アートの定理

「芸術鑑賞はエンタメ!」 を伝えるため、テンション任せな自由ブログを運営中。 展覧会の感想、作品の考察、ミュージアム私小説など、1人井戸端会議を綴っています。

カテゴリ: ミュージアム私小説

前回のお話。 ミュージアム私小説第9話。青銅時代は、西洋美術館の常設展の最初の部屋で飾られている。 つまり、避けようがないのだ。 「ごめん」 「…」 「本当ごめん」 「…」 銅像に謝る人間。 これこそ絵になる景色ではないか。 「接吻の2人は、話しかけても聞いて …… Read More
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前回のお話。 ミュージアム私小説第8話。 「どうしよう…」 もう1週間も同じことを考えている。 怒られるかなぁ、と思われることについて、伝えるのを先延ばしにしている。 延ばせば延ばすほど、言いづらくなっていくし、気持ちも重くなっていくのに。 言えないまま、時間 …… Read More
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前回のお話。 ミュージアム私小説第7話。「私のこと、見てるの?」 「違うわよ。私のことを見てるのよね?」 鈴がころころ転がるように高くて細い声で彼女たちは話す。 響く場所なのか、小さな声には随分エコーがかかっている。 「どっちも。でも後ろの人たちも気になるな …… Read More
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前回のお話。 ミュージアム私小説第6話。「久しぶりだな。今日はプラド美術館展のついでかい?」 「ついでって言い方はちょっと…まぁ、そうなんだけどさ」 ベラスケスのカルロスくんやマルスさんと話した後は、恒例の常設展へ。 最初の部屋の彫刻たちも、なかなかお喋りで …… Read More
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前回のお話。 ミュージアム私小説第5話。青い空を脇役に押し込め、大きな馬に乗って駆けるのは小学校に上がるか上がらないかくらいの男の子。 表情は大人びて凛々しく、落ち着き払っている。 でも、膨らんだ頰と小さい鼻は年齢相応の愛らしさだ。 「かっこいいね!」 「あ …… Read More
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前回のお話。 ミュージアム私小説第4話。 「ずっと見ていて飽きないのか」 「飽きないよ。ふくらはぎの筋肉が良い感じ」 「俺はそろそろ眠りたいんだが」 胸がざわつくようなハスキーボイスだ。 鉄の武具をなおざりに脱ぎ捨て、疲れた様子でベッドに腰掛けた男は言った。 …… Read More
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前回のお話。 ミュージアム私小説第3話。 「絵の中から見える景色は、あなたには絶対、見えないわね」 アルジェリア風の格好をしたパリジェンヌは言った。 「私たちは絵の中を生きているけれど、それはあなたたちの世界と比べて、悪いところじゃないのよ」 「そうなの?1 …… Read More
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前回のお話。 ミュージアム私小説第2話。 3人の女性がいる。 真ん中の人はとびきり美人で目鼻立ちがはっきりしている。 大きくて黒い瞳に吸い寄せられ、口角の上がった三日月型の唇に気づく。 ふんわりパーマがかかった金髪と、濃い化粧が強調する微笑みは、近寄りがたい雰 …… Read More
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前回のお話。 ミュージアム私小説第1話。三匹の子ぶたの末っ子が作った藁の家みたいなやつが2つ並んでいる。 先が丸くなった色鉛筆みたいな形だ。 1つは近く。 もう1つは少し遠く。 左側から暖かな光が当たって、何もない草原をピンク色に塗りつぶす。 影さえも逃げていっ …… Read More
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プロローグ 「ボンジュール!」 「ボンジュール!」 美女と野獣に出てくるあの村の人々みたいな陽気さで、私を迎えてくれる男たち。 彼らはフランス出身だから、ボンジュールで挨拶する。 「久しぶりだな!もう君に飽きられたのかと思った」 「最近は現代アートばっかり追 …… Read More
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