯れない花はな〜んだ?
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岸 連山《花鳥図》(部分)19世紀(江戸時代)
正解は「絵画に描かれた花」ですね。 簡単すぎたでしょうか? 山種美術館で展覧会『百花繚乱 ―華麗なる花の世界―』が開幕しました。 日本画の名手たちによって描かれた、四季を代表する鮮やかな花々をじっくりと堪能することができます。
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岸 連山《花鳥図》19世紀(江戸時代)
画家によって花の描き方が違うのですが、それはつまり、花の何を描きたいかが違うのだと思います。 例えば山口蓬春《梅雨晴》に描かれているのは、まるまるとした紫陽花です。
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山口 蓬春《梅雨晴》1966(昭和41)年 ⓒ公益財団法人 JR東海生涯学習財団
何色ものグラデーションには、実物より綺麗なのではと感じてしまいました。 緑と黄色の葉のグラデーションも美しく、真に迫った写生の表現力を活かした理想美だなあ、と思います。
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山口 蓬春《梅雨晴》(部分)1966(昭和41)年 ⓒ公益財団法人 JR東海生涯学習財団
小林古径《白華小禽》に描かれたのは、溢れるように咲く泰山木(たいさんぼく)。 大きく開いたお花からは香りまで漂ってくるようです。 蕾の方は、中に濃密な香りを閉じ込めているのでしょうか。
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小林 古径《白華小禽》1935(昭和10)年
少し眺めていると、青い鳥を見つけてハッとします。 白くて大きな花に目を奪われてしまい、周りが見えるまで時間がかかるんですよね。 画家の計算に嵌っているのだと思います。
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小林 古径《白華小禽》(部分)1935(昭和10)年
泰山木の白い花の描き方に注目したいのですが、白い花びらを立体的に見せるため、影のようなぼかしを入れています。 現実には見えない影ですが、これがあることで花びらが浮き上がり、厚みや重さを感じることができますよね。 絵画ならではのリアリティの表現です。
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川端 龍子《八ツ橋》1945(昭和20)年
川端龍子《八ツ橋》も良い作品でした! 《八橋図屏風》など尾形光琳の作品に影響を受けて制作した、燕子花(かきつばた)の屏風です。
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川端 龍子《八ツ橋》(部分)1945(昭和20)年
光琳が同じ形の花を繰り返し登場させたのに対し、龍子は一つ一つを個性のある花として描写しており、2人の作品は似て非なるものとなっています。 龍子の作品は白い燕子花も描かれており、題材をデザインから自然に返そうとしたのかな、と感じました。
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荒木 十畝《四季花鳥》1917(大正6)年
本展で痛感したのですが、日本画は花と相性がとてつもなく良いです。 滲みを上手く使って花びらの色の濃淡や立体感を表しており、油絵にはできない表現が作品のいたるところに見られました。
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展示風景
しかし、絵画の花は枯れない…というのは、やや間違っているかもしれません。 ぞんざいに扱えば絵画の絵具は剥がれ、永遠と思われた花も散ってしまいます。 私たちが美術館でお花見を楽しめるのは、決して当たり前のことではなく、学芸員や修復家など専門家のおかげなんですね。
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展示風景
山種美術館は2021年に開館55周年を迎えます。 60周年、70周年、100周年と、これからも日本画を堪能したい! 美術好きの一人として、ますます応援したい気持ちが高まったのでした。 Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加 ※取材許可を得て撮影しました。

展覧会基本情報

展覧会名:百花繚乱 ―華麗なる花の世界― 会場:山種美術館 会期:2021年4月10日(土)~6月27日(日) 休館日:月曜日(5/3~6は開館) 開館時間:平日10時~16時/土・日・祝日10時~17時 ※今後の状況により会期・開館時間等は変更される場合がございます。 所要時間:1.5時間 観覧料:一般は1300円 公式HP:https://www.yamatane-museum.jp/exh/2021/flower.html

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