本日9月10日、『教養として知っておきたい名画BEST100』が発売となりました!
私もライターのひとりとして、41作品の解説とコラム2つの執筆を担当しております。

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日本を含む世界の絵画に、1位から100位までのランキングをつけるとしたらどうなるのか。 「なんであれが入ってないんだ!」「なんでこれが○○位なんだ!」とのご意見もあると思いますし、ある意味、炎上覚悟のチャレンジングな書籍であります。 監修の山内舞子さんを中心に、ライターの齋藤久嗣さん(かるびさん)、ヴェルデさん、私が主な文章を担当し、版元や編集部の方々と一緒に、率直に意見を交わして順位を決めました。
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しかし、我々は順位を決めたいというよりは、美術に興味を持ち始めた初心者さんの「はじめてガイド」になる本を作りたい、と思って取り組みました。 「絵は見たことあるけど、そういえば誰が描いたのかは知らない」 「モネが睡蓮を描いたことは知ってるけど、ほかの作品は知らない」 「ヨーロッパの名画はわかるけど、日本美術や近現代はほとんど知らない」 とモヤモヤしている初心者さんにとっても読みやすく、鑑賞ガイドとしても役立つ本を目指しています。 私自身、美術に対する知識が皆無だった時代がありますし、当時の自分に勧められる本を、と思って執筆しました。
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知ってほしい画家を挙げれば止まらず、100人と言わず200人、いやもっと、となりますが、それでは初心者さんが困ってしまうでしょう。 そこで本書では、思い切って100画家100作品を厳選し、「とりあえずここに載ってるのは押さえておこうぜ!」と三つ指をついて申し上げております。 見やすさのために1位から100位までの順位がついてはいますが、これはあくまでも参考値! 100画家100作品を押さえたら、あなた自身が101人目の画家を見つけに行くのです!

著者が語る『名画BEST100』の凄さ!

手前味噌ですが、著者のひとりとして「似たような初心者向けの本との違い」を紹介していきます。 もちろん類書も素敵な本ばかり。 だからこそ、『名画BEST100』のユニークさをお伝えしたいです。

①現代美術の写真が充実!

マリリン・モンローやスープ缶の作品で有名なアンディ・ウォーホル。 ZOZOの元社長である前澤友作さんが123億円で購入したと大騒ぎになったバスキア。 新作を発表すればたちまち世界の話題をかっさらうバンクシー。
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本書はこのような現代のアーティストにもページを割き、しっかり解説しております! 作品画像も大きい! 裏話になりますが、こうした本に作品を載せるとき、場合によっては使用料を支払います。 現代のアーティストは著作権の保護期間中で、使用料がときに途方もない金額になることも。 コストを抑えるためなのか、類書では現代アーティストの作品を掲載していない、もしくは点数が少ないものが多いです。 著作権が切れた古い作品が中心となり、現代アートが手薄になっている書籍が多いんですよね。 しかし、本書は版元と編集の皆さんがすごく頑張ってくださり、現代アートにも手を広げられました。 ウォーホルの絵もこんなに大きく載っております〜!!
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いやはや、使用料を聞いたときは目玉が飛び出ましたよ……。 「じゃあウォーホル載せるのやめよう」と判断することも可能ですが、そこをなんとか頑張ってくださった皆さんに感謝です。 現代アートにも触れた初心者向けの本は少ないので、読者の皆さんにもぜひ役立てていただきたいです。

②ガバッと開いて見やすい!

完成した本を手に取って最初に思ったのが「ガバッと開く!」でした。
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横長の絵画を大きく載せるため、2ページにまたがるレイアウトは類書でもよく使われています。 残念ながら綴じた部分が開きにくく、絵の真ん中あたりの大事な部分がよく見えない……という事故が起きた本もあるよね……。 ですが、本書はめちゃめちゃガバッと開く! 2ページにまたがる絵画もとても見やすいです。 製本をやってくださった方が凄すぎる。 ありがたい配慮です。

③コラムも充実!

ライターとしては、100作品の解説はもちろんですが、コラムにも注目していただきたいです。
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ヴェルデさんはルネサンスのイタリア美術に詳しいので、アトリビュート(持ち物でどの聖人かわかる、など)のコラムを。 オールラウンダーのかるびさんは、アートとお金のコラム、巨匠が巨匠になれた理由コラムを執筆。 各ライターが自分の知識と強みを活かし、作品解説だけではカバーできない部分を熱くコラムで解説しました。
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私は「美術館の楽しみ方」と「抽象画の楽しみ方」を担当しました! 美術館のほうは、アートの定理の読者さんにとっては常識レベルかな。 でもでも、抽象画の楽しみ方はよく質問をいただくし、書籍でガッツリ書けて良かったです! 抽象画を楽しむポイントは、色と形です。 「色と形の美しさを極めたら、具体的なものを描いた絵じゃなくて、抽象画になっちゃった!」というのが抽象画だからです、ざっくり言うと。 だから、絵画の色と形に画家はどんな美意識を込めたのか、心のままに楽しむのです。 詳しいことは本書に書きました。 既に世に出ている抽象画の見方系の本や記事は、専門的すぎたり、感覚的すぎたりするな、と問題意識を持っておりました。 本書では、私としては丁度いいレベル感になったと自負しているので、ぜひご参考ください。

あらためて『名画BEST100』をよろしくお願いします

美術初心者を中心に、皆さんに楽しんでいただける本になったと思います。 さっそく、いまトピアート部のKINさんが書評を書いてくださりました。 率直なご意見をありがとうございました!
本を作る過程では、勝手ながら私も随分と意見させていただき、かなりご迷惑をおかけしました。 その分、自信を持って読者の皆さんにおすすめします。 ぜひお手に取っていただけましたら幸いです! Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

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