インスタレーションって何?

なんとなく、絵画以外の作品インスタレーションと呼んでいるような気がする今日この頃。
スターバックスで売っていそうなオシャレワードですね。
インスタグラムとも前半部分が同じなので、「意味は分からなくても良いんじゃない?だってオシャレなんだから」感が強いキーワードとも言えます。

しかし知らないで使い続け、いつか「インスタレーションって何?」と聞かれた日には堪りません。
弊職も今まで知らなかったので、恥ずかしい限りです。
そこで、この記事では弊職が「これぞインスタレーションだ!」と独断と偏見で選んだ作品の写真とインスタレーションの意味を解説します。


インスタレーションという言葉の意味

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ミントデザインズ 勝井北斗、八木奈央「シンプルの明日」@松屋銀座ディック・ブルーナ展(2017年)

ミッフィーちゃんの世界に迷い込んだかのような体験ができたブルーナ展。
おもちゃのような世界観の作り込み方が楽しかったです。
インスタレーションと言って差し支えないでしょう。



そう、インスタレーションの語源はインストールです。
インストール=設置と訳しますね。
つまり、作品が設置された空間そのものがアート=インスタレーションなのです。

言い換えると、絵画や彫刻といった具体的な作品のみならず、アートによって成り立つ空間も作品として捉える、ということです。
普通は作品を1点ずつ味わって鑑賞しますが、インスタレーションは空間をトータルで鑑賞するものなのです。
どうだろう、これ伝わってるのかな…?


インスタレーションは五感で楽しむもの

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カールステン・ニコライ「unidisplay」@市原湖畔美術館パララックス展(2017年)

目で見る作品以外も含む所が、インスタレーションの特徴です。
上の画像はただの楕円模様ですが、真っ暗な部屋でスクリーンに動く模様が映し出されているんですね。
しかも、ピーとかキーンとか機械的な音が流れています。

このように真っ暗な部屋だと、五感が鋭くなるんですよね。
音に敏感になるので、突然ドンッ!とかいう音が流れると、必要以上にビックリします。
弊職なんかイスに腰掛けていたのに飛び上がりました。
アメリカの漫画みたいな飛び上がり方をしてしまいました。

現代アートは何でもありだと言われますが、その「何でもあり」に名前をつけたのがインスタレーションなのでしょう。
いち鑑賞者としては、面白いので大歓迎です。
五感が試されます。

今後はVRで広がっていきそうな予感がします。
何も無い空間にVRで意味を与えるようなアートとかありそうです。


マルチスキルが必要

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シャーロック・ホームズ博物館@ロンドン

悪趣味なほどヴィクトリア調のインテリアで固められたホームズの部屋。
奇跡的にメイド服っぽい格好の方を一緒に写真に収めることができました。
急にアンティーク家具たちの生活感が増しましたね。



だけど、空間をプロデュースするとなると、各分野の専門家が集わないと無理なのでは?
という気がしています。

まず、どんな作品を作るにせよ、それなりの大きさや量が必要ですよね。
空間を作らなければいけないので。
大きいものをドーンと置くか小さいものを沢山置くか、でしょう。
この段階で既に独力では大変そうです。

それに、音楽を使うなら作曲センスが無いといけないです。
または、どこか外に出向いて環境音を録音してくるとか。

映像を使うならカメラワークのセンスも必要だし。
もし空間から作り上げるとすれば、建築の知識も要りますよね。

うん、とっても大変そう…。
こうなってくると、とても1人で良い作品を生み出せるとは思えません。
全部上手くこなせる器用な人はいるかもしれませんが、突き抜けた芸術作品にするには相当の才能が無いと…厳しそう…。

これからのアート空間はチームによってプロデュースされるものかもしれません。
チームラボとか、素晴らしい体験型の展示やってますもんね。
(彼らはテクノロジー集団でもありますが、作品は感動的です。アートです)

凄いマルチなアート集団とか見てみたいなぁ。
才能がぶつかり合ってケンカになる可能性も否めないけれども…。
独力で戦ってるアーティストは凄いと思うけど、集団でやってみるのも面白いんじゃないでしょうか?

まぁ、点で味わう作品もなぜかインスタレーションと呼ばれることがあるのですけれどもね…。
最終的には作家のさじ加減な気がします。


まとめ

インスタレーションとは、空間を堪能するアートのことだった!
でも最終的には作家のさじ加減で決まるものだった!


これでまた一つ、アートに関する知識が増えました。
何より、明日からは突然「インスタレーションって何?」と聞かれても大丈夫です!
安心してスタバに売ってそうなオシャレワード「インスタレーション」を使いましょう!


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