アムステルダム国立美術館 主観レビュー(レンブラント《夜警》修復編)。

レンブラント《夜警》、ただいま修復中!
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私が訪れたときは状態をスキャンしているところだったようで、機械が左右にゆっくりと動いていました。 動画を母親に見せたら、「絵の修復って機械がやるの…?」と天然な返事が。 修復の過程はSNSでも配信されており、インスタではライブ機能を使っているとかいないとか。 ツイッターでも何に取り組んでいるのか説明してくれているので、気になる人はフォローすべし。
今回の修復で主となるのは、絵画の右下にいる子犬あたりの、白っぽくなっている部分です。
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レンブラント・ファン・レイン《夜警》(1642年)
1975年にナイフで傷つけられる事件が起き、時を経て今の状態になってしまっているそう。 本作もそうですし、モナリザやピエタなど、傷つけられる事件が時折起こるのはなぜなのでしょうかね…
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大塚国際美術館での原寸大レプリカ展示風景
大塚国際美術館でレプリカを見たことがあるのですが、そのときの印象は「小さっ!」でした。 システィーナ礼拝堂の原寸大再現など、規模の大きすぎる展示があったので、小さく見えていたんだろうなぁ。
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対して、今回アムステルダム国立美術館で《夜警》を見た印象は「大きい!」でした。 この感覚の違いは重要です。 同じくらいの年代のオランダ絵画と比べると、《夜警》は大きい部類に入るから。 レンブラントが活躍したのは、市民階級が絵を買うように変わってきた時代。 手頃な大きさ・値段の絵画が流行ったのだなぁ、と分かります。
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そんな17世紀の事情があって「小ぶり」な絵画が多い時代の中で、《夜警》の大きさは異常と言っても良いくらい大きいです。 等身大を通り越した巨大さ。 注文したのは火縄銃組合で、その本部のホールに飾る「集合写真」的な位置付けの作品です。 それが今やオランダの至宝ですからね…おじさんたちの集合写真なのに…
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一部は機械で見えなかったものの、実物を見て感じたのは、ストーリー性ですね。 一糸乱れぬ集団が動きを持って見えるのは、レンブラントの光と影の足し算・引き算が上手いことや、対角線を強調する威風堂々とした構図が良いのだと思います。
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当時、ちょっとお金を持つようになった市民たちが何人か集まって1枚の絵を依頼していたので、一般的には本当に「集合写真」の絵が作られていたんですよね。 そんな中、レンブラントはただの集合写真ではなく、物語や動きまで表現しました。 一方で、目立つ人・目立たない人の格差が出てしまったため、不評だったという説も… あと、組合と関係ない少女が白く目立っているのも不評だったらしい。
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しかし額縁から外れている状態を見られるのもなかなかレアではないでしょうか。 端っこの処理がガタガタしている様子は、個人的には意外。 現代の作家さんの作品だと額無しで見る機会も多く、端っこまでしっかりと、後ろに回り込むように描かれているので意外だったんですよね。 端っこは剥がれたのか、もともと描いていないのか気になる。 こういうのって、額縁から出して初めて分かることですよね。
修復期間がいつまでなのかは分かりませんが、傷つけられた部分が綺麗になることを祈るばかり。 このクラスの大きさ・貴重さの絵画が来日することはあり得ないので、オランダへ見に行きましょう! Share!▶︎ このエントリーをはてなブックマークに追加

美術館基本情報

館名:アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum) 行き方:2、5番トラムでRijksmuseum下車 所要時間:無限 観覧料:€20 公式HP:https://www.rijksmuseum.nl 日本語インフォメーション:https://www.rijksmuseum.nl/jp/general-information-japanese

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